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更新日:2018.11.30 / 掲載日:2018.11.30
最新SUVこれがおすすめ!【ジャンル1】スペシャリティクロスオーバー

現代的なクロスオーバーSUVは、いわば普段づかいのスペシャリティカー。タウンユース専用でも選ぶ価値がある。
「使えるクーペ」的なポジションで一般化
最近のSUVの志向を表しているタイプにC‐HRやジュークといったスペシャリティ型がある。悪路踏破性へも、ワゴンとしての使い勝手へもこだわりがなく、使い勝手はSUVらしくない。ただ、クーペ並みに強烈な個性を持ち、代替車とすれば実用性も高い。この2車ほど極端ではないが、既存のジャンルとの代替を狙ったSUVは現在のトレンドのひとつ。
また、タウンユース適性も見逃せない。大きく重くなりやすいSUVは乗用車カテゴリーでは相対的にタウンユースとの相性がよくない。高いアイポイントと広い車両周辺死角もあって、タウンユーズでは2BOX/ワゴン系よりもサイズに神経質。日常用途にも使いやすいモデルも対象とした。
TOYOTA ハリアー

●価格帯:294万9480~498万4200円
2017年6月8日 一部改良/グレード追加
●2L直噴ターボエンジンを新採用
●衝突回避支援等の先進装備を充実
【パワートレーン】
・2L直4(FF/4WD) ・2L直4ターボ(FF/4WD) ・2.5L直4ハイブリッド(4WD)
【CLOSE UP!】ターボ車は走りにも車格感があり、高速ツーリングも快適だ

2LNA車は151PS/19.7kg・mでやや力不足。ハイブリッド車は152PS/21.0kg・m+モーター(143PS/27.5kg・m)で高性能だが高価。2Lターボ(写真)が好バランスだ。
悪路対応よりも高級感が本分。ターボ車がベストバランスだ
上級ワゴンの走りに悪路踏破性を加えた乗用車型設計のSUVの先駆として誕生。そのコンセプトは現在まで継承されている。つまり、コンセプト面ではレジャー&ツーリング系のモデルである。
特徴はスペシャリティなイメージにこだわった外観と寸法設定だ。ウェッジを強調したフロントマスクはアプローチアングルに影響するオーバーハングを長くしてしまう。最低地上高も最大となる2L車は190mmだが、ハイブリッド車は175mm、ターボ車は160mmである。ターボ車を除けばハードな悪路以外は対応できるが、踏破性を優先した設計とは言い難い。また、2L車は動力性能面で車格相応とは言い難く、雰囲気を楽しむツーリング志向のSUVと考えるのが妥当。
高級な演出が施された内装は上級ワゴン代替としてコスパに優れる。上級ワゴンが設定されない現在のトヨタラインナップではワゴンを補完する意味合いも大きい。
スペシャリティとプレミアムの魅力の中心となる内外装や装備設定に対するパワートレーンの影響は少なく、雰囲気優先では2L車が魅力的だ。ただ、走りにも車格感を求めるなら上位設定。ハイブリッド車が動力性能と燃費ではクラス最高水準にあるが、高速ツーリングを主体にコスパを求めるならターボ車のまとまりがいい。グレードはプレミアム感の要点のひとつとなるライン装着ナビ前提では最上級のプログレスが狙い目だ。
【おすすめグレード】プログレス(ターボ・4WD)

■主要諸元(プログレス・ターボ・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4725×1835×1690 ●ホイールベース(mm):2660 ●車両重量(kg):1730 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1998cc直4直噴ターボ(231PS/35.7kg・m) ●トランスミッション:6速AT ●JC08モード燃費(km/L):12.8 ●燃料タンク(L):60(プレミアム) ●最小回転半径(m):5.6 ●タイヤサイズ:235/55R18
●価格:405万円
TOYOTA C-HR

●価格帯:229万~292万9000円
2017年5月7日 一部改良
●1.2Lターボ車にFF車を追加
●LED大型ヘッドランプを標準装備
【パワートレーン】
・1.2L直4ターボ(FF/4WD) ・1.8L直4ハイブリッド(FF)
【CLOSE UP!】悪路踏破性なら他車がある。C-HRはやはりデザインありきだ

