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更新日:2018.11.30 / 掲載日:2014.11.21
【フォルクスワーゲン】燃料電池搭載の「ゴルフ ハイモーション」が発表【スペック】

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
フォルクスワーゲンが、11月19日にロサンゼルス モーターショーでフューエルセル(燃料電池)を搭載した研究車両ゴルフシリーズの「ゴルフ ハイモーション」を世界初公開した。ゴルフ ハイモーションの駆動方式はFFで、フューエルセル・システムの最大出力は136ps(100kw)、0~100km/h加速で10秒を記録する。燃料となる水素は、スペース効率を高めるためボディ下部に備えられたカーボンファイバー製の4つのタンクに貯蔵。水素の充填時間は約3分で、フルに充填した場合の航続可能距離は約500kmとなる。
ゴルフ ハイモーションには大容量のリチウムイオンバッテリーも搭載し、回生ブレーキから得たエネルギーを蓄積。フューエルセルの始動サポートとフル加速時のブースティングに用いられる。フューエルセルとバッテリーは、10月に発表された「e-ゴルフ」に搭載される電気モーターを駆動する。
基本設計は、フォルクスワーゲンが開発しグループ全体で共有している設計標準化戦略「MQB(Modulen Quer Baukastenの略:英語ではModular Transverse Matrix/モジュラー トランスバース マトリックス)」をベースにしている。現在、ゴルフシリーズは、ガソリンエンジン(TSI)、ディーゼルエンジン(TDI)、天然ガス(TGI)、電気自動車(e-ゴルフ)、プラグインハイブリッド(GTE)で展開されているが、MQBを使用することで燃料電池車も実現可能となった。ハッチバックの「ゴルフ」とステーションワゴンの「ゴルフ ヴァリアント」は、現段階で利用できるすべての動力システムを採用できる世界初のモデルシリーズとなる。市販に向けては、さらに研究開発を重ね、一般消費者が購入できる価格帯となること、水素ステーションや水素生産施設などのインフラが整備されることが必要。
量産モデルに代替駆動パワートレインを採用するフォルクスワーゲンの戦略は電気自動車の「e-ゴルフ」、プラグインハイブリッドの「ゴルフGTE」で実現されており、今後は燃料電池車にも拡大していく。なお、アメリカ製の「パサート」をベースにゴルフ ハイモーションと同じコンポーネントを用いた「パサート ハイモーション」の研究車両は、現在カリフォルニアの公道でテストを実施している。