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更新日:2021.03.31 / 掲載日:2021.03.30

レクサス、新EVコンセプトカー「LF-Z Electrified」を発表

 3月30日、レクサスがブランド変革に向けたこれからの取り組みとともに、次世代のレクサスを象徴する新しいコンセプトカーを発表した。

 「LF-Z Electrified」と名付けられたこの新しいEVコンセプトカーは、先進的なデザインに加え、バッテリーやモーターを最適配置することで慣性諸元の向上も達成。独自の四輪駆動制御技術「DIRECT4」などの採用で従来のクルマでは考えられなかった高い運動性能を獲得したほか、移動中の時間をより楽しめるように先進的なインフォテイメント機能も積極的に採用されるという。
 レクサスは現在、世界約90 の国と地域で9 車種のHEVやEVを販売。2月の発表によれば、2020 年末時点で約193 万台の累計販売台数を記録しているが、今回発表されたコンセプトカーは2019年に示されたレクサスの電動化計画に基づいて、2025年までに実現を見据えたものとなっているのが大きなポイントだ。世界的な展開を想定している内容となっている。

 また、レクサスは、2025 年までに10 以上のEV、PHEV、HEV 等の電動車を含む、約20 車種の新型や改良モデルの投入もアナウンス。もちろん仕向け地によって導入されるモデル数は異なってくるだろうが、これには現在の中心となっているセダンやSUVに加え、スポーツモデルやショーファーカー、さらに新ジャンルのモデルも含まれるというのが興味深いところだ。さらに、2025 年には全車種に電動車を設定し、販売台数の比率もエンジン車を超えることを目標にするという。

 今回の発表は、2050 年には材料の製造から車両製造、物流、製品のライフサイクルまで含めてカーボンニュートラルなクルマづくりを目指すなど、トヨタが全社的に掲げるSDGsに対しての取り組みにも大変積極的なのが印象的だ。その手始めに2024年3月には愛知県にあるToyota Technical Center Shimoyama(トヨタテクニカルセンター下山)にレクサスの新たな事業拠点を開設。「もっといいクルマづくり」を開発技術面はもちろん、環境保全や地域との共生といったサステナブルな視点からも考えていくという。新たな動きを始めたレクサス、ますます注目だ。

●LF-Z Electrified のポイント

 2025 年までに実現を見据えた走りやデザイン、先進技術を織り込んだレクサスブランドの変革を象徴するEV コンセプトカーが「LF-Z Electrified」だ。

 車両基本性能の大幅な進化を実現するため、プラットフォームはEV 専用。バッテリーは車両フロア下に搭載される。フレームの高剛性化や低重心化により、路面からの微細な振動や不快な音を防ぎ、これまで以上に乗り心地や静粛性を向上しているという。

 前後輪アクスルに高出力なモーターを搭載した新たな四輪駆動力制御技術「DIRECT4」を採用するが、このシステムはアクセル、ブレーキ、ハンドル操作に応じて前後の駆動輪を独立制御できるのが特徴。つまり、駆動力配分を自在に変化させ走行シーンに応じてFF、FR、AWDといった様々な駆動方式をシームレスに提供してくれるのだ。ステアリングにもバイワイヤ方式が採り入れられており、「DIRECT4」の高応答、高精度な駆動力制御と相まってドライバーの意のままの走りを実現する。

 エクステリアも新しいレクサスの方向性を示すに相応しいものだ。EVならではの低いノーズからリヤに向けてつながる力強さを感じさせる艶のある面と滑らかなシルエット。張り出したタイヤを強調したワイド&ローなスタンスは、レクサスのデザインアイコンであるスピンドル形状をボディ全体で表現する新しい手法だ。横一文字の薄型リヤコンビランプにLEXUSのロゴを配するのも新たな試みで新生レクサスを象徴している。

 インテリアにも新しいコンセプトが注がれている。「Tazuna」という呼称の通り、手綱で意思疎通を図る人と馬の関係性に着目したというが、これはステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを連携させることで、視線移動や煩雑なスイッチ操作などをできる限りオミット。AR-HUDやタッチモニターなどステアリング周辺に走行系機能が集約されている。また、コックピットを中心に据えつつ、乗員に対してインパネを低く配置することで解放感を演出したキャビンは、調光ガラスのロングパノラマルーフと相まって明るく快適な空間を実現。乗員間のコミュニケーションに役立つように、ルーフセンターにはフロントシートとリヤシートをつなぐタッチパネルが配されるなどの工夫も凝らされている。
 ドア開閉の安全性にも配慮されており、先進のE-Latchシステムを採用。乗車時には格納式ドアハンドルが車両表面から自動スライドするほか、降車時に車両に搭載されたセンサーが接近する車両や自転車を感知した場合には、乗員に警告を発する機能も搭載されている。

 先進的なインフォテイメントシステムも見どころだ。移動時間をより豊かで充実したものにするため、ドライバーの嗜好や行動特性をAIが積極的に学習し、音声コミュニケーションにより、運転中の操作性向上に貢献。ドライブコースやレストランの予約なども行えるようになっている。
 また、デジタルキーを採用することも大きなトピック。これにより、スマートフォンでドアロック開閉などが行えるほか、物理的な鍵を渡すことなく家族や友人がクルマにアクセスできるようになる。これはカーシェアリングなどの可能性やクルマへの荷物宅配などの新たなサービスを生み出すきっかけにもなるだろう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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