車のニュース
更新日:2019.05.14 / 掲載日:2019.05.14

TOYOTA新型RAV4完全ガイド

トヨタのベストセラーSUVが最先端モデルとして大復活!

ここ数年、TNGA技術を注いだ新世代モデルを続々と投入し続けているトヨタだが、日本復活となる5代目RAV4にもトヨタの最新は出し惜しみなし。レジャーから街乗りまで、SUVを使い倒したいユーザーにとって見逃せないモデルになっているぞ!
●文:川島茂夫/編集部●写真:奥隅圭之/澤田和久

SUV多様化時代に対応した新世代ミドルSUVとして誕生

RAV4と聞くと、未だに初代のコンパクトなダートスポーツ、あるいは気軽に乗れるランナバウトモデルを想像してしまうが、実際は代を重ねるごとに車格が高まり、3代目以降はトヨタの世界戦略車という一面を持つモデルだ。

その歩みはなかなか興味深い。初代は軽快な走りを武器に日本のSUV市場を切り開いたエポックなモデルであり、オンロードを得意とする現在のC-HRのイメージに近いSUVだった。2代目は初代のパッケージングや走りの志向は引き継いでいたものの、キャビン空間の余裕や使い勝手を求めて5ドアモデルを主力に据えるなど、タウン&レジャー向けのワゴンとしてのキャラクターを強化した。

3代目は、ボディサイズが一回り以上拡大され、ミドルSUVにステップアップ。国内からは大きすぎるとの声もあったが、海外では爆発的な人気を集め、4代目もその路線を踏襲。国内では車格が被るハリアーが人気を集めていたというお家の事情もあって4代目は導入が見送られたが、激しい競争が続く、世界のSUV市場において揺るぎない地位を獲得している、ベストセラーの1台だ。

そんな経緯を持つ5代目のRAV4が、なぜ再び国内市場に投入されることになったのか? それは昨今のSUV市場の多様化によるところが大きい。

実は現在のトヨタSUVのラインナップを見ると、C-HRとハリアーはオンロード&スペシャリティに軸足を置いたSUVであり、ダート&オフロード向けとは言い難い。トヨタ車の中でアウトドアレジャー志向を求めていくと、本格クロカン車のランドクルーザープラドまで車格を上げなければならない。国内においてぽっかりと空いている大きな穴を埋めるために投入されるのが、新型RAV4というわけだ。新型はシャシーからパワートレーン、4WDシステムまで最新型にアップデートされ、さらにパッケージ面もラフロード対応を強めるなど、アウトドアレジャー向けのSUVとして上手にまとめてきている。

一世代前こそハリアーとの棲み分けが問題になったが、実用型SUVとして大幅に進化を果たした新型RAV4は、上級志向を追求するハリアーとも上手に共存できる懐の深さを持っている。これまでレジャー系SUVは、トヨタ以外のモデルが代わるがわる主役を務めてきたが、新型RAV4の登場により、その勢力図が大きく変わるのは間違いないだろう。

5代目RAV4は実用型SUVとして登場!

  • オンロードからオフロードまで マルチに使える万能モデルに進化

    今までは悪路や雪路を得意とするオフロードSUVのラインナップに弱さがあったトヨタだが、新型RAVの登場で一気に解消。オン/オフ問わない万能ぶりで、高い人気を集めそうだ。

  • 全身くまなく先進技術が注がれたトヨタ自慢のフルTNGAモデル

    シャシーやパワートレーンには、トヨタ最新のTNGA技術が惜しみなく投入される。ミドルSUVは実力モデルが数多く揃っているが、それらと互角以上に戦える実力が与えられているのだ。

  • 幅広い状況で安心&便利さを実感 安全&運転支援機能も抜かりなし

    トヨタの安全機能は随時最新仕様にアップデートされている。もちろん、新型RAV4にもフル機能版のトヨタセーフティセンスが標準装備。せーフティの面でも秀でた存在だ。

4代目RAV4は日本には未導入

日本には導入されなかった4代目RAV4は、2018年には世界で80万台を超える販売実績を記録したベストセラーモデル。実用性とプレミアムを巧みに両立したキャラは、日本でもそこそこ売れていたのでは? と感じてしまうほど。

icon 北米で評価された力強いルックス タフでクリーンなイメージだ

Adventure ■主要諸元(Adventure) 

