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更新日:2025.10.01 / 掲載日:2025.10.01
ありがとう、R35 GT-R! 生産終了で中古車相場はどうなる?

日産の「GT-R(R35型)」が2025年8月下旬、生産を終了しました。2007年12月より日本を皮切りに北米などにも展開され、18年間にわたって世界中のクルマ好きに愛されたスポーツカーです。ネットでは「GT-Rは日本の誇りです」「日本のハイパフォーマンスカーの中で1番世界的に知名度のある車」といった称賛や、「夢を与えてくれた1台でした。ありがとうございました」「生産終了は残念だけど、またいつか戻って来て欲しい」など惜別の声が上がりました。
そんな国内外のファンを魅了したGT-R(R35型)とはどんなクルマだったのでしょうか。この記事ではR35型について改めて振り返りつつ、注目の中古車相場をチェックします。
R35型 GT-R 誕生の経緯

R35型GT-Rは、2001年の第35回東京モーターショーにて発表した「GT-Rコンセプト」が原型となっています。こちらは1969年の誕生から長きにわたってファンを魅了した「スカイラインGT-R」の称号を引き継ぐモデルとして注目され、当時のカルロス・ゴーン社長は「高性能スポーツカーの中でこれまで『GT-R』が占めてきたポジションを維持し続けていく意志をはっきりと示すものである」と語っており、強い意志を持って開発を進めてきたことを示しています。

その6年後の2007年、歴代の「スカイラインGT-R」の血統を受け継ぐ日産を代表するモデルとして「NISSAN GT-R」を発表。市販車としては2002年以来となるGT-Rの復活は大きな反響を呼び、当初の月販目標200台に対し1か月で約2,200台を受注。ブランドの技術を惜しみなく投入したテクノロジーフラッグシップモデルとして、支持を集めるのでした。
最高レベルの技術を惜しみなく注入

「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトで製作されたGT-Rは、日産が持つ最高レベルの技術が惜しみなく注入されました。

新開発のプレミアム・ミッドシップパッケージやVR38DETTエンジン、GR6型デュアルクラッチトランスミッションなどを組み合わせ、ドライバーのテクニックに左右されない高い性能を実現。さらにインテリアは、日常走行から高速域までのあらゆる場面で、乗員に安心感と快適性を提供するデザインを採用し、新次元のマルチパフォーマンスを追求しました。

そしてもう一つ、車両の価値を何倍にも高めたのがGT-Rの心臓部を手作業で組み立てる“匠”の存在です。優れた技術を持つ横浜工場の熟練工が一つ一つのエンジンを組み立て、全数性能検査してから出荷するという生産方式により高い品質が維持されました。この作り手の情熱に胸を打たれ、ひとり、またひとりとファンを獲得していったのです。
18年かけて進化し続けたエンジン

18年間にわたって製造・販売されたGT-Rは、各年にイヤーモデルを発表。その際にデザインや基本性能などがアップデートされています。最も顕著なのは、やはりエンジンでしょう。
発売年 | 07年 | 08年 | 10年 | 11年 | 16年 |
最高出力(PS) | 480 | 485 | 530 | 550 | 570 |
最大トルク(Nm) | 588 | 588 | 612 | 632 | 637 |
最初のモデル(08年モデル)は最高出力480PS/最大トルク588Nmでしたが、登場から3年後の11年モデルで、530PS/612Nmと大幅パワーアップ。さらに12年モデル、17年モデルで改良が重ねられ、最新の25年モデルは570PS/637Nmとなっています。
中古車で狙うならどの年式?

冒頭で紹介した通り、生産終了となってしまったR35型 GT-R。これから愛車にしようとするなら、中古車をターゲットにしてお気に入りの1台を探すことが唯一の手段となります。欲しい年式が決まっていればそのモデルを探していくこととなりますが、もし漠然と「GT-Rが欲しい」という場合にはどの年式が狙い目なのでしょうか。
というわけで、グーネットに登録されているGT-Rの台数を年式別に集計し、割合を算出しました。
R35型GT-R 中古車情報(2025年9月29日時点)
中古車登録台数:222台
中古車平均価格:1859.3万円
中古車価格帯:739.8万円~6354.8万円
年式 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 |
割合 | 3.2% | 8.6% | 1.4% | 1.8% | 3.2% | 5.0% | 2.7% | 1.4% | 5.9% | 8.6% |
年式 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
割合 | 6.4% | 3.6% | 5.5% | 4.1% | 3.6% | 5.9% | 8.2% | 15.5% | 5.5% |
集計の結果、最も多いモデルは2024年式(15.5%)。次いで2008年式(8.6%)、2023年式(8.2%)という結果になりました。

2024年式GT-Rは全長4,710mm × 全幅1,895mm × 全高1,370mm(ニスモモデルは全長4,700mm)で、最高出力570PS/最大トルク637Nm。歴代GT-Rの中では最も全長が長く、最も出力が高いモデルです。通常モデル:6グレード、ニスモモデル:2グレードの計8車種のラインナップで、「GT-R プレミアムエディション」のグレードでは青を基調とした専用特別内装色の「ブルーヘブン」を選択できました。

また、ハイグレードに当たる「GT-R プレミアムエディション Tスペック」「GT-R トラックエディション エンジニアド・バイ・ニスモ Tスペック」は、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに、高精度重量バランス部品を採用してレスポンスの精度を高め、走行性能がより磨き上げられているのが特徴です。
グレード別での登録台数の割合は以下の通りです。
グレード名 | 登録台数の割合 |
ピュアエディション | 5.9% |
ブラックエディション | 20.6% |
プレミアムエディション | 11.8% |
プレミアムエディション Tスペック | 17.6% |
トラックエディション エンジニアド・バイ・ニスモ | 11.8% |
トラックエディション エンジニアド・バイ・ニスモ Tスペック | 11.8% |
ニスモ | 0.0% |
ニスモ スペシャルエディション | 20.6% |
最も登録台数が多いのは、内装の各所にレッドステッチをあしらい、レカロシートを搭載した「ブラックエディション」と、ニスモモデルの上位グレードである「ニスモ スペシャルエディション」でした。
ニスモ スペシャルエディションは全グレードで最もハイスペックなモデルとなるため、登録車両は4000万円前後とかなりの高価格ですが、走りの良さにこだわるならぜひとも狙いたい車両です。
後継モデルの登場は未定。お気に入りの1台を見つけるなら今がチャンス!

多くのファンに惜しまれつつ生産終了を迎えたGT-R。気になるのは後継モデルの登場ですが、日産CEOのイヴァン・エスピノーサ氏は「現時点で正確な計画は確定していませんが、GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」とコメント。後継モデルがいつ、どのような形で登場するかは不透明と言わざるを得ない状況です。
現在も一部の車両ではプレミア価格が付いていますが、今後はR35型全体の相場が高騰することも予想されます。「GT-Rに乗りたい!」と考えている方はぜひ、この機会にグーネットでお気に入りの1台を探してくださいね!