このスタイルが最大のアピールポイント。大径タイヤやホイールアーチ&ボディ下部にSUVテイストを盛り込むが、それとて機能よりもデザインアイテムとしての印象が強い。
“現代版セリカ”的パーソナルカーとしてFFのハイブリッド車を推す
4WD車でも最低地上高は155mm、FF車は140mmでしかない。ちなみにプラットフォーム面では姉妹車に当たるカローラ スポーツのFF車は135mm。FF車対比では+5mm、4WD車では+20mmが最低地上高におけるSUVアドバンテージ。もちろん、最低地上高以外にも下打ちしにくいバンパー下部の造形など踏破性で有利な要素はあるが、悪路踏破性は一般車プラスα程度。そういったコンセプトのせいか売り物のハイブリッド車はFFのみの設定だ。
しかし、高全高のSUVパッケージングを活かした切れのいいスタイルはクーペとは違った近未来的なスペシャリティを作り出している。現代版セリカと理解してもいい。また、このデザインにして実用的な後席と荷室を備えるのも魅力。後席の視界や乗降性、荷室の積み降ろし性に多少の難点もあるが、スペシャリティカーとすればかなり実用的。2名乗車を基本とするユーザーにはタウン&レジャーで使いやすいモデルである。
せっかくのSUVなので悪路踏破性あるいは雪路性能も、というユーザーは必然的に4WDが設定されるターボ車になってしまうが、「使えるパーソナルカー」としてスペシャリティな味わいを求めるならFF車。それもエコプレミアムも上乗せされるハイブリッド車が狙い目。ハイブリッド車はプリウスに近い実燃費を示し、距離を伸ばすユーザーには燃費面のメリットもかなり大きい。
【おすすめグレード】G(ハイブリッド)

■主要諸元(G)
●全長×全幅×全高(mm):4360×1795×1550 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1440 ●駆動方式:FF ●パワートレーン:1797cc直4(98PS/14.5kg・m)+モーター(72PS/16.6kg・m) ●トランスミッション:電気式無段 ●JC08モード燃費(km/L):30.2 ●燃料タンク(L):43(レギュラー) ●最小回転半径(m):5.2 ●タイヤサイズ:225/50R18
●価格:292万9200円
HONDA ヴェゼル

●価格帯:207万5000~292万6000円
2018年2月16日 一部改良
●ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」のチューニング
●Honda SENSINGを標準装備
【パワートレーン】・1.5L直4(FF/4WD) ・1.5L直4ハイブリッド(FF/4WD)
【CLOSE UP!】コンパクトSUVとして十分なキャビン実用性を備える

コンパクトSUVとしてスペシャリティ感の高いキャラクター設定ながら、キャビンの快適性も備えている。特にこのクラスでは不満の出やすい後席のゆとりも十分に確保されている。
ファミリーユースに対応する高いキャビン実用性が魅力
クーペ的なサイドウインドウ形状やルーフラインを見ても分かるようにスペシャリティ感を前面に打ち出したコンパクトSUV。しかしフィットやフリードと共通したハードウェアを採用することで、クラス平均を超える実用的なキャビンを実現しているのが長所。ファミリーユースでのゆとりはフィット以上であり、キャビン実用性ではフィットとフリードの中間に位置する。
4WD車の最低地上高は170mmであり、4WDシステムも悪路やぬかるみより雪道と経済性を重視した設計だが、クロスオーバー系では悪路対応も標準的である。
走行性能で気になるのは動力性能だ。1.5Lの単一排気量構成で標準とハイブリッドを展開。動力性能でもハイブリッドが上位設定だが、電動アシストがあっても高速や登坂時は余力はほどほど。フットワークも含めてタウンユースを軸脚に不足ない程度の高速性能といった印象が強い。
タウンユース主体なら標準1.5L車でいいが、遠出も考えるなら燃費だけでなく動力性能面からもハイブリッド車を勧めたい。浅いアクセル開度での加速反応のよさ、DCTがもたらす小気味よい変速感と巡航回転数の安定はドライブフィールのゆとりと高い質感をもたらしている。全車にACCとLKAを含むホンダセンシングを採用しているのでベーシック仕様でもいいが、ナビ等の装備の拡張性からX以上が狙い目である。
【おすすめグレード】ハイブリッドX(4WD)

