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更新日:2026.01.13 / 掲載日:2026.01.13
【MOSKIN】これが超一流マシンか! スポーツカーレンタルを体験【工藤貴宏】

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス 取材協力●MOSKIN
突然だが「モータースポーツ by KINTO(キント)」、略して「MOSKIN(モスキン)」をご存じだろうか。
MOSKINはKINTOが始めたクルマ好き向けサービス

知らなくても当然だと思う。何を隠そう、日ごろから溢れるほどクルマの情報に接している筆者だって知らなかったほどなのだから。
KINTO自体は「トヨタがやっているクルマのサブスク」として知っている人も少なくないだろう。形式としては契約期間を決めてその間の利用権を得る仕組み(カーシェアのような共同所有を使い放題ではなく契約者に新車があてがわれる)なので“リース”に相当するが、利用料は車両代金や税金/メンテ費用だけでなく任意保険まで含まれているのがポイント。タイヤなど消耗品代まで含まれている。あとは自宅に駐車場を用意し、ガソリン代と有料道路代&出かけた先での駐車場代さえ負担すればクルマを使えるというシステムである。
というわけで“モスキン”だ。これはそのネーミングから想像できるように、モータースポーツ&運転好き向けのプログラムとして用意されたもの。KINTOが“気軽なクルマを利用”を提唱しているのに対し、こちらは“気軽なモータースポーツ参加”や“気軽なモータースポーツ的なクルマの利用”を掲げるサービスである。
トヨタがモータースポーツを盛り上げていく中で、その関連企業であるKINTOが得意とする“車両貸し出し”という形ではじめたサービスと理解すればいいだろう。利用者層としては「サーキット走行やチューニングカーを体験してみたい」という人、それから「かつてはチューニングカーに乗ったりサーキット走行をしていたけれど、いまは降りてしまった。でもたまには懐かしくチューニングカーを転がしたりサーキットを走りたい」なんていうひとにピッタリの嬉しいサービスである。
そんなモスキンの現時点でのサービス内容は4つ。「チューニングカーのサブスク」、「スポーツカーレンタル」、「サーキットレンタル」そして「走行・体験イベント」だ。
まずサブスクは、通常のKINTOと同じく車両の利用権を得るものだが、モスキン独自なのはチューニングカーを所有できることと、通常はNGなサーキット走行まで可能なこと。
「自分でチューニングするのはハードルが高いし、メンテなども不安。だけどサーキットを走りたい」という人がターゲットとなるだろう。通常のKINTOと同様にまるっとすべて込みのサービスとして提供され、サーキット走行時のメンテナンスプラン(こちらは費用別途)まで用意されており「不安なくすべてお任せで安心してチューニングカーを持てる」というのがポイントだ。
今回のメインとなるスポーツカーレンタルは、チューニングカーをレンタカーとして利用できるというもの。こちらは「ちょっと乗って気軽にその世界を体験してみたい」という人向けで、サーキット走行はNGとなっている。
サーキットレンタルはサーキット走行を前提に、サーキット走行用車両を走行料金や保険なども含めてサーキットにて貸してくれるというものだ。「サーキットを走ってみたい」という初心者から「今はサーキットを走れるクルマを持っていないけどたまにはサーキットを楽しみたい」という元サーキット派まで幅広く対応できる。そして大好評なのだとか。
そして「走行・体験イベント」はサーキットでKINTOがイベントを主催し、ドライビングレッスンなどをおこなうもの。一見したhttps://motorsport.kinto-jp.com/sports-car-rental/ところ「車両貸し出し」とは無縁そうだが、参加料とは別料金となるがKINTOのサーキットレンタル車両を使うことも可能となっている。
というわけでザっと“モスキン”のサービスを紹介したが、とりあえず「サブスク、スポーツカーレンタル、サーキットレンタル、そしてイベントと4つのメニューがある」と覚えておけばいいだろう。そして今回紹介するのは、そのうちの「スポーツカーレンタル」である。
レンタルできるのはGR86、GRスープラ、GRヤリス
現在スポーツカーレンタルとして用意されている車種は「GR86」「GRスープラ」そして「GRヤリス」の3車種。すべてレースのトヨタ系名門チームである「TOM‘S(トムス)」のカスタマイズを受けた車両というのが、通常のレンタカーとは大きく異なるところだ。申し込みはインターネット(モータースポーツ by KINTO内)でおこない、受け取り/返却は東京・台場にあるTOM‘Sのショールームが窓口となる。


今回レンタルしたのは「GRヤリス by TOM’S × KINTO」と命名されたGRヤリス。TOM‘Sオリジナルのスタイリングキットに加え、ホイール&タイヤ、サスペンションなどを保安基準内でカスタマイズ。さらにタービンのハイフロー化、専用マフラーの装着、ECU(エンジン制御コンピューター)などのチューニングにより、ノーマルの277㎰(2022年モデル)から340㎰までパワーアップ&37.7kgmから48.0kgmまでトルクアップされている。出力拡大に合わせて強化クラッチを装着し、エンジン発熱量が増えたことに対応するためラジエター&インタークーラーの大容量化も施してある。つまり「ただでさえ“やんちゃ”なGRヤリスが“さらにやんちゃ”になっている」というわけだ。
そんなGRヤリスby TOM’S × KINTO記事執筆時点でのレンタル料は8時間で3万5000円、24時間で4万円(いずれも税込み)となっている。

エアロ装着とサスペンション交換によるローダウン、そしてホイール変更により低く構えた姿がカッコいいというのが実車を目にしての第一印象。見るからにチューニングカーらしい特別なオーラが漂う(ただし駐車場の車輪止めや段差を超える際などは車体先端を擦らないようにするなど配慮が必要なので覚えておこう)。
強化クラッチのクラッチミートは少しだけクセがあってはじめは気を遣うが、すぐに慣れる。いっぽうで(上級サルーン並とはいかないけれどスポーツカーだと思えば)乗り心地もそう悪くないし、音もうるさくはない。そのあたりはスポーティ感を感じさせる絶妙な味付けだと思う。

楽しいのはやはり、アクセルを踏み込んだ時だ。まず排気管で響く音がクルマ好きにとってはサイコーに気持ちいい(でも保安基準を満たしているので改造車を思わせる過度なうるささはない)。そのうえパワーの盛り上がり方もノーマルとは一味も二味も違う高揚感がある。ノーマルよりもさらに気持ちよく運転できてテンションが上がるGRヤリスといっていいだろう。
かつては自分自身のクルマをチューニングして乗っていたこともある筆者として試乗して思ったのは、さすがトータルで作りこまれたクルマだということだ。乗り心地といった走行性能に関係がない部分までふくめて、総合的にバランスのいい完成度の高さが印象的なのである。



特別なクルマを運転するという体験に価値がある

「より高性能なGRヤリスを体感できる」のに加え、「イベントなどでしかお目にかかれない完成度の高いチューニングカーの世界を実際に乗って気軽に味わえる」というのもモスキンが提供するスポーツカーレンタルの魅力ではないだろうか。たしかに通常のレンタカーに比べると価格は高いが、そこで得られる体験はプライスレスだ!