●全長×全幅×全高(mm):4610×1865×1690 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1630 ●パワーユニット:1986cc直4DOHC(171PS/21.1kg・m) ●トランスミッション:ダイレクトシフトCVT ●WLTCモード総合燃費:15.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:235/55R19 ●価格:313万7400円

エクステリア Adventure

  • ヘッドライトやボンネットなどは標準車と共通。

  • フロントグリルとフォグランプ、アンダーカバーはアドベンチャー専用意匠を採用する。

  • ホイールは切削光輝+ブラック+マットクリア塗装が加飾された専用アイテム。異形ツインスポークながらスポーク間にホール形状を描く、力感に富んだ意匠が目を引く。

  • バンパー下部には微妙な凹凸が刻まれたシルバーの専用大型フロントスキッドプレートを配置。押し出し感を効かせつつ、クロカンテイストも巧みに主張する。

  • ルーフ部分を色分けする2トーンカラーは、アドベンチャーのみが選べる設定色。取材車はパノラマムーンルーフ仕様のため、ルーフレールの間に大型ガラスを確認できる。

  • リヤゲートはルーフからシャープに落としこまれるイメージ。両端が鋭く描かれるリヤコンビネーションランプなど、押し出しを効かせたフロント側に比べると、すっきりとした印象だ。

  • サイドパネルに凹凸を巧みに組み合わせるなど、洗練さと力強さを両立。アドベンチャーはフェンダーアーチモールが大型化されたほか、全長や全幅、最低地上高なども標準車に対して、5~10mmほど拡大されている。

タフなイメージをアピールする人気グレードも同時デビュー

2Lガソリン車に設定されるアドベンチャーは、専用意匠や樹脂製フェンダーの装着などでアウトドア志向を強化したグレード。パワートレーンや基本装備などは標準車のガソリンモデルと共通だが、アクティブなスタイリングは先代モデルから根強い人気があり、新型にも引き続き採用された。

標準車と最も異なるのはフロントマスクだ。標準車のフロントグリルの横桟はパンチングメタル調だが、アドベンチャーは半光沢の黒となり、桟幅も太い。また、RAV4のデザインモチーフでもあるオクタゴン(八角形)を強調したグリル枠デザインを採用しており、最近のモデルとしては珍しく、バンパーラインを明確にしていることも特徴。エアダム周りの重厚なスキッドプレートの造形も存在感に富んでいる。リヤビューはスキッドプレート部が拡大される程度であり、フロントマスクのハード&タフネスに比べると控えめな印象。あくまでも顔つきで勝負するモデルであり、ランドクルーザーやハイラックスなど、ハードクロカン系の流れも汲み取ったスタイリングは、傷や汚れがむしろ「似合う」感じだ。

ちなみにボディ色設定も標準車とは異なり、ルーフを白とした2トーンの車体色は、アドベンチャーのみがOPで選べる設定になる。

icon 伝統と革新が融合した新世代スタイリングが見所

HYBRID G(標準ボディ仕様)■主要諸元(HYBRID G 4WD) 

●全長×全幅×全高(mm):4600×1855×1685 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1690 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(178PS/22.5kg・m)+モーター(フロント:88kW/202N・m、リヤ:40kW/121N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:20.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:225/60R18 ●価格:381万7800円

エクステリア HYBRID G

  • 標準車のフロントグリルは、8角台形の形状はアドベンチャーと共通。

  • パンチングメタル調の横桟デザインと、やや大人しいイメージ。キャラの違いをアピールしている。

  • 標準装着されるホイールは、グレードごとに意匠が異なる。取材車両のハイブリッドGには、スーパークロームメタリック塗装が施された18インチホイールが装着される。

  • 標準車のG系グレードには、バンパー下にフロントスキッドプレートが装着されるが、アドベンチャーに比べるとかなり小さい形状だ。

  • リヤのスキッドプレートが小型になることを除けば、基本意匠はアドベンチャーと共通。フロントマスクの表現が控えめなこともあって、標準車の方がバランスが良い印象だ。

