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更新日:2021.09.01 / 掲載日:2021.09.01
ブガッティ「チェントディエチ」風洞実験の様子を公開 限定10台生産のハイパースポーツカー

ブガッティ チェントディエチのテスト風景
ブガッティは現地時間の8月31日、ハイパースポーツカー「チェントディエチ」の風洞実験の様子を、YouTubeの公式チャンネルで公開した。
「チェントディエチ」は2019年に発表された、車両価格800万ユーロ(約10億4000万円)の10台生産限定モデルで、発表から数時間で完売、現在は来年予定のデリバリーに向け調整が進められている。
緻密なテストで最適なハンドリングを実現
動画で紹介される風洞実験は、9300PSのエンジンと8mのプロペラを搭載し、最大時速300km/hに達する強力な風を恒常的に作り出す装置を使用、300キロに及ぶ高速走行の状況をシミュレーションする。
同社ではすべてのニューモデルが一定の開発プロセスをクリアして生産され、それは今回の「チェントディエチ」や、ワンオフモデルの「ラ・ヴォワチュール・ノワール」などといった少数生産の車両であっても例外ではないという。
同社のテクニカルプロジェクトマネジャーは「私たちエンジニアにとっては、ハイパースポーツカーを1台、10台、500台と開発することに違いはありません。時速350km以上で走行するハイパースポーツカーでは、エアロダイナミクスとダウンスラストが100%正しくなければなりません。コンピュータシミュレーションと最初のプロトタイプのロールアウトに続いて、さらに風洞実験が行われ、テストコースやプルービング・グラウンドでの高速テストが行われます」と、開発台数に左右されない姿勢と、入念な開発工程を話す。
実験では風洞に入った試作車を見つつ微調整を加え、開発者が打ち出した目標値に近づけていくが、「理想的なセッティングを見つけた後も、チェントディエチがどのように反応するかを確認するために、他のセッティングも試しています」(同マネジャー)という。
これらの緻密なテストに加えて、テストコースでの試走を重ね、最終的なセットアップを選択していくとしており、動画ではその一端を垣間見ることができる。
伝説の「EB110」へのオマージュ
「チェントディエチ」は、約30年前にロマーノ・アルティオーリがブガッティブランドを復活させた際、その象徴的モデルとして生産された伝説的モデル「EB110」へのオマージュが込められたモデル。
1990年代を代表するスーパースポーツカーの一つとしても名高く、カーボンモノコック、550PSのV型12気筒ミッドマウントエンジン、4つのターボチャージャー、四輪駆動など、息を呑むようなデザインから独自の技術まで当時の最新鋭を誇るモデルで、1995年までに「EB110 GT」が96台、「EB110スーパースポーツ」が32台生産された。