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更新日:2025.09.10 / 掲載日:2025.09.10
尾張小牧ナンバーとは?地域・由来・取得方法と評判までを網羅して解説

「尾張小牧ナンバーって、どこの地域?」「名前がちょっと不思議」と気になったことはありませんか。尾張小牧ナンバーは、愛知県で交付されるナンバープレートのひとつで、全国的にも珍しい4文字ナンバーとして注目を集めています。
名前の由来には自治体同士の駆け引きがあり、地元ならではの歴史が隠されています。
そこでこの記事では、尾張小牧ナンバーの概要から由来、取得方法、ネットなどでの評判までをわかりやすく解説します。知っておくと話のネタにも役立つ内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 尾張小牧ナンバーとは
尾張小牧ナンバーは、愛知県の尾張地域北部を対象とする自動車ナンバープレートです。「おわりこまき」と読み、旧国名の「尾張(おわり)」と、市の名前「小牧」を組み合わせています。
「尾張小牧」という表記は全国的にも珍しく、北海道の「苫小牧(とまこまい)」や「夕張(ゆうばり)」に地名が似ていることから、北海道ナンバーと誤解されることがあります。実際に尾張小牧ナンバーを東北や北陸で見かけると「北海道から来た車だ」と誤解されることもあるようです。
なお、愛知県は全国でも最多となる8種類のご当地ナンバー(国が導入した「新たな地域名表示ナンバー」)を交付しています。尾張小牧のほか、名古屋・三河・豊田・岡崎・一宮・春日井・豊橋が交付されており、そのなかでも尾張小牧は独特の名称で存在感を放っています。
2. 尾張小牧ナンバーの対象範囲
尾張小牧ナンバーの交付範囲は広く、小牧市だけでなく複数の市町村が対象となっています。現在は以下の地域が管轄に含まれます。
・瀬戸市
・犬山市
・江南市
・小牧市
・稲沢市
・岩倉市
・尾張旭市
・清須市
・北名古屋市
・西春日井郡(豊山町)
・丹羽郡(扶桑町・大口町)
参照:管轄区域|愛知県自動車会議所
かつては、一宮市(2006年まで)、春日井市(2014年まで)も尾張小牧ナンバーの交付対象でしたが、ご当地ナンバー制度(※)の導入により独立しました。
(※)車の登録地域を示すだけでなく、地域の知名度アップや観光PRとしても活用できるように考えられた制度のこと
3. 尾張小牧ナンバーの由来

尾張小牧ナンバーは1979年に誕生しました。当時、名古屋ナンバーの登録台数が急増し、対応しきれなくなったためです。
そこで愛知県北部を分割し、小牧市に自動車検査登録事務所を設置する形で新しいナンバーが導入されました。
(1) 制定経緯と名称の由来
当初は「小牧ナンバー」とする案が有力でした。しかし、小牧市より人口の多い一宮市や春日井市が強く反対します。小牧の名前に従うことを良しとせず、旧国名を冠した「尾張ナンバー」を求めました。
一方で、小牧市は尾張ナンバーにするなら事務所設置の意義が薄れると主張します。議論は平行線をたどりましたが、最終的に愛知県知事が仲裁に入り、双方を組み合わせた折衷案として「尾張小牧ナンバー」が誕生しました。
(2) 全国的に珍しい4文字ナンバー
尾張小牧ナンバーは長い間、全国でただひとつの4文字ナンバーでした。2020年に伊勢志摩ナンバーが誕生するまで特別な存在として知られ、各地で注目されていました(現在も2つのみ)。
さらに、愛知県は物流が盛んで車両数も多いため、尾張小牧ナンバーは全国各地で目にする機会があります。珍しい名称とあわせて「どこの地域かわからないがよく見かける」という印象を持たれる理由になっています。
4. 尾張小牧ナンバーを取得する方法
新車や中古車購入時に、尾張小牧ナンバーを取得する方法をご紹介します。
(1) 新車・中古車を購入した場合
新車の場合はディーラーなど販売店が登録を代行してくれるため、自身で手続きする必要はありません。中古車も同様で、販売店から購入した場合は取得手続きを代行してもらえます。
一方、オークションなど個人売買で購入した場合は、自身で申請する必要があります。
(2) 必要書類と申請先
個人売買などで車(車検付き)を購入した場合は、車検証の名義変更(移転登録)の手続きが必要です。なお、申請に必要な書類や申請先は、普通自動車か軽自動車かによって異なります。
もし、車検なしの車を購入した場合は、車検を受けるための仮ナンバー取得や、車検を通す必要があるため、業者に依頼することをおすすめします。
① 普通自動車の場合
普通自動車の場合は、「小牧自動車検査登録事務所」で申請手続きをします。