  • ハイブリッド車のヘッドライトは1灯の光源でロー/ハイビームを切り替えることができるBi-Beam LEDヘッドランプを採用。ライト外周にはデイライト機能も備えている。

icon TRD Field Monster

  • TRDからはオフロード仕様とオンロード仕様が発売されているが、このField Monsterは、アウトドアテイストを楽しめるプログラム。

  • 前後左右のガーニッシュとオーバーフェンダーを装着することで、より個性的なRAV4に仕上げられている。

  • バンパー下に装着されるフロントバンパーガーニッシュと専用設計のルーフラック。

  • よりタフなイメージを求めるユーザーに人気を集めそうなアイテムだ。

icon MODELLISTA

  • モデリスタからは、都会的なイメージを高めてくれる専用エアロプログラムがリリース。バンパー交換タイプの強みを活かした大胆なスタイルチェンジを楽しめる内容。

  • 標準車に物足りないユーザーにオススメできるカスタマイズドカーだ。

  • フロント&サイドパーツは、純正交換式のフルエアロタイプ。

  • メリハリの効いた造形美は、RAV4とも抜群の相性を見せる。流麗なホイールも含めて、フルパッケージで楽しみたい。

ボディサイズは歴代最大だがそれを感じさせない巧みさ

標準車の全長は歴代最大となる4600mm。全幅は1855mmもある。3代目と比較しても一回りほど大きくなっているのだが、ワイドサイズのミドルSUVが普及してきていることもあって、数値ほどの大きさを感じさせない。

また、ウインドウエリアを大きく取ったこともサイズを感じさせない工夫の一つ。これは主に運転視界の改善を狙ったものだが、上端ラインの絞り込みを抑えたサイドウインドウ形状や大きなクオーターウインドウの採用により、キャビンのボリューム感を増加させたのも効いている。2BOX的な印象を強めると共に、実用面にも優れたパッケージを与えているのだ。

標準車のフロントマスクは、ランドクルーザーなどのトヨタ・クロカン系と、カローラ スポーツに代表される最新のキーンルックを融合させたイメージでまとめられている。オフロード感を積極的に狙っているアドベンチャーに対して、標準車系は最近のクロスオーバーSUVのトレンドを意識した顔付きに仕上げている。

巧みなアプローチ&デパーチャーアングルの設定や埋め込み型のルーフレールの標準化など、実用性を考慮している点もトヨタ車らしい。細部に到るまで使い勝手にこだわったデザインが採用されていることも見逃せない。

キャビン&ラゲッジ Adventure

グラスエリアを広く取った開放的なキャビン空間。素材感と組み付け精度の高さに加えて、スペース的な余裕も十分だ。写真のオーキッドブラウン内装はアドベンチャーのみの設定。

