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更新日:2020.12.24 / 掲載日:2020.12.24
【ホンダ N-BOX】質を追求したマイナーチェンジで軽自動車の王者がますますパワーアップ!

ホンダ N-BOX、N-BOXカスタム
文と写真●大音安弘
日本で最も支持される乗用車であるホンダの軽スーパーハイトワゴン N-BOXが、2020年12月24日、マイナーチェンジを実施。翌日となる12月25日より販売を開始することを発表した。新価格は、標準車が142万8900円~202万2900円。カスタムが176万9900円~223万3000円だ。
N-BOXは、初代を含め、シリーズ全体の累計半台数が180万台を超えるベストセラーで、軽四輪車だけの売り上げで5年連続トップを誇るだけでなく、新型への切り替えが行われた3年前からは、登録車を含めた自動車販売トップに君臨。まさに小さな巨人だ。
その好調を維持すべく、初のマイナーチェンジを実施。そんな改良の拘りは、ずばりデザイン。フェイスリフトに加え、新たなデザインパッケージ「コーディネートスタイル」が追加されている。
進化のポイントはデザイン変更。標準モデルはより愛らしく、上品に

N-BOX(標準モデル)
まずエクステリアの進化を見ていこう。標準車のフロントマスクは、現行型のイメージを残しつつ、より愛らしい顔立ちとなった。チャームポイントとなる丸目ライトは、輪郭を強調したパッチリ目元に進化。フロントグリルは、メッキ加飾部を中央に変更することで、視覚的な重心の低下を図り、フロントバンパー内のグリルにメッキバーを追加することでワイド感も演出した。にこやかな顔はそのままに、少し落ち着きがでたようだ。
輪郭を強調して、目力を増したヘッドライト
レトロなイメージのディッシュ型ホイール
力強さを増したカスタムのフロントマスク

N-BOXカスタムはナンバープレートの位置がバンパー中央になる
クール路線のカスタムもフェイスリフトを実施。顔立ちの変化は、カスタムの方が大きく、スポーティさよりもパワフルさが高められた。大きな違いとなるのはグリルとヘッドライトを結ぶ特徴的なアッパーグリルを押し出し、存在感を強めたこと。フロントバンパー内のグリルも拡大させ、L字のメッキパーツを配することでワイドさも強調されている。またナンバープレートの位置を中央とし、標準車とカスタムでナンバープレート位置が異なる仕様となった。

ワイド感があり、力強いイメージのリヤスタイル
インテリアは小変更。より汚れが目立ちにくい色味になった

N-BOX インテリア
インテリアは小変更に留められる。標準車は、ダッシュボードとドアトリムがベージュからダークブラウンに変更。これは汚れが目立たない色味が求められたことからだという。シート表皮は従来型同様のベージュ×ライトグレーの組み合わせとなる。
カスタム仕様も同様に、細やかな変更だ。ブラック基調とブラック塗装加飾の組み合わせは同じだが、マルチブラック仕上げの加飾をより深化させ、質感を高めている。シート表皮もブラックのままだが、中央のストライプ加飾がガンメタ仕様に変更された。
全仕様共通の追加アイテムとして、後席用のシートバックテーブルが標準化されている。
N-BOX 1列目
N-BOX 2列目
後席用のテーブルが標準装備になった
N-BOX ラゲッジルーム
2トーンを発展させた「コーディネートスタイル」を新提案

N-BOX「コーディネートスタイル」装着車
マイナーチェンジモデルでは、新たなコーディネートが提案されている。それが「コーディネートスタイル」だ。従来型の2トーンボディ仕様を発展させたもので、内外装共にコーディネートを実現させたもの。標準車はブラウンルーフに統一した3色を設定。アクセントとして、ディッシュホイール風デザインのセンターホイールキャップとメッキハンドルが追加装備される。インテリアは、ダークブラウンを基調とし、シート表皮と加飾もブラウンで統一されている。
豪華さとスポーティさを表現したカスタムの「コーディネートスタイル」

N-BOXカスタム「コーディネートスタイル」装着車
カスタムのコーディネートスタイルでも3色を設定するが、ボディカラーに合わせてブラックルーフもしくはシルバールーフが組み合わされる。アルミホイールは、豪華さとスポーティさを与えた切削加工とブラッククリア塗装を施した仕様となり、2種類を用意。自然吸気エンジン車が14インチ、ターボ車が15インチとなる。インテリアでは、ブラック基調となるのはベースと同じだが、加飾がマルチボルドー仕上げに変更。シート表皮は、質感の高いプライムスムース合皮を採用。そこにボルドーのアクセントを加えた質感の高い仕様となる。
メカニズムの変更点はCVT制御の改良が目玉

CVT制御を見直し、駆動系を改良することで振動や騒音を低減
メカニズムでは、CVT制御の改良が目玉となる。これはN-WGNにも搭載済みのもので、アクセルワークに適したリニアな加速とステップダウンシフトがポイント。これにより、シフトポジジョンもエンジンブレーキを重視したLレンジから、より幅広い領域で活用できるSレンジへと変更。通常のエンジンブレーキはLレンジより弱くなるが、ブレーキ制動時はLレンジ同等の制動力が得られるようになっている。また駆動系に改良を施すことで、低振動化及び低騒音化も図られている。
安全運転支援パッケージ「ホンダ センシング」も機能向上

「ホンダ センシング」は約120km/h対応に進化
先進の安全運転支援パッケージ「ホンダ センシング」も機能向上が図られており、「路外逸脱抑制機能」、「アダクティブクルーズコントロール(ACC)」、「車線維持支援システム」などが約120km/h対応に進化。さらに「後方誤発進抑制機能」は、超音波センサーを4つに拡大することで、パーキングセンサーとしても活用できるようになっており、利便性が高まっている。
ライフケアビークルも進化し、使い勝手を高めた

ライフケアビークルとなるスロープ仕様は、標準車及びカスタムに継続設定されており、車いす車載時のシートバック汚れを防ぐカバーが、新たに追加されている。
全体的に質の向上をメインとしたマイナーチェンジ

ベストセラーモデルらしく、正常進化となったマイナーチェンジ
改良型は、コーディネートスタイルの追加からも感じられるように、全体を通してN-BOXの質を高めることが重視されている。高いけど良い軽というNシリーズの価値がより強調されたといえるだろう。
ホンダ N-BOX スーパースライドシート仕様 EX(CVT)
■全長×全幅×全高:3395×1475×1790mm
■ホイールベース:2520mm
■トレッド前/後:1305/1305mm
■車両重量:930kg
■エンジン形式:直3DOHC
■最高出力:58ps/7300rpm
■最大トルク:6.6kgm/4800rpm
■サスペンション前/後:ストラット/車軸式
■ブレーキ前/後:Vディスク/リーディング・トレーリング