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更新日:2019.04.09 / 掲載日:2019.04.09
今、買うべき1台はこれだ!平成最後のSUV王座決定戦【カテゴリーD】

MITSUBISHI デリカD:5(新型)

価格は高くなったものの フルモデルチェンジ級の 全面刷新で大幅強化
従来型に設定されていた先代のディーゼルターボ車は、350万円前後がスタート価格。安全&運転支援や走行性能が大幅強化されたことを考えれば妥当だが、それでも30万超え価格アップに抵抗を感じる人も多いはず。
カテゴリー1位 パワートレーン&駆動方式 2.3LDターボ& 4WDモデル 159/180点

●デリカD:5 (2.3LDターボモデル) グレードバリエーション
知らない人が見れば派手なミニバンと思うだけだろうが、その中身には本格4WDシステムを筆頭とした唯一無二のメカニズムが宿る。
インパネ&シートは圧倒的に良くなった。
3列目は左右分割式でスライドと折り畳みが可能だ。
2列目キャプテンシートはチップアップも可能。
シートアレンジは基本的に先代を踏襲している。
顔違い&エアロ仕様のスタイリッシュなイメージを強めたアーバンギアを選ぶことができる。
内装もアーバンギアは木目調パネルの柄と色味が異なる。
内装色もブラック系のみ。
チェックポイント1 悪路をものともしない本格派 ディーゼルターボも抜群の出来
悪路走破性能は従来型同様にトップレベルを誇る。雪道のような不安定な路面状況でもS-AWCが統合的に車両をコントロール。歴代デリカファンの期待を裏切らない実力は健在だ。
2.3Lディーゼルターボは2000回転から38.7kg・mという強力なトルクを発生。尿素SCRシステムを搭載で厳しい排ガス規制にも適合済みだ。
チェックポイント2 LKAに不満はあるが 安全&機能装備も大幅強化

先進安全機能の搭載は、新型最大のトピックス。LKAなどが警報止まりになるのは残念だが、最新の運転支援システムの標準化は、多くのユーザーに歓迎されるだろう。
採点チェック
【川島茂夫】唯一無二の最新1BOX型SUV 弱点はもはや価格だけ
正式発売された新型は、安全&運転支援装備の標準化により従来型の弱点を克服。さらに尿素SCRを用いた改良型ディーゼルターボや8速ATの採用で走りの質感の向上も達成するなど、1BOX型SUVの魅力をさらに向上させてきた。ウイークポイントは価格の高さ。自慢のキャビンユーティリティと悪路踏破性に加えて、トルクフルなディーゼルを搭載するなど、実用性や性能は魅力的だが、400万円に迫る価格は、ヘビーユーザー向けと言わざるを得ない。
【まるも亜希子】乗り心地や質感は劇的向上 従来型とはまるで別物
従来型のディーゼル車と比較すると、もはや別物のような静粛性と、低速から滑らかで上質な走りが確認できる。ボディの頑丈さは変わらないが、新型はそこにギャップの乗り越え時などのしなやかさも加わり、多くのシーンで乗り心地の良さもアップしている。キャビンもシートやインパネの上質感が高まり、3列目シートも肉厚なクッションで、居住性は抜群。パワースライドドアやバックドアの自動開閉など、使い勝手もアップしている。
【山本シンヤ】フルモデルチェンジ級の改良により オンロード性能が飛躍的に進化
世界でも類を見ない「ミニバン」と「SUV」のクロスオーバー。新型は便宜上大幅改良となっているが、華がプラスされた迫力あるエクステリアに、質感が大きくレベルアップしたインテリア、エンジンやシャシー、AWD制御など、フルモデルチェンジ並みの進化を遂げている。下手なSUV顔負けの悪路走破性は一切損なわずに、オンロード性能をレベルアップ。従来型と乗り比べると雲泥の差で「トラックから乗用車になった」くらいの変化を感じるほどだ。
MAZDA CX-8

ファブリック仕様ならば どのパワートレーンも狙える
この価格帯で狙えるのは、2.5Lターボ車もディーゼルターボ車もファブリック内装のグレードまで。本革のLパッケージ車を狙うならば、400万円超えの予算が必要になる。
カテゴリー2位 パワートレーン&駆動方式 2.2LDターボ+4WDモデル 156/180位

