車のニュース
更新日:2019.01.07 / 掲載日:2019.01.07
トヨタがCES 2019で新型自動運転実験車を公開

トヨタ自動車(株)の関連会社であるToyota research Institute, Inc.(以下TRI)は1月8日からアメリカ合衆国ラスベガスで開催される「CES 2019」で、新型の自動運転実験車「TRI-P4」を公開することを発表した。このP4は新型レクサスLS500hをベースとしたモデルで、TRIの2つの自動運転システムであるガーディアン(高度安全運転支援システム)とショーファー(自動運転システム)、双方の開発をこの車両で推進していくという。

TRIで自動運転技術を担当するシニアバイスプレジデントのライアン・ユースティス氏は「私たちのショーファーの開発は完全な自動化、すなわち全ての、もしくは限られた運転環境においてドライバー不在での自動運転に重点を置いています。一方でガーディアンは人間の能力を置き換えるのではなく、増大させるものです。この新しいP4実験車をこの春からテストに導入していくことで、ショーファー、ガーディアン双方の開発を更に加速させることになるでしょう。」と語っている。

このP4実験車は、新型LSの新しいシャシーとステアリング制御技術を活用することで、より俊敏でレスポンスが良くスムーズな自動運転を実現しているという。具体的には二つのカメラを追加し、両サイドの認識性能を高めているほか、自動運転用に設計された2つの画像センサーを前方と後方に追加。さらにレーダーシステムは車両周辺の近距離の視野を向上させるべく最適化している。また、8つのスキャニングヘッドを持つLIDARシステムは前モデルである「Platform 3.0」で使用しているものを踏襲しているが、新型LSのデザインに合わせた形状としている。


LIDARシステムである「Platform 3.0」は前世代から、賢さをさらに向上させているという。より高い計算能力をもち、より高い機械学習能力と、早い学習能力を兼ね備えており、すべてのコンピューターはハイブリッド車の二次電池を使用し、12Vのバッテリーはバックアップとしてのみ機能する。

トランク内にあるコンピューターボックスは、自動運転システムの頭脳として機能。このボックスはリアシート背後の枠に平行に取り付けられ、中身にアクセスする場合には開くようになっている。これによりトランクスペースのすべてを本来のラゲッジスペースとして使うことができ、実用性も考慮されているのが特徴だ。
P4実験車は、1月7日13時(米国太平洋時間)にトヨタのCES 2019プレスカンファレンスにてお披露目される。プレスカンファレンスでは、TRI・CEOであるギル・プラット氏が、直近のガーディアンの技術的な進捗状況についてプレゼンテーションを行う予定だ。また、TMNA R&Dの試作車開発センターにおいて、この春から製作が開始されるという。