  • 手触りの良いソフトパッドを巧みに用いるのは、最近のトヨタが得意としている手法。組み付け精度も高く、丁寧な造りも好印象だ。

  • 9インチのTコネクト対応ナビがディーラーOPで用意される。標準装着のDCMを介した通信機能をフルに発揮するためには、純正ナビが必須だ。

  • G系グレードは本革巻き仕様になるが、アドベンチャーとXのステアリングはウレタン製。スイッチ類は左側にAV系、右側に運転支援系が配置される。

  • ソフトパッドが配されたセンターアームレスト&ボックス。収納部も底深で大容量にも対応する。あると便利な多彩な収納&ポケットも抜かりなし。

  • ガソリン車のダイレクトCVTは10段変速機構も備える。シフトレバーの横にはドライブモードセレクトの操作スイッチが設けられている。

  • Xを除いたグレードのセンターメーターは、7インチTFTカラー液晶を採用。速度計は写真のアナログ表示のほか、デジタル表示に切り替えることも可能。

  • カムリベースの恩恵はリヤキャビンの広さに表れる。

  • アドベンチャーのシートは専用の合成皮革素材で、バックシートにもサイドサポートが備わるスポーティタイプとなる。

  • サンルーフは全グレードにOP設定されるが、上級グレードで選べるのは、ルーフ後方までガラスエリアが広がるパノラマムーンルーフだ。

  • フロント席の頭上のスイッチコンソール。緊急時にワンタッチで専門オペレーターに車両位置情報や直接連絡ができるヘルプネット機能も備えられている。

  • 通常時でも奥行きは1015mmと広大なラゲッジスペースを確保。

  • リヤシート格納時には奥行きは1880mmまで拡大される。

  • 開口部まわりの左右幅も1355mmと広く取られており、積載性を考慮した設計も見所の一つだ。

  • サブトランクにカバーを兼ねるデッキボードは、2段階の高さで設置が可能。ボードの裏面には防水加工も施され、汚れ物にも対応可能。

  • OP設定でラゲッジにAC100Vコンセントが設置可能。ガソリン車は100W、ハイブリッド車は非常時給電可能な1500W仕様だ。

キャビン&ラゲッジ HYBRID G

  • 標準仕様車のキャビンも共通。ガソリン車とハイブリッド車の違いもメーターとシフト仕様の違い程度。ブラックとライトグレーが選択可。

  • ガソリン車もハイブリッド車もG系のシートは合成皮革仕様(X系はファブリック)。

  • アドベンチャーに比べるとサイドサポートは控えめな形状だ。

  • THS-2を積むハイブリッド車のトランスミッションは電気式CVT。EVスイッチの追加やセレクタースイッチの配置が異なるほかは、ガソリン車と基本操作は変わらないが、変速機構は6段仕様となる。

  • ハイブリッド車のメインメーターも7インチTFT液晶。ガソリン車との違いは左メーターの表示がパワーインジケーター仕様になっていること。

  • 後方カメラが撮影した画像を表示するOP設定のデジタルインナーミラー。通常の鏡面仕様にもワンタッチで切り替え可能。

ナビ周りに違和感を覚えるがその完成度は期待以上

段重ねで立体感を強めたインパネは、最近のトヨタ車に採用されているトレンドに沿ったものだが、流麗さに加えて機能感を意識していることも大きなポイント。インパネやドアトリムに施されるメタル調の加飾は豪華さを狙った演出というよりも、金属感を追加することでツール的な趣を高めるのが狙いの一つ。豪華な内装加飾が人気のハリアーとは明らかに違ったアプローチで、RAV4の魅力を表現している。ただ、インパネ上面に載せたように設置されるナビモニターの側面側はシボ無し半光沢素材が用いられているが、昨今のトヨタ車の完成度の高い造り込みに比べるとミスマッチを感じてしまう。どうやら将来的には薄型のパッド仕様のモニターを検討しているようだ。

標準車の内装色は、黒系モノトーンと黒白2トーンの2パターンを設定。モノトーンは落ち着いた印象であり、2トーンはスポーツカジュアル的な印象。実車の印象はカタログで見る以上に異なっている。一方、アドベンチャーはオレンジ色のステッチや縁飾りが施され、シートデザインも専用タイプ。スポーツカジュアルな感覚が一層強められている。細部の造り込みや組み付け精度は、クラス標準以上の出来。丁寧に作られたツールやスポーツギアのようなインテリアだ。

キャビンスペースも広々としており、後席のニースペースやヘッドクリアランスもゆとり十分。後席のリクライニング機構は物足りないが、見晴らしの良さも手伝って開放感も良好だ。

ラゲッジも奥行き&幅は十分な余裕。2段式の床面ボードを高い位置にセットしても大容量が確保されている。トノカバーはアクセサリー設定になるが、専用アクセサリーとして防水型のラゲッジトレイなども用意されるなど使い方に応じた選択も可能だ。

メカニズム

パワートレーン ダイナミックフォースエンジンの 全面採用は、新型RAV4の大きな強み

●2L/NAモデル 2Lダイナミックフォース エンジン+ダイレクト シフトCVT

  • 2Lガソリン車のエンジンは、最大熱効率40%を達成した最新仕様のダイナミックフォースエンジンを採用。すでにレクサスUXには搭載されているが、トヨタ・ブランドとしてはRAV4が初採用となる。

  • ロングストローク化やバルブ狭角拡大により燃焼効率を大きく向上。高い熱効率を実現することで、低回転から高回転まで全域でトルクアップを実現している。

  • 高負荷域は直噴、低負荷域はポート噴射と、2つ燃料噴射システムを併用する直噴エンジン技術「D-4S」のアップデートも性能向上に大きく貢献。

  • ガソリン車には発進用ギヤや最新の低フリクション技術が組み込まれたダイレクトシフトCVTを搭載。10速シーケンシャルシフトマチック機構も備えるなど多段変速も見所の一つ。

  • 発進用ギヤを採用することで従来のCVTの弱点でもあった発進時の加速のもたつき感を大きく改善。俊敏な加速の大きな原動力になっている。

  • ベルト&プーリーが受け持つ変速幅を小さくすることで、効率の改善と負荷の低減も実現。CVT特有のラバーバンドフィールの抑制も図られている。

●2.5Lハイブリッドモデル 2.5Lダイナミックフォース エンジン+THS-2

  • ハイブリッド車にはカムリと同じ2.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターのTHS-2最新仕様を搭載。従来型に比べると小型軽量化に加えて効率も高まっている。

