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更新日:2025.06.06 / 掲載日:2025.06.06
実車チェック! 新型ムーヴは「X」に大注目!【ダイハツ】

文と写真●ユニット・コンパス
実物を見てびっくりしました。期待以上です、新型ムーヴ。なにがいいって、スタートが価格135万円という手頃な価格もそうなのですが、メイングレードの「X」(2WD、149万500円)の仕上がりがとってもよかったのです。
ユーザーの気持ちに沿って徹底して考え抜かれた骨太なモデルチェンジ

11年ぶりにフルモデルチェンジされたダイハツの軽自動車ムーヴ。歴代モデルで初めてスライドドアを採用したことが話題になっています。実際、スライドドアは使いやすいですが、ダイハツにはすでにムーヴキャンバスというスライドドアを採用したモデルが存在していました。それとは何が違うのか?
シンプルに言えば、デザインが違います。ダイハツによれば、走りのキャラクターも、キャンバスよりしっかり感を大切にしているとのこと。じゃあキャンバスでいいのでは? 実車を見るまでは正直、わたしも少しそう考えていました。
ところが、実車を確認して、各グレードの装備などを確認していくと、新型ムーヴの魅力がわかりました。新型ムーヴは、ちょうどいい価格でありながら、所有することが嬉しくなる、細部にまでていねいに作り込まれているクルマだったのです。
軽自動車に求められる本質を追求した「X」グレード

理解のキーになるのが「X」グレード。新型ムーヴのコアとなる存在です。
このグレードは、軽自動車の使い方としてもっともオーソドックスなシティユースでの使い勝手を徹底的に考えてあります。149万500円という価格は、ダイハツがユーザーの声を集めるなかで、多くのひとたちが希望したもの。この価格を実現しつつ、モノとしての魅力、つまりデザインやカラーリング、手触り、品質感を追求しています。

エクステリアは大人っぽいデザインで、ライトなど光り物の表現も上手で、手抜き感は一切なし! インテリアも、「これで十分!」と思えるクオリティでした。たとえば、手を抜きがちなリヤハッチゲートの開口部周辺なども作り込まれていて感心しました。もちろん、装備はあれもこれも贅沢についているクルマではありませんが、リヤドアは助手席側は標準で電動式(運転席側はオプションで電動化)だし、エアコンもフルオートタイプ。普段乗りには十分以上でしょう。



一方で、ホイールはセンターキャップ付きスチールの14インチだったり、ACC(前走車に追従する賢いクルーズコントロール機能)が装備することができません。パーキングブレーキも足踏み式になります。いい意味で割り切った装備設定です。




アルミホイールが標準で欲しい、もっと豪華なほうがいいというなら「G」(171万6000円)をどうぞ。こちらは電動パーキングブレーキが標準で、メーカーオプションでACCも装着可能となっています。
さらに走りにこだわりたいというユーザーのためには、ターボエンジンの「RS」(189万7500円)が用意されています。これはシリーズでもっとも装備が豪華でACCも標準装備。


もっとルックスを豪華にしたい、自分らしいスタイルを追求したいというユーザーのために純正アクセサリーも充実。「ダンディスポーツスタイル」や「ノーブルシックスタイル」が用意されています。


新型ムーヴでは、グレード構成をシンプルに、ユーザーが迷いにくいようにしたとのこと。カスタムを廃止したのもその理由。これはコスト低減にもつながります。軽自動車のベーシックなモデルというと、どうしてもファミリー的な可愛らしい系のデザインになりがちですが、従来のカスタムファンに納得してもらえるようにと「X」や「G」でも落ち着きのある大人っぽいデザインに仕上がっているのです。ムーヴキャンバスとの棲み分けを考えても納得のいく方針だと思いました。
ダイハツの底力を感じさせる新型ムーヴの作り込み

「値上げは仕方がないけれども、軽自動車が300万円と言われたらもう購入できない……」そんなユーザーの気持ちに寄り添ってくれる新型ムーヴ。それでいて、デザインやグレード構成、細部の作り込みには妥協なし。安くても良いものを届けたい、ムーヴという歴史ある名前に恥じない新型にしたい、そんなダイハツの気概を感じる仕上がりになっていました。新型ムーヴ、推せます!