必要な書類は以下のとおりです。
・自動車検査証(車検証)
・譲渡証明書
・車庫証明(自動車保管場所証明書)
・印鑑証明書(売主・買主)
・実印(売主・買主)
・自動車税申告書
・申請書(運輸支局で配布)
・委任状(代理人が行う場合)
・手数料納付書(500円)
・ナンバープレート代(管轄地域の変更や希望ナンバー時に必要)
・住民票(所有者と使用者が異なる場合)
② 軽自動車の場合
軽自動車の場合は、「軽自動車検査協会 小牧支所」で申請手続きをします。必要な書類は以下のとおりです。
・自動車検査証(車検証)
・新使用者の印鑑証明書または住民票の写し
・自動車検査証変更記録申請書(運輸支局で配布)
・車庫証明(地域によって必要。尾張小牧地域では基本必要)
・申請依頼書(代理人が行う場合)
・ナンバープレート代(管轄地域の変更や希望ナンバーに必要)
5. 転入によりナンバーを変更する方法
住民票を尾張小牧の管轄内に移し、且つ自動車検査事務所等で車検証の住所変更(変更登録)の手続きをすると、ナンバーが「尾張小牧」に切り替わります。ここでは変更の流れと必要書類、注意点を解説します。
(1) 他地域から転入した場合
転入の際は、車検証記載の住所を15日以内に変更する必要があります。ナンバーも同時に変更されるため、必ず手続きを済ませましょう。
(2) 必要書類と費用
転入手続きに必要な書類や費用、申請先は、普通自動車と軽自動車で異なります。
① 普通自動車の場合
普通自動車の場合は、「小牧自動車検査登録事務所」で申請手続きをします。必要な書類は以下のとおりです。
・自動車検査証(車検証)
・車庫証明(新住所地管轄の警察署で取得)
・印鑑
・住民票の附票等(住所の変更を確認できる書面)
・自動車税申告書
・申請書(運輸支局で配布)
・委任状(代理人申請時)
・手数料納付書(350円)
・ナンバープレート(返納用)
費用はナンバープレート代として約2,000円。希望ナンバーや図柄入りナンバーを選ぶ場合は別途料金が必要です。
② 軽自動車の場合
軽自動車の場合は、「軽自動車検査協会 小牧市所」で申請手続きをします。必要な書類は以下のとおりです。
・自動車検査証(車検証)
・車庫証明(地域によって必要。尾張小牧地域では基本必要)
・使用者の住民票または印鑑証明書
・軽自動車税申告書
・申請依頼書(代理人申請時に必要、軽自動車検査協会で配布)
・自動車検査証変更記録申請書(軽自動車検査協会またはダウンロードで取得)
・ナンバープレート(返納用)
費用はナンバープレート代として約2,100円。希望ナンバーや図柄入りナンバーを選ぶ場合は別途料金が必要です。
6. 尾張小牧ナンバーに関してよくある質問
尾張小牧ナンバーは全国的にも注目を集めるナンバーです。ここでは評判や廃止の噂、ネット上の話題などを整理して紹介します。
(1) 尾張小牧ナンバーの評判は?
尾張小牧ナンバーは「かっこいい」と評価されることが多くあります。
旧国名「尾張」と市名「小牧」の組み合わせは歴史を感じさせ、ほかの地域にはない独自性があります。さらに、長らく全国で唯一の4文字ナンバーだったという希少性も評価を高めているのでしょう。
(2) 尾張小牧ナンバーは廃止される?
一宮市と春日井市がご当地ナンバー制度を導入したことで、尾張小牧ナンバーの規模が縮小されるため、廃止される可能性があるという噂もありますが、廃止されるという公式発表はありません。
むしろ、長い歴史を持つこのユニークなナンバープレートは今後も継続される見通しです。
(3) ネット・SNSでの話題やエピソードは?
ネットやSNS上では「尾張小牧ナンバーはやばい」と言われることがあります。ただし、これはナンバーそのものを指しているのではなく、名古屋周辺に見られる独特な運転マナーが問題視されているだけです。
もっとも、一部のドライバーに見られる問題であり、ナンバープレートのデザインや地域名とは直接的な関連はありません。
7. 尾張小牧ナンバーを正しく理解しよう
尾張小牧ナンバーは、愛知県尾張地域北部を対象とする自動車ナンバープレートで、読み方は「おわりこまき」です。旧国名と市名を組み合わせた独特の名称は、全国的にも珍しい形式といえます。
対象範囲には小牧市をはじめとした複数の市町村が含まれており、歴史的には自治体同士の調整を経て誕生しました。もし、尾張小牧の管轄内に住民票がある場合や、転入によって管轄内に住所変更した際には、自動的に尾張小牧ナンバーが交付されます。
尾張小牧ナンバーは、地域への愛着や誇りを表現するひとつの手段ともなり、多くのドライバーにとって馴染み深い存在となっているのです。