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更新日:2021.08.31 / 掲載日:2021.08.30

【ホンダ NSX】第2世代NSXの集大成「タイプS」を30台限定で発売!

NSX タイプS

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文●大音安弘氏 写真●ホンダ

 ホンダのスーパースポーツ「NSX」の改良型モデル「タイプS」が、メディア向けに日本初公開された。2016年8月発表された2代目NSXは、2018年10月のマイナーチェンジ、2019年12月の年次改良を受けた「2020年モデル」と着実な進化を続けてきた。その最新のアップデートモデルが、更なる走りを極めた限定車「タイプS」となる。

高性能と快適性を高次元で両立させた「タイプS」

NSX タイプS

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 ホンダのスポーツモデルを示す「タイプS」の名を新NSXに与えた理由を開発責任者の水上 聡氏(本田技研工業)は、「かつてのタイプRのように軽量化で速くするのではなく、それを超えるサーキットの走りを実現させながら、今の時代に求められる快適性もしっかりと備えたNSXを目指した。そこでホンダスポーツの系譜を意味する「S」の名を与えた」という。つまり、この「タイプS」の名が史上最強のNSXであり、2代目NSXが目指したオールマイティなスーパースポーツであることを物語っているのだ。早速、タイプSの改良のポイントを見ていこう。

空力性能もさらに向上した

NSX タイプS

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 クールかつエレガントだったエクステリアは、タイプSの為にアグレッシブなデザインされた新しい前後バンパーにより、スーパースポーツとしての迫力を増している。しかし、それは単なる視覚的な効果を求めたものではなく、風を後方へと操るディフューザーを含め、空力と冷却性能のさらなる向上を目指し、デザイナーと技術者が二人三脚で、シミュレーションや風洞実験、走行テストを重ねて、作り上げた性能向上パーツなのだ。

 そのエクステリアを彩るボディカラーは、2色の新色を加えた全10色を用意。今回の展示車には、特別有償色となる「カーボンマットグレー・メタリック」だ。タイプSのために、新たに加えられたピアノブラック及びカーボンのアクセントとも相まって、シックな色合いながら、タイプSに相応しい情熱的なオーラを放つ。

インテリアにも専用コーディネートを採用

NSX タイプS

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 インテリアは従来型と基本的には同じだが、シートのカラーコーディネートをタイプS用に一新。さらに「NSX」ロゴの刺繍入りヘッドレストとグローブボックスの「タイプS」専用ロゴが特別感を演出する。快適装備などについて言及はないが、従来型と同等と捉えて問題はないだろう。タイプSには、限定車を示すシリアルナンバープレートが備わるが、多くのクルマにようにインテリアではなく、その位置がエンジンルームとなる。この辺もホンダらしいサプライズといえるだろう。

最高出力は610馬力までパワーアップされた

NSX タイプS

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 タイプSの名に相応しい走りを実現させるべく、メカニズムの細やかなアップデートが施されている。特徴的な3モーターハイブリッドのパワートレイン「SPORT HYBRID SH-AWD」の心臓となる3.5L V6DOHCターボは、2020年モデル比で、最高出力を+22psとなる610psに。最大トルクを+50Nmとなる667Nmにまで向上させた。より高回転型エンジンとなっただけでなく、全域の安定したトルクバンド特性はそのままに、高トルクを発揮するように躾けられた。またSH-AWDでは、フロント部の駆動を担うツインモーターユニット(TMU)を20%ローレシオ化し、加速時のレスポンスを向上。よりスムーズなEV走行を実現すべく、バッテリー出力と使用可能容量を拡大させ、効率とシステム出力の拡大にも貢献している。また特徴である駆動配分制御も進化させ、ドライバーとの一体感が高まる走りを実現している。

 DCTの9速トランスミッションにも新制御が加えられた。それが「パドルホールド・ダウンシフト」だ。これはダウンシフトを一速ずつではなく、一回のパドル操作で複数段のギアを落とし、最適なギアへの変速を可能としたもの。またドライバーのインフォメーションとしても重要なエンジンサウンドも最適化させ、リニアなサウンドを追求した。これにより走行中の臨場感とドライバーの心を高揚感が増しているという。

 もちろん、足回りもタイプS用に最適化されており、アダクティブダンパーの調整幅を拡大。それにより、選択するドライブモードによる走りの味わいも、より明確化されているようだ。さらにサーキットでの走行性能を高めるために、新しい専用ホイールのインセットが変更され、トレッドを拡大。さらに装着されるピレリPゼロタイヤも、よりNSX専用となる認証タイヤにアップデートした。これらの改良の結果、鈴鹿サーキットのラップタイムを2秒も短縮することができたという。開発を指揮した水上氏は、自身もテストを重ね、より運転が愉しめるNSXへと成長できたとした。

世界限定350台、日本へはそのうち30台を割り当て

NSX タイプS

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 残念なのが、この大幅進化を遂げたタイプSが、たった350台しか生産されないことだ。このうち30台が日本に割り当てられ、価格は2794万円となる。日本国内では2021年9月2日より全国のNSX performance dealerにて申込受付を行い、2022年7月に販売する予定だ。2020年モデルの374万円高となるが、たった350台のために、ここまでの改良を実施しているのだから、これはバーゲンプライスといっても過言ではないだろう。最後に、水上氏は、「NSXの生産が終了することは残念だが、開発と生産で得られた知見は、今後のホンダにとって貴重な財産であり、将来の新型車にも活かされていくだろう」とした。

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グーネットマガジン編集部

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