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更新日:2019.06.28 / 掲載日:2019.06.28
新型8シリーズグランクーペデビュー!美しさと使い勝手と走りを両立させたグランクーペ第三弾
まるでクーペのような流麗なフォルムに4枚のドアを持ち、美しさと使い勝手を兼ね備えた高級パーソナルカー。欧州の高級ブランド車で、そんな商品企画が花盛りだ。そもそもは、メルセデス・ベンツが2004年にデビューさせたCLSクラスが世界的なヒットとなり、各社が後を追った企画だが、さらに源流をたどれば、80年代にトヨタがカリーナEDで成功し、日本メーカー各社が同工異曲で後を追った企画であり、さらにその前には、60年代のフルサイズ時代のアメリカ車でもスポーツカー並みに背の低い4ドアハードトップが流行している。ともあれ、現在の欧州の4ドアクーペが当時の日本車と違うのは、実用車ではなく、高級ブランド車であることがミソ。本来、欧州におけるクーペとは、貴族階級がオペラなどの夜遊びに自分で操って乗りつける軽快な馬車がルーツ。若者がかっこつけて乗る乗り物ではなく、格式の高い遊びグルマだった。だから実用性は二の次で、艶やかなデザインや贅を尽くした内外装、快適だがその気になれば周囲から抜きんでる高性能などが必須。メルセデス・ベンツのCLクラスやBMWの6、8シリーズといったクーペも、本来はそうした要件を満たした正統派クーペだ。しかし、いかに複数のクルマを所有して目的に合わせて使い分ける貴族でも、やはり普段使いでも使いやすいほうがいい。夜遊び先で出会った盛装の友人夫婦を同乗させるにも、シートを倒して、窮屈そうに後席に案内するのではなく、リヤドアを開けてスマートにエスコートする方がいいに決まっている。
そんなニーズを最初に満たしたのが、大昔から貴族御用達だったメルセデス・ベンツだったというわけ。今ではアウディやBMW、ポルシェなど、各社にタマが揃う。そうした中で、2019年6月19日に発表されたのが、BMW8シリーズグランクーペだ。BMWではこうした4ドアクーペシリーズをグランクーペと呼び、これまでミドルクラスの4シリーズ、アッパーミドルクラスの6シリーズに設定している。新しい8シリーズグランクーペは、そのシリーズ3機種目となる最上級車だ。全長5082mmは堂々たるプレステージクラス。全幅も1932mmもあるが、全高は1407mmとスポーツカー並みの低さだ。同じ8シリーズの2ドアクーペと比べると、231mm長く、30mm幅広い。全高はそれでも2ドアより61mm高く、デザインと使い勝手のギリギリのバランスが狙われている。ホイールベースは3023mmもあり、おかげで低い車高にもかかわらず、前後席ともにゆったり足を延ばして座れる広さが確保されている。かつての5ナンバー規格の日本の4ドアクーペ達は、後席など使えた広さではなかったが、十分なサイズの8シリーズともなれば、低い車高と着座位置でも、きちんとしたパッケージが可能というわけだ。もちろん最上級クラスの高級車だけに、フル液晶ディスプレイを使ったデジタルメーターパネルや音声入力も可能なコントローラーを始めとする、考えられる限りの最先端装備が満載される。搭載されるエンジンも、530hpを発揮する4.4LのV8ガソリン直噴ツインターボエンジンを筆頭に、新開発の直列6気筒のガソリン、ディーゼルが揃う。駆動方式は、前後トルク配分を無段階に制御する電子制御4WDシステムのxDrive。大パワーを安全、確実に路面に伝えながら、BMWらしいハンドリングを味合わせてくれるはずだ。そんなBMW8シリーズグランクーペは、2019年秋の上陸がアナウンスされており、すでにティーザーサイトが立ち上がって特別先行予約も始まっている。1000万円以上と予想されるスターティングプライスが苦も無く支払える幸福な人は、予約金に充当される15万円を決済するクレジットカードを握って正規ディーラーへ急ごう。