サードシートは明らかに手狭だが、つま先をセカンドシート下部に収めることができるため、狭いながらもそれなりの居住性は確保される。
格納すればラゲッジも十分広い。
チェックポイント 分厚いトルクが 生み出す雄大な走りは 唯一無二のアドバンテージ
2.2Lディーゼルターボ車は分厚いトルクを武器とするが、実は2.5Lターボ車も低回転域重視のダウンサイズ型ターボを搭載している。
どちらもキャラは近く、悠々ドライブを得意とする。
採点チェック
【川島茂夫】CX-5との走りの違いはわずか 上質の走りはしっかり楽しめる
一言で言えばCX-5のロングキャビン仕様であり、延長されたキャビンに3列シートを納めたモデルだ。サードシートの実用性はそれなりだが、プラス2席の有利さに加え、セカンドシートはキャプテンシート仕様も選べる。キャプテンシートの居心地を高めるだけでなく、室内のプレミアム感を1ランクアップさせてくれる。走行性能は多少落ち着いた雰囲気はあるもののCX-5と大きく変わらない。ロングドライブ重視ならば、ディーゼルターボがオススメだ。
【まるも亜希子】3列シートSUVとしてはかなり安価 多人数&積載性重視も得意中の得意
3列シートのSUVとしては、比較的安価で狙えるCX-8。看板のディーゼルターボ車は、多人数で乗るシーンや荷物をたくさん積むことが多いなら鉄板の選択。低速から力強いトルクが得られるのは頼もしく、燃費も抑えられる利点もある。またセカンドシートはベンチシート/キャプテンシートを選べるが、サードシートの使用頻度が高いならキャプテンシート、サードシートは緊急用ならば、2列目を多彩に使えるベンチシートがオススメだ。
【山本シンヤ】ガソリンターボ車も実は走り自慢 グレード選びが本当に難しい
2.2Lディーゼルターボ車と2.5L直噴ターボ車は、どちらも重量を感じさせない力強さとアクセルを踏んだ瞬間から期待以上のトルク特性を持ち、レッドゾーンまでシームレスな加速を実現している。実に悩ましい2車なのだ。フットワーク面も年々深化を遂げているシャシー&ボディとGベクタリングコントロールの相乗効果で、大柄なボディを感じさせない自然なハンドリングと落ち着きある乗り味は「SUVのGT」という言葉がしっくりくる。
カテゴリー 3位 パワートレーン&駆動方式 2.5Lターボ4WDモデル 155/180点
カテゴリー 4位 パワートレーン&駆動方式 2.2LDターボ+FFモデル 154/180点
いずれのパワートレーンも僅差の評価。その差は主に4WD性能を軸としたレジャー適正程度なので、どれを選んでもCX-8らしさは楽しむこができるだろう。
HONDA CR-V

ハイブリッド車が主力になるが ターボの4WD車も高い評価
ターボ車とハイブリッドは同条件のグレードで比べると50万円ほどの価格差があるが、ターボ車を上級仕様に変えたり、駆動方式を変更すると、一気に価格が近づいてくる。なかなか悩ましい価格設定だ。
カテゴリー5位 パワートレーン&駆動方式 1.5Lターボ+4WDモデル&1.5Lハイブリッド+FFモデル 147/180点

●CR-V(1.5Lターボモデル)グレードバリエーション
i-MMDハイブリッドは状況に合わせて駆動方式を変える柔軟な出力特性も強み。2Lエンジンは主に発電を担当するが、高速走行時には直結状態となり駆動源としての役割も持たされる。
ターボ車と同様にハイブリッド車にもホンダの最新制御技術が注入されている。電動からエンジン駆動への切り替えもスムーズで、アクセル操作の即応性もガソリン車感覚で問題なし。
チェックポイント 所有欲を大いに刺激する寛ぎのキャビン空間
マスターピースは、本革内装やサンルーフなどが標準となる上級仕様。
予算的には400万超えとなってしまうが、快適性やプレミアム性を求めるならアリな選択肢だ。
採点チェック
【川島茂夫】FF車でも魅力は楽しめるが がんばって4WD車も悪くないFF車でも魅力は楽しめるが がんばって4WD車も悪くない
CR-Vのハイブリッド車はシリーズ式。2モーター式のi-MMDハイブリッドは回転数制御が実に巧みであり、車格に見合った余力と同クラスではトップレベルの実用燃費を達成。3列シート仕様の選択はできないが、キャビンユーティリティもトップクラスである。ちなみに4WD車は400万円超クラスになってしまうが、FF車との価格差は約21万円と、がんばれば狙える範囲。アウトドアレジャーと長距離ツーリングを主目的なら4WD車という選択も。
【まるも亜希子】上質キャビンを追求するなら 400万超えの上級グレードもあり
ハイブリッド車は2列5人乗り仕様のみの設定となるが、バッテリーなど邪魔なものをうまく配置して、ガソリン車と同等の広々キャビンを実現。リヤシートの快適性は優秀だ。ラゲッジもハイブリッドとは思えない低さのフロア高で、荷物の積みやすさはもちろん、シートアレンジも優秀。価格は400万を超えてしまうが、上級グレードのレザーインテリアは、積極的に選びたくなるほど上質な造り。所有欲を大いに満たしてくれる。
【山本シンヤ】i-MMDの実力は折り紙つき 価格アップ以上の価値あり
CR-Vに搭載されるスポーツハイブリッドi-MMDは、ガソリン3Lクラス並みの力強さと応答性を持つホンダの上級ハイブリッドシステム。1.5Lターボ車に比べると価格は高くなるが、アップ分以上の価値はある。ハンドリングは奇をてらわずいい意味で普通の乗り味だが、しっとりとした重厚な足さばきのおかげもあって、車格が0.5クラスほどアップしたような動的質感を感じる。やや予算オーバーになるが、4WD車もオススメだ。
TOYOTA ハリアー

