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更新日:2020.12.22 / 掲載日:2020.12.22

ファン待望! SUBARU新型BRZ、ついにアンヴェール

噂されていた次期スバルBRZがついに北米で公開。ファン熱望のモデルだけに、どのような進化を遂げたのかが気になるだろう。発売は来年後半が有力だが、その日が本当に楽しみである。

国内デビューは2021年後半が有力

希少なスポーツクーペが待望のフルモデルチェンジ

 去る11月18日、北米時間の午前9時、日本時間の深夜11時に、スバルは新型BRZを世界初公開した。この8月に生産を終了し、ファンをやきもきさせていた世界でも希少なFRスポーツクーペの次期モデルの存在が、ようやく公式に発表されたのだ。

 現行スバルBRZのデビューは、2012年3月のこと。兄弟車となるトヨタ86は、その直後の4月に発売されている。以来、実に8年余り。今回の発表を予告した米国のスバル公式サイトでは新型を2022モデルと記しているから、モデルイヤーで言うと10年ぶりの新型ということになる。

 そのリリース文を読み込んでみると、新型BRZがスポーツカーの一大市場である北米の意向を反映させて進化したことがわかる。

 リリースにあるインチ表示のボディサイズを換算すると、新型は全長が25mm伸ばされる以外は、ほぼ現行モデルと同じ。2575mmのホイールベースも近い。

 ホイールサイズは現行の17インチに加えて18インチが用意され、215/40R18というビッグサイズのミシュランパイロットスポーツ4を履くが、このタイヤサイズも現行型最後期のSTIスポーツには設定されていた。

 フロントがストラット、リヤにダブルウィッシュボーンのサスペンション形式も変わりない。

 つまりプラットフォームは現行型をベースとしたものだが、スバルは最新のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の知見を取り入れ、インナーフレーム構造や構造用接着剤などの採用によって、現行モデルよりフロント曲げ剛性を約60%、ねじり剛性を約50%向上。ステアリングの応答性や旋回時のトラクション性能が向上していると主張している。

 さらにルーフやフード、フロントフェンダーをアルミ化。前後左右の重量配分適正化や低重心化で、運動性能を向上させているという。

進化は走りのみにあらず。装備&機能も大幅強化

 搭載されるエンジンは、もちろんスバル伝統の水平対向4気筒。現行型では2Lだった排気量は2.4Lに拡大されて、より力強い走りを実現させるのも、北米市場の好みを考えれば当然の進化だ。

いっときターボ化も噂されていたが、スバルの北米向けモデルに搭載されていたFA24型を現行型と同様にトヨタの技術(D-4S)で直噴化したNAのようだ。北米の馬力表示では228hpを発揮する。日本国内向け表示は230psになるだろう。現行の2Lから30psのパワーアップだ。同様に184lb-ftと表記されているトルクは、換算すると25.4kg-m。現行型から約4kg-mの増加になるが、より低回転から力強い味付けになるのは間違いない。

 AT車へのアイサイト標準装備やスバルコネクトの搭載など、最新モデルらしい進化もぬかりない。

 現在のところトヨタ側のアナウンスはないが、そもそもトヨタ86/スバルBRZの企画は、ラリーの学生チャンピオンの経歴を持ち、広く愛されるスポーツカーを作りたくてトヨタに中途入社した開発者の多田氏が叶えた夢。縦置き水平対向エンジン+4WDのスバルのパワートレーンなら、容易にFR化できると踏んで共同開発を持ち掛けたのも彼だ。

 サーキット走行のためのスペアタイヤが4本乗るラゲッジルームなど、走り屋ならではのこだわりを満載したトヨタ86とスバルBRZの兄弟は、彼の情熱と知恵があってこそ成立したビジネスモデルだ。

 ただし、彼はその後もう一クラス上のトヨタGRスープラを、BMWと共同開発するチームを率いた。その仕事が一段落するまで、86/BRZの次期モデルに手を付ける余裕がなかったのだろう。

 2021年後半の発売が予想される新型も、彼の熱い想いを受け継ぐことは間違いない。期待して待とう。

パワーユニットは2.4L水平対向NAエンジン。6速のMT&ATが選択可能

エンジンは、北米向けモデルのアセントに積まれている2.4L水平対向4気筒がベース。切れ味のいい走りを目指すBRZでは、現行モデルと同様の直噴NAエンジンとなる模様だ。

  • 全体のプロポーションやフォルムは、ひと目でスバルBRZとわかるキープコンセプト。FRスポーツらしい、振り回す楽しさも継承されるだろう。その一方で、誰にでも乗りこなせるフレンドリーな味付けも加わるはず

唯一無二の個性が宿る。スタイリングの美しさも健在

スバルのアイデンティティであるヘキサゴングリルの左右に、ワイルドなエアインテークを配したマスクが精悍。ルーフとエンジンフード、フロントフェンダーはアルミ製だ。

後ろ姿はよりボリューム感を増す。全幅は現行モデルと変わりないが、筋肉質なリヤフェンダーやシャープなリヤコンビランプなどによって、現行より格上を思わせる存在感を醸す。

フロントフェンダー後方に口を開けたエアアウトレットや存在感のあるサイドシルスポイラーは、単なる飾りではなく、空力や冷却などの性能を追求した、文字通りの機能美である。

インパネは現行型と同様に、コーナリング中のロール量が掴みやすい水平基調。ホールド性の高いスポーツシートとともに、クルマの挙動を正確にドライバーに伝えてくれるだろう。

メーターパネルは高級車のような全面TFT液晶ではなく、7インチのTFTとセグメント液晶の組み合わせ。リーズナブルな価格で先進性を表現しようとする努力がうかがえる。

  • Apple CarPlay、Android Autoに対応した8インチSUBARU STARLINKマルチメディアインフォテイメントシステムを採用。直感的に使えて操作性に優れている。

エアコン関連の操作はハードキーで行うタイプ。トグルとダイヤルのスイッチ類は形状も現行型と似ている。

icon SUBARU BRZ

■主要諸元(Limited) ※北米仕様車 ●全長×全幅×全高(インチ):167.9×69.9×51.6 ●ホイールベース(インチ):101.4 ●パワーユニット:2.4L水平対向4気筒(228hp/184lb-ft) ●トランスミッション:6速MT/6速AT ●駆動方式:RWD(後輪駆動) ●サスペンション:ストラット式独立懸架(F)ダブルウィッシュボーン式独立懸架(R)●タイヤ:215/40R18

●文:横田 晃/月刊自家用車編集部 ●写真:SUBARU

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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