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更新日:2022.03.30 / 掲載日:2022.03.30
ロータス EV仕様の新型ハイパーSUV「エレトレ」発表

ロータスは現地時間の3月29日、ブランド初のオールエレクトリックハイパーSUV「エレトレ」をワールドプレミアした。同モデルは2022年後半より、中国・武漢に建設した新工場にて生産が進められる予定で、日本導入時期は未定。
「ロータス初」づくしの新次元モデル 利便性に長けたSUVにスポーツカーのエッセンスをプラス


エレトレはこれまで、「Type132」という呼称で情報が発信されてきた。今回の発表においてロータス・カーズのマネージングディレクターを務めるマット・ウィンドル氏は「ロータスの歴史にとって大変重要なポイントになる」とコメントしており、同モデルはブランド初の5ドアプロダクションカーであり、スポーツカーセグメント以外の初のモデルであり、初めてのライフスタイルEVであり……と「ロータス初」づくしの車両になっている。
開発には、ロータスが70年以上にわたり培ってきたスポーツカーの設計とエンジニアリングから生まれた、コアな原則とブランドのDNAを注入。SUVならではの使いやすさも押さえつつ、最新のスポーツカーである「エミーラ」の魂と、オールエレクトリックハイパーカー「エヴァイヤ」のエアロパフォーマンスを取り入れ、ハイパーSUVとして具現化したとしている。
100kWh超のバッテリーで600hpのパワーを実現


エレトレは4WDで、100kWhを超えるバッテリー容量と600hpのパワーを備える。また、350kWの超急速充電器を使えば、400kmの航続距離をわずか20分で充電可能としている。WLTPで目標とする最大航続距離は約600kmで、22kWのAC充電も標準装備する。
テクノロジーには最先端のアクティブエアロダイナミクスパッケージと、世界初のLight Detection and Ranging(LIDAR)センサーなどのインテリジェントな運転テクノロジーを採用。また、同モデルはロータスのエレクトリック・プレミアム・アーキテクチャ(EPA)に基づいて構築され、地面に近い「スケートボード」デザインは、異なるバッテリーサイズ、モーター、コンポーネントレイアウト、インテリジェントな駆動技術に対応可能とし、将来的な自律走行技術もアップデート可能としている。
エミーラやエヴァイヤの系譜を受け継いだエクステリアデザイン




エレトレのフォルムは、キャブフォワードのスタンス、ロングホイールベース、フロントとリアのショートオーバーハングなど大胆な造形が特徴。また、短いボンネットはロータスの象徴であるミッドエンジンレイアウトのスタイリングを踏襲したもので、SUVでありながらもハイライディング・スポーツカーのような印象を抱かせる。さらに、エヴァイヤやエミーラにも取り入れられた「ポロシティ」と呼ばれる空気の通り道を、フロントホイールアーチの前後やリアホイール後方、Dピラー上部などに配し、航続距離やスピードなど走行性能に貢献する。
また、シャープなリーディングエッジもエミーラやエヴァイヤの系譜を受け継いだもの。その上には、デイタイムランニングライトとスクロール式方向指示器を収めた、テクニカルライトクラスターを装備。メインランプはマトリクス方式を採用し、対向車に影響を与えることなく常時ハイビーム照射が可能としている。
フロントグリルは三角形状のパーツが組み合わされたアクティブフロントグリルを採用、電気モーターやフロントブレーキなどの冷却が必要な場合には独特のパターンで開き、空気をラジエーターへ送り込む役割も果たす。
サイドでは、ドアミラーの代わりに電動リバースミラーディスプレイを装着。バックミラー用カメラ、360度情報カメラ、インテリジェントドライビングテクノロジー用のカメラの3つを活用し、より安全な運転をサポートする。
リアでは、レーシングカーのウィングレットにインスパイアされたという、カーボンファイバー製のスプリットルーフスポイラーが特徴的で、中央部を無くすことで軽量化を実現した。また、アクティブテールゲートスポイラーは、選択したドライブモードによって3段階の角度に自動で展開される。
そのほか、空気の流れを良くするためにカーボンファイバーが挿入された23インチのマシンカット分割仕上げ5スポークアロイと、セラミックコンポジット10ピストンキャリパーブレーキがオプションで選択できる。


サステナビリティ・利便性・プレミアム感を兼ね備えたインテリア



インテリアは、従来の5シートレイアウトに加えて、4つの独立シートを設けたレイアウトの選択も可能。固定式パノラマガラスサンルーフもオプションで備わり、室内に明るさと広々とした開放感をもたらす。
素材は軽量かつサステナブルなプレミアム素材にこだわり、手に触れる主要な個所には人口マイクロファイバーを使用、シートはウール混紡生地を採用し、従来の革より50%の軽量化を実現した。そのほかはカーボンファイバーを用いているが、その織りの端からトリミングした繊維をリサイクルし、マットとして使用している。
ドライバー重視のコックピットとハイセンターコンソールは、ロータスエミーラとエヴァイヤにインスパイアされたもので、全体的に落ち着いた雰囲気を演出。インストルメントパネルはリアスポイラーとの共通性を持たせ、中央部が空いたデザインとなっている。
また、収納スペースも各所に配され、センターコンソールにはワイヤレス充電を備えたストレージトレイとカバー付きカップホルダーを、ドアトリムには1Lボトルを収納できるホルダー、そしてリアシートには収納スペースやワイヤレス充電を備えたアームレストを装備する。




先進技術を駆使したインフォテインメント



エレトレのインフォテインメントは、シームレスかつ直線的なコネクトエクスペリエンスを追求。
インパネ上部のライトはヒューマンマシンインターフェース(HMI)の一部を成すもので、通話機能の利用時や車内の温度変更、あるいは車両のバッテリー充電状態を反映した時など、ドライバーへ知らせるために色が変わる仕様となっている。
メータークラスターは高さ30mm未満のスリムサイズになり、主要車両情報とトリップ情報を表示。助手席側は音楽やエリア情報などを表示するディスプレイとなっている。両席の間には最新のOLEDタッチスクリーンテクノロジーを採用した15.1インチのランドスケープインターフェイスを設置、インフォテインメントシステムをスムーズに利用できる。このディスプレイは、使用しない時には自動でフラットに折りたたまれる機能が備わる。そのほか、ヘッドアップディスプレイも標準装備となる。
ステアリングホイールはコンパクトなサイズにデザインされ、アダプティブクルーズコントロールおよびインフォテインメントシステム用のスイッチ類を設置する。
車内のオーディオシステムは英国のオーディオメーカー・KEF社による、Uni-Qとサラウンドサウンドテクノロジーを備えた800ワットの15スピーカーから成るKEFプレミアムを標準装備。オプションで1500ワット23スピーカーのKEFリファレンスにアップグレードも可能としている。
そのほか、最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載、OTAソフトウェアアップデートを介して常に最新機能へのアップデートも可能に。5G互換性を含む最新の接続テクノロジーも備え、スマートフォンアプリを介し車への継続的な接続、OTAソフトウェアの更新、およびソフトウェアの新機能が利用可能になったときに顧客が購入できるようになっている。
車両データ(目標値)
パワーとパフォーマンス
パワー | 600hp / 608.3psより |
バッテリー | 100+kWh |
最高速度 | 260km/h / 161mp/h |
0-100km/h加速 | 3.0秒以下 |
航続距離 WLTP | 600km / 373mile |
車両寸法
全長 | 5,103mm |
全幅(電動リアミラーディスプレイ車) | 2,135mm |
全幅(ドアミラー車) | 2,231mm |
車高 | 1,630mm |
ホイールベース | 3,019mm |