プレミアムSUV狙いなら まだまだ魅力十分
ハリアーは内装の装備&仕様の違いで100万円強の価格差が出てしまう、国産車として珍しいモデル。300~350万円でも狙えるが、あれこれ選べるのはこの価格帯からだ。NA&ターボ車なら上級グレードも狙うことができる。

最もリーズナブルに狙えるのは2L・NA車だが、スペック的に物足りない。231 PS/35.7kg・mを発揮するターボ車のエンジンは、クラウンなどにも採用されている最新ユニット。こちらを選ぶ方がキャラに
カテゴリー7位 パワートレーン&駆動方式 2Lターボ+4WDモデル 136/180点

●ハリアー (2L・NA、 2Lターボモデル) グレードバリエーション
採点チェック

【川島茂夫】ハリアーで走りを楽しむならば ターボモデルを選ぶべし
ハリアーはレクサスNXと姉妹車の関係にあるが、走りの質感は1ランク落ちる印象。だがそれをふまえても、NXに近い質感の走りを楽しめるのがターボモデルだ。ハリアーとしてはスポーティ設定となるが、ことさらのスポーティ感ではなく、ハリアーのスペシャリティなキャラと相性よくまとめている。実用性や安全&運転支援機能で同価格帯のライバルに秀でる部分は少ないが、オンロード志向のプレミアムSUVとしてはまだまだ魅力十分。
カテゴリーD 350万円~400万円クラス 採点結果

このクラスのSUV、私はこう評価する!
【川島茂夫】SUV本来の魅力を求めるなら 新型になったデリカD:5がベスト
デリカD:5が運転支援も充実した新型となり、ヘビーにアウトドアレジャーを楽しみたいユーザーならば、これを選ぶのが鉄板だろう。どうしても1BOX型SUVは……というならば、ハリアー、CR-V、CX-8の3モデルだが。ハリアーはプレミアム&スペシャリティ、CX-8はプレミアム感とユーティリティ、CR-Vは堅実な使い勝手と走行性能と、秀でる部分が異なっている。あえてSUVらしさを求めるならば、バランスの良さでCR-Vが多少リードだ。
このクラスは国産屈指の完成度を持つ4モデルの闘いとなったが、使い勝手とレジャー&アウトドア適正以外はCX-8が10点を独占。キャビン性能のみガソリングレードが10点なのは、やはりわずかだが静粛性がディーゼルより優れるため。そしてCR-Vが使い勝手で10点なのは、ラゲッジの積載性の良さ。7人乗車時でもしっかり荷物が入るほか、ハンズフリーによる自動開閉機能が使いやすいことも理由だ。アウトドア適正はやはり、デリカD:5が優秀。
【山本シンヤ】オフならデリカD:5 オンならCX-8を選べば間違いなし
300~350万クラスで登場したモデルの上級グレードが中心となるが、オススメは大幅改良が行なわれたデリカD:5だ。悪路走破性の高さは、ミニバンと言うよりもスライドドア付の3列シートSUVと言っていい。これに負けず劣らずな存在がCX-8で、ディーゼル/ガソリンターボの上級グレードは新時代の高級車と言ってもいいだろう。ハリアーは基本設計の古さがネックで、間もなく登場する新型RAV4ベースの新型に期待したい。CR-Vはこの価格帯ではパワートレーンと駆動方式の組み合わせが悩ましい。