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更新日:2019.01.09 / 掲載日:2019.01.09
SUBARUインプレッサ スポーツ/G4:乗り替え比較&ヒストリー図鑑

発表年月:2016年11月/最新改良:18年10月 ●価格:194万4000~261万3600円
代を重ねるごとに洗練さが向上
レオーネの後継モデルとして誕生、と述べれば「レガシィは?」となってしまうかもしれないが、レオーネが上級移行のレガシィと、コンパクト側にシフトしたインプレッサに分化したと見るべきだろう。初代インプレッサはコンパクトと1.8L級ミドルクラスをカバーするモデルとして1992年に登場。4WDに軽量とコンパクトサイズという利点を活かし世界ラリー選手権にも参戦。これがスポーツモデルとしての評判にも繋がり、2代目、3代目はそのコンセプトを受け継ぐ。4代目ではプレミアム&スポーティにシフト。そして5代目となる現行モデルではプレミアム性をさらに強化している。また、ターボ車をラインナップしない初モデルでもある。
現行モデルは優等生に大変身 尖ったイメージは明らかに控えめだ
卓越したシャシー性能と剛性を併せ持つSGPの採用も、現行モデルのトピックス。走行性能や乗り心地、静粛性が高まったことで、他社のライバル勢とも互角以上に戦える。
強力な安全運転支援機能を持つアイサイトの存在も、インプレッサを選ぶ大きな理由になるだろう。現行モデルは歩行者検知機能などにも対応するバージョン3を搭載。
キャビン周りの劇的な質感向上も現行モデルの強み。スバル車の内装は泣き所の一つでもあったが、現行インプレッセの登場により、その流れは大きく変わった。
高性能型ターボにスポーツ売りのキャラ、という図式は語りやすい。ところが3代目からは尖ったキャラが薄くなり、現行モデルではさらにウェルバランス志向にシフトしている。ただ、これは「正常進化」なのだ。正しくは「正常」方向に進化なのだが、マニア度が薄まって一般性が高まった。
一般的なユーザー向けに水平対向エンジンと4WDのメリットをどう訴求するかは難しい問題である。スペース効率や燃費など実用車として見た場合はデメリットも少なくない。走りの質感では有利だが、車格を超えるほどのアドバンテージもない。
ここで見逃せないのがアイサイトである。今やACCもLKAも珍しいものではなないが、普及の先駆けとして登場したアイサイトは安全&運転支援を飛躍的に向上させ、先進性と共に大きな安心感を生み出した。この大きな安心感の下支えとなっているのが4WDである。良コンディションの走行で4WDの必要性はあまりないが、雨天や降雪など荒天時の安定走行では大きなアドバンテージのひとつ。アイサイト同様に「万が一」の事態に対する備えなのだ。
普段はタウン&ツーリングでバランスのいい5ドア&セダンだが、アイサイトと4WDのコンビがもたらす安心感が、インプレッサに特別な価値を与えている。
歴代ミニアルバム
5ドアのスポーツワゴンのほか、セダンとクーペも存在していた。
初代:1992 買取相場:不明
高性能仕様のWRXモデルは、マニアから絶大な人気を集め、インプレッサの人気を確立した功労者となった。
初代:1992 買取相場:不明
丸型ライトの採用や、セダンの3ナンバーボディ化など、初代のイメージから大変貌。だが、そのフェイスは不評を集め、途中2回の変更が加えられた。
2代目:2000 下取り相場:10万円~
セダンは1年遅れの2008年に発売が開始。「アネシス」のサブネームが付けられ、フロントマスク意匠もハッチバックと差別化された。WRXモデルの設定もなし。
3代目:2007 買取相場:20万円~
デビュー直後は、スポーツワゴンの代わりとなるハッチバックのみの設定。ボディ幅も3ナンバー化されるなど、北米を中心とした世界市場を強く意識したモデル。
3代目:2007 買取相場:20万円~
北米市場での好セールスを受けて登場。ハッチバック車は「スポーツ」、セダン車は「G4」のサブネームが与えられた。WRXは別モデル扱いになったため、NAエンジン車のみの設定。
4代目:2011 買取相場:20万円~
スバルの新世代プラットフォーム「SGP」を採用した第一号車として誕生。さらにボディサイズが拡大され、内装まわりの質感も向上している。
5代目:2016 買取相場:100万円~
インプレッサ由来のSUVモデルも人気
スバルXVもインプレッサから発展してきたSUV。2012年に発売が開始された2代目XV以降は単独モデルとして、インプレッサに引けをとらない人気を集めている。
スバルXV
1997年に発売されたフォレスターは、プラットフォームを共有する、初代インプレッサの流れを汲むSUV。歴代モデルはいずれもインプレッサと密接な関係を持つ。
フォレスター
比較検討「先代から乗り替える価値アリ?」
【現行】エンジンは1.6L&2Lを設定。先代と同様のFB型だが、約9割が新設計されたという直噴ユニットに変更済み。
ミッションは従来のリニアトロニックをベースに改良が加えられた最新仕様。
【先代】先代には、1.6Lと2Lの水平対向ユニットを搭載する純ガソリン車に加えて、モーターアシスト式のハイブリッド車も用意。
多彩なパワートレーンを選ぶことが可能だった。
ホットグレードを求めないなら 買い替える価値は大いにある
アイサイト+4WDという図式は共通しているが、アイサイトのバージョンアップやパワートレーンの改良、新世代プラットフォームの採用など、劇的とは言えないまでも全般的な向上が施されている。当然、安心感もツーリング時の快適性も高まり、買い替えも前向きに検討すべき。ただし、スポーツ性にこだわるユーザー、とくにターボ車に乗っているなら話は別。相当する代替仕様がないので、レヴォーグやWRXを検討すべきである。
結論「乗り替える価値あり!!」

【CHECK】内装の質感は 大きく向上している
先代と比べ、現行モデルは全方位に進化を感じるが、中でもキャビン周りの質感向上は大きい。新型の洗練された室内空間を求めて買い替えを決断しても、後悔することはないだろう。