  • 最新のダイナミックフォースエンジンに変更された恩恵は大きく、従来型のTHS-2に比べ、全回転域で出力&トルク特性が向上している。

  • 直流から交流に電気を変換し、モーターを駆動するパワーコントロールユニットも損失低減性を高めた最新型にアップデート済み。

ボディ&シャシー 軽量&高剛性を 目的とした新世代技術を 惜しみなく投入

  • 環状骨格構造や構造用接着剤を用いることで、より強固なボディ構造を実現。キャビン周りは超高張力鋼板、ボンネットやフロントフェンダーなどにはアルミ素材を用いるなど、軽量&高剛性の追求も特徴。

  • サスペンションは、フロント側はマクファーソンストラット式、リヤ側はダブルウィッシュボーン式を採用。ハンドリング性能と安定性を考慮したセッティングも見所の一つ。

  • ホイールベースはカムリより短い2690mm(カムリは2825mm)となるが、カムリベースのGA-Kプラットフォームを採用する。

4WDシステム

  • RAV4の4WD車は、4WDシステムの違いはあれど、いずれのグレードも駆動力やブレーキ、ステアリングの動きを統合制御する。

  • 操縦安定性を高めるAIM(4WD統合制御)を備える。

駆動メカニズムが異なる 3つのタイプの 4WDモードを設定

新型RAV4の4WDシステムは、駆動力配分が異なる3つのタイプを設定。いずれもクラス平均以上の悪路対応力を兼ね揃えているが、注目はガソリン車の上位グレードに設定される「ダイナミックトルクベクタリングA

  • 走行モードを選べる悪路走行支援機能も採用済み。

  • ガソリン車は滑りやすい路面に適した「MUD&SAND」と、凹凸の大きい路面に適した「ROCK&DIRT」、ハイブリッドはスタック時に駆動トルクをかける「TRAILモード」が設定。

  • ダイヤルもしくはプッシュスイッチでモード選択を行う。

ガソリンモデル ダイナミックトルクベクタリングAWD

  • 前後50:50の駆動力配分が最大なのはダイナミックトルクコントロール4WDと同様だが、後輪の左右トルク配分が独立して行われることが最大の違いになる。

  • 急坂降坂時に車速を一定の低車速にキープするダウンヒルアシストコントールは、ダイナミックトルクベクタリングAWD車に設定される悪路走破支援機能の一つ。

  • その恩恵を強く実感できるのはオンロードの旋回時。後輪の左右トルク制御を行うことで、ステアリング操舵に素直に反応し、安定した車両姿勢で走り抜けることができる。

  • 独立したカップリング機構で左右輪を制御するほか、前後輪を繋ぐ車輪同軸上にドグクラッチを配置。

  • 駆動系をドグクラッチで切り離すことで、瞬時に前輪駆動四輪駆動に切り替えることも可能。

ハイブリッドモデル E-Four(電気式4WDシステム)

  • ハイブリッドの4WDモデルに設定されるE-Fourは、リヤ側に独立したモーターを備える新世代の4WDシステム。フロントモーターに比べると小型モーターになるが、40kW/121N・mを発揮するなど必要十

  • 前後輪のトルク配分は100:0~20:80の範囲で制御が行われる。発進時は後輪に優先してトルク配分が行なわれ、定常走行時は100:0となる前輪駆動への瞬時の切り替えも可能だ。

  • 凹凸路でタイヤが空転した場合でも、空転したタイヤにブレーキをかけて反対側のタイヤに駆動トルクが掛かるように制御するTRAILモードは、悪路走行時に頼れる機能の一つ。

パワートレーンからシャシーまで新世代技術がてんこ盛り

基本的なハードウェアは、大半が新世代型になったと言っていいだろう。まずプラットフォームは、カムリより135mmホイールベースは短くなるが、フロントにストラット、リヤにダブルウィッシュボーンを配したGA-Kだ。  ボディも200mmの最低地上高を確保するなど(アドベンチャー)、本格オフローダーに匹敵する設計を随所に盛り込んでいる。

