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更新日:2019.08.30 / 掲載日:2019.08.30
フォルクスワーゲン8代目新型ゴルフ。開発最終段階を公表!

この秋のデビューが予想されているニューモデルの中でも、大物中の大物と言えるのがVWゴルフだろう。1974年の初代以来、新型で8代目。世界累計販売台数3500万台以上は我らがトヨタカローラと並ぶ、世界のベストセラーの代表選手だ。
その8代目ゴルフは、まさに開発の最終段階。VWの公式リリースでは、偽装を纏ったテストカーの写真も公開されている。ボディの微妙な陰影を消し去る黒と白の縞模様のカッティングシートの偽装は、目を細めてみるとGOLFの文字が浮かび上がる、それはそれで見事なデザイン(?)だが、それに惑わされずに見てみれば、そのフォルムは紛れもないゴルフであることがわかる。
タイヤをボディの四隅に配置し、しっかりと大地を踏みしめるプロポーション。後方に向かってわずかに傾斜しながら、室内の広さを予感させる長いルーフ。そしてなによりもそのルーフを支えるがっちりとした太いCピラーが、ゴルフのDNAを物語っている。
ゴルフは長らく世界の2BOXコンパクトカーの基準となり続け、走りや快適性はもちろん、近年では、上級車をもしのぐほどの質感の高さでも知られる。新型でも、大衆車という言葉がもはや似合わないほどの質感や快適性を実現させてくることはまず間違いない。新型では、コネクテッド技術やデジタル技術、先進運転支援システムなどの分野でも、大きな進化を遂げるとアナウンスされている。
パワートレインに関して、最も注目されるのは48V電源によるマイルドハイブリッドシステムだろう。VWグループの高級ブランド、アウディから採用が始まったこのシステムは、機構的にはスズキのシステムに近い。ベルトドライブによるモーター兼発電機を備え、発進加速時にはモーターでエンジンをアシストし、減速時には走行エネルギーを無駄なく電力として回生する。ポイントは、12Vの通常の始動用&アクセサリー用のバッテリーとは別に、助手席シート下に48Vのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、走行エネルギーを高電圧で出し入れすることによって、より高効率を実現する点だ。
高速巡航中には、アクセルを放すと惰性で走行するコースティングも可能で、システム全体では、欧州流の計測モードによると100km当たり約0.4Lの燃料が節約できるという。このマイルドハイブリッドシステムは1Lまたは1.5LのエンジンとDSGトランスミッションに組み合わされている。現行ゴルフには、すでにPHEVやEVも用意されているが、VWではマイルドハイブリッドシステムについて従来のエンジン車からの最小限の変更で効果が期待できるメカニズムとしている。
世界的な知名度を誇るゴルフがいよいよマイルドハイブリッドを本格的に採用してきたことで、世界のクルマの電動化は今後も加速していくことだろう。もう一つのベストセラー車であるトヨタのカローラが、効果も高いがコストも高いフルハイブリッドシステムにこだわるのに対して、比較的簡易なゴルフのシステムが市場にいかに受け入れられていくのかにも注目だ。

VWグループの高級ブランド、アウディから採用が始まった48V電源によるマイルドハイブリッドシステム。
12Vの通常の始動用&アクセサリー用のバッテリーとは別に、助手席シート下に48Vのリチウムイオンバッテリーを搭載する。システム的にはスズキのマイルドハイブリッドに近い。