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更新日:2022.03.25 / 掲載日:2022.03.25
メルセデスAMG「GTトラックシリーズ」欧州発表 55台限定

メルセデスAMGは現地時間の3月23日、ブランド史上最もパワフルなカスタマースポーツカー「GTトラックシリーズ」を発表した。同モデルはメルセデスAMGの55周年を記念し、55台限定、369,000ユーロ(日本円約4,958万円)で、同社が拠点を置くドイツ・アファルターバッハで直販される。納車は2022年第2四半期に開始予定。
4.0L V8ツインターボエンジン搭載 最高出力は驚異の734ps




同モデルは、メルセデスAMG屈指のトップパフォーマーである「GTブラックシリーズ」をベースに開発。同ブランドが創業以来掲げる「最高のものをさらに良くする」という妥協のない哲学のもと、GT3やGT4などサーキットで培った技術を結集し、高いエクスクルーシブ性とパフォーマンスを兼ね備えたモデルに仕上げられた。
心臓部はGTブラックシリーズに搭載されていた4.0L V8ツインターボエンジンで、同モデル用にさらなる強化が図られ、最高出力734ps、最大トルク850Nmという極めて高いパフォーマンスを発揮。トランスミッションは6速シーケンシャルが組み合わされる。
パフォーマンス哲学に準拠したパワフルなデザイン



同モデルのデザインはパフォーマンス哲学に基づき、高いドライビングダイナミクスに貢献するパワフルなものに。ボンネット、ウィング、シル、バックドア、リアエプロンにはカーボンファイバーが用いられ、車両重量を1,400kgに抑えた。
フロントアクスルのカーボン製ウィングにはルーバーが内蔵され、高いダウンフォースを実現。ブラックビジブルカーボンのエレメントを持つシルは、フロントとリアで垂直なブレードに変化し、車両周囲の空気の流れを最適化することに大きく貢献する。
また、フロントエンドではAMG特有のスポーティなラジエーターグリルが特徴的で、ラジエーターへの最適なエアフローを確保。ボンネットにも大型のエアアウトレットを備え、ダウンフォースの発生とエンジン冷却に貢献する。さらに、ハイダウンフォースフロントスプリッターは、同モデル専用に開発されたものを採用。リアでは、GTブラックシリーズのエアロエレメントをベースに改良された、レーシング・リアウィングを装備する。
ホイールも、同モデル専用に開発された高光沢の切削鍛造18インチホイールを装着。タイヤは通常の競技用タイヤを使用可能としている。
ボディカラーはシルバーマグノに専用のセミグロス特別仕上げを施し、赤とアンスラサイトのコントラストを組み合わせた。フロントエプロン上部にはAMGロゴを配し、同モデルのスペシャリティを強調する。
モータースポーツ仕様のインテリア





インテリアも本格的なモータースポーツ仕様で、GT3やGT4に倣ったレーシングエレクトロニクスを搭載。レーシングトラクションコントロールとモータースポーツ用ABSはOFFモードを含め、それぞれ12段階で調整可能とした。
高張力鋼板製のロールケージはアルミニウム製のスペースフレームにボルトで固定され、ルーフには脱出用のハッチを設置。カーボン製のドライバーセーフティセルは広めのサイズ感で、背の高いドライバーにも十分なスペースを提供する。さらに、5点式安全ベルトとカスタマイズ可能なエルゴノミックシートフォームを装備し、最新のFIA基準を満たす高い保護レベルを実現した。
ステアリングホイールは同モデル専用開発で、調整範囲が広く、様々な機能をコントロールするスイッチ類を備える。ペダルもドライバーの体格に合わせて、個別に調整可能となっている。
ダッシュボードには、フルプログラミングが可能なボッシュ製DDU 11ドライバーディスプレイユニットを搭載、ラップタイムを記録するラップトリガーなど、モータースポーツのための包括的なデータロギングシステムも組み込まれている。
モータースポーツ仕様であるがゆえに、快適性を高める装備は排されているが、インテリアの各所に施された「1 of 55」のエンボス加工や、運転席のモデルロゴ刺繍などから、限定モデルならではのスペシャリティを感じられる。
オーナー限定の包括的サポートも特典に用意

同モデルのオーナーには、納車前のテクニカルトレーニングやサーキット走行時のエンジニアによる個別サポート、スペアパーツ供給を含むロジスティクスサービスなど、通常はメルセデスAMGモータースポーツのカスタマーチームだけが受けられる特典が含まれるとしている。
メルセデスAMGモータースポーツのクリストフ・サゲミューラー代表は「GTトラックシリーズは、55年前のメルセデスAMGの設立以来、私たちの車のコンセプトにおいて圧倒的なライトモチーフとなっているパフォーマンス哲学に倣って開発されました。今回のアニバーサリーにおいて、エクスクルーシブなクラブスポーツカーで私たちのポートフォリオを拡大することも可能でしたが、私たちはさらに一歩進み、厳密な限定特別仕様車も提供することにしました」と同モデル開発の経緯を話す。
また、メルセデスAMGカスタマーレーシングの責任者であるステファン・ヴェンドル氏は「今回のGTトラックシリーズ開発に当たり、私たちは、野心的なモータースポーツのお客様に、成熟した非常に高級なサーキット走行用ツールを提供するという高い目標を掲げ、これを実現しました。このモデルを乗りこなし、世界中のレース場でお客様が自己記録を更新されることを楽しみにしています」と語った。