パワートレーンは、1.5Lハイブリッドと2L/NAの2タイプを設定。ハイブリッドは現行ハリアーと同様の排気量設定になるが、エンジン&モーターの形式は異なる。最新のTNGAパワートレーンが採用されたカムリのシステムがベースだ。2L/NAエンジンもレクサスUXと同型のダイナミックフォースエンジンを搭載しており、強タンブル流や大量クールドEGRの採用により最大熱効率40%を達成。組み合わされるCVTも効率向上が図られるとともに、最新の10段変速機能が与えられている。

さらに興味深いのは2Lガソリン車の4WDシステムだ。XとGは前輪駆動をベースに後輪への駆動伝達をカップリング(多板クラッチ)で制御する一般的な電子制御型が用いられるが、G・Zパッケージとアドベンチャーには新開発のダイナミックトルクベクタリングAWDを初採用。このシステムは後輪へのトルク伝達をプロペラシャフト前後のドグクラッチで行い、後軸には差動機構のないソリッドアクスルを採用することで、左右輪へのトルク配分と差動を独立したカップリングで行う。一般的なトルクベクタリングでは左右輪のトルク配分を差動機構とブレーキによって行うが、このシステムではブレーキを用いずに駆動トルクを直接不等分配できることが特徴だ。ロック機構なしでリヤデフロックと同様の駆動配分を実現するなど、オフ&ラフロード適性の高さも見逃せない。

安全運転支援機能&インフォテインメント

トヨタセーフティセンス 上位モデルに搭載が進む 最新型を標準装備化

  • 最新のトヨタセーフティセンスは、従来型と同様に単眼カメラ&ミリ波レーザーで障害物検知を行うが、検知範囲は大きく向上。歩行者や自転車にも対応している。

  • 高速道路などで中央車線維持をステアリング制御でサポートするレーントレーシングアシストは、ロングドライブの際に有り難みを実感できる主要機能の一つ。

  • 全車速追従型のレーダークルーズコントロールと共に、ドライバーの疲労軽減に大きく貢献してくれる。

  • アクセル踏み間違いによる事故を防止する抑制機能や、道路標識をディスプレイに表示するロードサインアシストなど、日常ドライブで陥りがちなうっかりミスを低減させる機能も充実している。

●新型RAV4 安全&運転支援 主要機能

コネクティッド機能 Tコネクトサービスは3年間無料で提供

  • オーディオレス&6スピーカー仕様が標準だが、Tコネクトサービスとの連携を考えれば、対応型の純正ナビを選ぶのがベターな選択だ。

  • 専用アプリをダウンロードすれば、スマートフォン画面で愛車のセキュリティや車両状態を確認することも可能。

  • 24時間、トヨタスマートセンターと常に接続し続けるTコネクトサービスは、車両に標準装備されるDCM(専用通信機)を介して行われる。Tコネクトサービスの基本使用料は、新車購入後、3年間無料となる。

  • マップデータを最長5年間無料で更新できるマップオンデマンドサービスや、通信連携型のルート検索など、通信連携機能との充実も見所。

  • 車両に異常が発生すると、ナビ画面からeケアコールセンターに連絡することができ、オペレーターのアドバイスを受けることが可能。

全方位を幅広くカバーする次世代機能をいち早く導入

安全&運転支援機能は、アルファードから採用され始めた、新世代型のトヨタセーフティセンス。クラウンやカローラ スポーツと同じ単眼カメラ+ミリ波レーダーで障害物を検知する、トヨタの最新仕様が用意される。

主要機能も前車追従機能を備えた走行軌跡制御型のLTAや、渋滞追従もサポートする全車速型ACC、夜間の歩行者まで認識し、歩行者や自転車に対しても80km/h走行まで対応するAEBS、道路標識検知や自動ハイビームなど、現在搭載が進んできている機能がほぼすべて備わっている充実の内容。上級モデルを中心に普及が見込まれるデジタルルームミラーも用意されるなど、安全&運転支援機能は、国産ミドルSUVの中ではトップレベルだ。

またクラウンから搭載が始まった車載通信ネットワークを用いるコネクティッド機能は、DCM通信機が全車に標準装備。さらに1回目の車検時まで無料でトヨタが運営するTコネクトサービスを利用できる。オプション設定となる純正ナビを装着しないと本領発揮とはいかないが、オペレーターサービスやヘルプネット、対応ナビの音声会話機能などまで備える内容は、次世代のクルマに求められる標準機能を先取りしている。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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