車種別・最新情報
更新日:2019.12.02 / 掲載日:2019.11.18
TOYOTA 新型ヤリス詳報

4代目 2020~
かねてより登場が噂されていたトヨタ・ヤリスが鮮烈デビュー。次のトヨタ車の方向性を占うモデルだけに、注がれた技術や装備はスモールコンパクトとは思えぬほどの充実ぶりだ。このクラスの常識を覆しそうな新型ヤリス、その魅力をお届けしよう。
今までのスモールコンパクトの常識を覆す最新技術が惜しみなく注がれた!
注目ポイント1 新TNGAプラットフォーム GA-Bを初採用

新型ヤリスには、近年トヨタが導入を進めている新世代TNGAプラットフォームのGA-Bを初採用。低重心&高剛性化シャシーから生まれるヤリスの走りは大いに期待できそうだ。
注目ポイント2 1.5L THS2ハイブリッドも最新仕様にアップデート

現行型ヴィッツのハイブリッドも1.5Lだが、新型ヤリスはベースエンジンが最新のダイナミックフォースエンジンに変更。燃費に加えドライバビリティの向上も期待できそうだ。
注目ポイント3 全自動駐車 「Advanced Park」など運転支援も出し惜しみなし

ドライバーの利便性や疲労軽減をサポートする運転支援機能の充実ぶりも見所。とくに自動で指定の位置に駐車を行う「Advanced Park」はトヨタ車初搭載となる注目の機能だ。
新時代のベーシックモデル まさに全てが全面刷新
デザインのモチーフのひとつは「黒豆」。従来の「睨みつけるような顔」も止めて、ボンネット周りの造形は怒り肩から撫で肩になった。リヤフェンダーからリヤゲートまわりはぷりぷりと肉感的に仕上げて、テールランプでキリッと引き締める。全体を見ればスモールコンパクトならではの愛らしさがある。最近増加している、ありがちなプレミアム感に拘泥していないことに好感を持った。
今まで国内ではヴィッツの名前で展開していたが、新型から車名を海外仕様と統一している。この車名変更の狙いは国内市場の仕切り直しなのだろうが、個人的には従来以上に国内市場との相性が高まったように思える。実際はトヨタ世界戦略車なのだが、とても日本的な印象がある。
メカニズム面の進化も目覚ましい。その筆頭にくるのが、新TNGAプラットフォームの採用だ。これまでカローラ系のGA-Cが最もコンパクトな新世代プラットフォームだったが、よりコンパクトなモデル向けのGA-Bを初めて採用した。ヤリスはカローラ系の下に位置するが、プラットフォームで見るとカローラはGA-Cを採用するモデルの最小クラス、ヤリスはGA-Bの最上位クラスという位置付けになる。今後、パッソやポルテなどもGA-Bへの移行が予想されるなど、重要な基盤となるプラットフォームだけに、ヤリスはトヨタの次世代コンパクトの行く末を占うモデルでもある。
また、パワートレーンも大変革され、とくにトヨタの次世代エンジンであるダイナミックフォース(DF)エンジンが採用された1.5Lユニットの登場は、ヤリスへの期待値を否応にも高めてくれる。さらにハイブリッド車への4WD設定、先進安全&運転支援機能の大幅拡充など、小さなクルマでも日本市場への影響は大きいだろう。

発表会当日は、トヨタ副社長の吉田守孝氏がその魅力をアピール。走りの良さやデザインを訴えた。魅力的なプライスで提供したいというコメントからも新型ヤリスは価格も期待できそうだ。
ヤリス/ヴィッツ モデルヒストリー
初代 1999-2005
初代は長年親しまれてきたスターレットの後継として1999年に誕生。革新的な内外装デザインや広々キャビンで人気を博した。日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得している。
2代目 2005-2010
ボディサイズが拡大され、プラットフォームも刷新。衝突安全性能の向上やアイドリングストップやスマートキーなどの利便装備の強化など、安全&機能の向上も見所の一つ。
3代目 2010-2020
装備レベルの向上をはかり上級志向を高めたほか、最新設計のエンジン&CVTを採用することで燃費性能も追求。2015年には1.5Lハイブリッド車も投入されている。
WRCでレース仕様にカスタマイズされたヤリスは輝かしい成績を残しているが、そこで得たノウハウや知見は4代目となる新型ヤリスにもフィードバックされている。
HYBRID G

現行型とイメージを一新。ボディ中心に力を凝縮したアクティブなデザインに生まれ変わった。ホイールベースは2550mmと現行比で+40mm。伸びやかな印象が強まったことも分かる。
グリルとバンパーのエアダム開口部が一体化したようなフロントマスクを採用することで躍動感を巧みに表現。上級グレードのヘッドライトは3灯タイプが採用されている。
翼を広げたような鋭角なコンビライトが印象的なリヤビュー。ツートンカラーの塗り分けも自然で、従来のベーシックカーとは異なる印象を強く感じる。
現行型同様にTHS2を採用するが、最新のダイナミックフォースエンジンに加え、駆動バッテリーやパワーコントロールユニットも新設計されている。

横方向に広がりをもたせた開放的なインパネを採用。素材や仕立ても1ランク上の印象がある。
後席こそクラスなりのスペースだが、現行型と比べると快適性や質感を大きく高まっている。
カローラから始まったディスプレイオーディオ標準化の流れは、新型ヤリスでも踏襲される。DCM通信機器も標準装着されるなど、コネクティッド機能にもフル対応する。
メーターはデジタル式。中央には、クルマが発する様々な車両情報を表示するカラータイプのインフォメーションディスプレイが設けられる。ベーシックカーの進化を感じられるポイントだ。
ラゲッジ容量は現行型と大きな差はない印象。
シンプルな左右6:4分割格納シートのためそのままでは段差が生じてしまうが、フラットにするためラゲッジボードが別に用意される。
●主要諸元
HYBRID G(※プロトモデルの数値)
●全長×全幅×全高(mm):3940×1695×1500mm ●ホイールベース(mm):2550 ●トレッド(mm):1480(フロント)/1475(リヤ) ●パワーユニット:1490cc直3DOHC+モーター ●最小回転半径(m):4.8 ●タイヤサイズ:185/60R15 ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●車両重量(kg):1090
HYBRID Z

Zは内装&装備が充実する最上級グレードという位置付け。
取材車を見る限り、ホワイト/グレーのツートンカラー仕様も選べるようだ。
●主要諸元 HYBRID Z(※プロトモデルの数値)
●全長×全幅×全高(mm):3940×1695×1490mm ●ホイールベース(mm):2550 ●トレッド(mm):1475(フロント)/1480(リヤ) ●パワーユニット:1490cc直3DOHC+モーター ●最小回転半径(m):5.1 ●タイヤサイズ:185/55R16 ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●車両重量(kg):1180
1.5 Z

1.5Lガソリン車も最新のダイナミックフォースエンジンを搭載。ガソリン車のユニットは出力と燃費性能を高い次元で両立させる直噴タイプが採用されている。
シフト形状やスイッチ類の数など一部の機能を除けば、
ガソリン車のキャビンレイアウトもハイブリッド車と共通になる。
●主要諸元 1.5 Z(※プロトモデルの数値)
●全長×全幅×全高(mm):3940×1695×1500mm ●ホイールベース(mm):2550 ●トレッド(mm):1480(フロント)/1475(リヤ) ●パワーユニット:1490cc直3DOHC ●最小回転半径(m):5.1 ●タイヤサイズ:185/60R15 ●トランスミッション:Super CVT-i ●車両重量(kg):1020