■主要諸元(ハイブリッドX・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4330×1770×1605 ●ホイールベース(mm):2610 ●車両重量(kg):1370 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1496cc直4(132PS/15.9kg・m)+モーター(22kW/160N・m) ●トランスミッション:7速AT ●JC08モード燃費(km/L):23.2 ●燃料タンク(L):40(レギュラー) ●最小回転半径(m):5.3 ●タイヤサイズ:215/60R16
●価格:275万5000円
VOLVO XC40

●価格帯:389万~559万円
2018年3月28日 ニューモデル
●未改良
【パワートレーン】・2L直4ターボ 192PS(FF/4WD) ・2L直4ターボ 252PS(4WD)
コンパクトSUVに求められる要素を高水準でまとめ上げた優等生
ボルボSUVラインナップのエントリーに位置するモデルであり、全幅こそ1875mmもあるものの、4.4m強の全長のサイズ設定は街乗りにも不便がない。また、コンパクトサイズながら後席居住性や荷室容量も十分に確保され、キャビン実用性ではプレミアムコンパクトと同等以上である。最低地上高は同ジャンルでは最大となる210mm。乗用車型シャシーを用いるSUVでもかなり悪路を意識した設計だ。キャビン実用性も悪路走破性もボルボらしい真面目さだ。
上位のXC60/90と異なるデザインキャラを与えられているのも同車の特徴である。価格やサイズはエントリーとしての位置付けだが、外観や内装を思い切ってヤング&カジュアル路線として、XC60/90と世代間ギャップにも似た個性を演出している。
高速や山道でのどっしりとした安定感と低回転から力強いトルク。快適な長距離ドライブを過ごすに良質な走りも魅力。ACCとLKAの制御も機能的であり、運転支援機能もトップクラスだ。
2Lターボで2タイプのエンジンが用意されるが、一般的な用途では標準となるT4でも十二分。4グレード展開で上位2グレードは4WDのみ、ベーシック仕様はFFのみの設定。ベーシック仕様でもいいのだが、フットワークは4WD車の方が据わりがよく、FFとの価格差を考えてもモメンタムの4WD仕様がウェルバランス。
【おすすめグレード】T4 AWDモメンタム
■主要諸元(T4 AWDモメンタム)
●全長×全幅×全高(mm):4425×1875×1660 ●ホイールベース(mm):2700 ●車両重量(kg):1670 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1968cc直4ターボ(190PS/30.6kg・m) ●トランスミッション:8速AT ●JC08モード燃費(km/L):13.2 ●燃料タンク(L):53(プレミアム) ●最小回転半径(m):5.7 ●タイヤサイズ:235/55R18
●価格:459万円
VOLKSWAGEN ティグアン

