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更新日:2026.04.01 / 掲載日:2026.04.01
砂漠の砂で道を作る。ホンダ発スタートアップが世界初の道路素材を開発【動画あり】
ホンダは2026年3月31日、同社の新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」発のスタートアップとして「PathAhead(パス アヘッド)」を設立したと発表した。

イグニッションは、個人の持つ独創的なアイデア・技術・デザインを発掘し、社会課題の解決と新しい価値の創造につなげる新事業創出プログラム。2017年にホンダ従業員を対象に社内新事業を創出するプログラムとして開始し、2020年には起業の選択肢を追加、2023年には対象を社外にも拡大している。

今回設立されたパス アヘッドは、世界初となる砂漠の砂を活用した人工骨材(舗装などに用いる建設材料)「Rising Sand(ライジング サンド)」を開発。2028年にケニア共和国で設立予定の自社工場で量産を開始し、アフリカ地域の建設事業者向けに安定供給する体制の構築を目指すとしている。

アフリカ地域の国々では、急速な人口増加に伴い経済の発展が進む一方で、道路などのインフラ整備が十分に進まず、現在のアフリカ地域での道路舗装率は約20%と低水準にとどまっている。加えて、舗装済み道路の劣化も進んでいることから、物流コスト上昇などの経済損失につながっている。
また、道路舗装に用いられる骨材は、砂や砕石などの比較的安価な天然資源を原材料としており、産地や地層によって強度にばらつきが生じやすいため、舗装材として必要な品質を安定的に確保しにくいという課題がある。

パス アヘッドは、現地で調達可能な資源として砂漠の砂に着目し、高い経済性と耐久性を両立した「ライジング サンド」を開発。100マイクロメートル程度の微細な球状の砂漠の砂を、特許出願中の独自の造粒技術により数十ミリメートル単位の粒径へと造粒した人工骨材だ。
粒度や形状のばらつきを抑えて骨材としての強度を高めることで、一般的な天然骨材を用いた道路の耐久年数が約10年とされる中、20年以上の耐久年数を実現。これにより、道路修繕の実施頻度を低減し、ライフサイクルコストを従来の約60%に抑えることができるという。

パス アヘッドは、事業化に向けた最初のステップとして、2027年よりケニアを皮切りに、タンザニア連合共和国、南アフリカ共和国の順で、約3年間にわたり道路舗装に関する実証実験を行う。現地の気候や交通条件を踏まえ、施工性や耐久性、品質の再現性などを検証し、量産に向け、道路舗装の各種要件を満たす仕様の確立を目指す。
この実証で得られた結果を踏まえ、2028年にはケニアに設立予定の自社工場にてライジング サンドの量産を開始し、現地調達・現地生産による安定供給体制の構築に取り組むとしている。
【動画】【IGNITION】砂漠の砂を活用した道路素材「Rising Sand」
ホンダ 公式HP:
https://www.honda.co.jp/auto/
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