●価格帯:363万6000~524万円
2018年8月29日 グレード追加
●2Lディーゼルエンジンを搭載する4WDモデルを追加
【パワートレーン】・1.4L直4ターボ(FF) ・2L直4ディーゼルターボ(4WD)
4WDディーゼルモデルはSUVカテゴリーで希少性高し
SUV界のゴルフとも言えるモデル。ウェルバランスでレベルアップを図っているのが見所だ。ただし、ウェルバランスはタウン&レジャー向けという意味。未舗装路や雪道を苦労なく走破できて、タウン&ツーリングで扱いやすく安心、経済性も良好ということ。
高重心ながら超高速域の安定性を重視して設定したためか硬いサスチューンを採用しているが、運転感覚や走行性能はゴルフによく似ている。低回転域でトルクたっぷりのターボやDCTがそう感じさせるのだ。また、1.4Lターボのガソリン仕様と2Lターボのディーゼルが設定され、国産車に少ないディーゼルSUVは性能も含めてティグアンの重要なアピールポイントだ。
内外装のデザインテイストやキャビン実用性についてもゴルフ的。レジャー用途向けの特別な機能や工夫こそ控えめだが、慣れ親しんだ機能でまとまっているのでSUV初心者にも馴染みやすい。
車種展開はガソリンのFF車とディーゼル4WD車で、それぞれ装備設定により3グレード設定されている。予算に余裕があるならアウトドアレジャー向けにはディーゼル車が狙い。最上級のRラインはスポーティ仕様であり、現実的には装備違いのコンフォートラインとハイラインが悩み所。全車速型ACCは全車標準だが、LKA等がコンフォートラインはOP設定。安全フル装備でまとめるならハイラインを勧めたい。
【おすすめグレード】TDI 4モーション ハイライン
■主要諸元(TDI 4モーション ハイライン)
●全長×全幅×全高(mm):4500×1840×1675●ホイールベース(mm):2675 ●車両重量(kg):1730 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1968cc直4ディーゼルターボ(150PS/34.7kg・m) ●トランスミッション:7速AT ●JC08モード燃費(km/L):17.2 ●燃料タンク(L):63(軽油) ●最小回転半径(m):5.4 ●タイヤサイズ:235/55R18
●価格:494万円
MITSUBISHI エクリプス クロス

●価格帯:253万2600~309万5280円
2018年3月1日 ニューモデル
●未改良
【パワートレーン】・1.5L直4ターボ(FF/4WD)
【CLOSE UP!】オンロードもラフロードも巧みにこなすS-AWC

車両運動統合制御システム、S-AWC。アクティブヨーコントロール、アクティブスタビリティコントロールの機能も持ち、あらゆる路面状況で力を発揮してくれるシステムだ。
スペシャリティさを味わえつつもタウン&レジャーの実用性も高い
エクリプス系の車名から分かるようにスペシャリティ&スポーティが主要キャラとするが、従来のミツビシSUVラインナップとは別系統とするほどではなく、アウトランダーやRVRの流れを汲んだスペシャリティと考えるのが妥当であり、それがエクリプス クロスに独自性を与えている。
興味深いのはスペシャリティを主キャラにしながら、コンパクトカーとしての実用性とバランスを取っていることだ。ルーフラインやサイドウインドウグラフィックを見ても分かるように後席は視角的な要素も含めて居心地を配慮した設計。4名乗車のレジャーワゴン用途には余裕がないが、2名乗車を基準としたタウン&レジャーには十分な実用性を備える。
パワートレーンは全車とも1.5LターボとCVTを採用。実用域のトルク重視のダウンサイジングターボだが、高回転の伸びやステップ感のある変速制御によりスポーティドライビングも楽しめる。
最低地上高はSUVではやや低めの175mm。ハードなオフロード走行向けではないが、車両運動統合制御システムのS-AWCの効果もあってオン&ラフロードを巧みに両立する。
ラフロード走行の機会が少ないユーザーはFF車でもいいが、オンロードでもメリットがあるS-AWCを考えるなら、予算が許せば4WD車を勧めたい。装備設定では3グレード用意。BSWとRCTAはOPになるが、ACCが標準装着されるGをベースに各装備の要不要を図るのが基本だ。
【おすすめグレード】G(4WD)

■主要諸元(G・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4405×1805×1685 ●ホイールベース(mm):2670 ●車両重量(kg):1550 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1498cc直4直噴ターボ(150PS/24.5kg・m) ●トランスミッション:CVT ●JC08モード燃費(km/L):14.0 ●燃料タンク(L):60(レギュラー) ●最小回転半径(m):5.4 ●タイヤサイズ:225/55R18
●価格:292万2480円
SUBARU XV

●価格帯:213万8400~282万9600円
2018年10月19日 一部改良
●e-BOXER搭載グレード追加
●後退時自動ブレーキ標準化(一部除く)、サイドビューモニター機能追加
【パワートレーン】1.6L水平対向4(4WD) ・2.0L水平対向4(4WD) ・2.0L水平対向4ハイブリッド(4WD)
レジャーだけでなく走りの面から「ツーリング」適性も高いのだ
外観を見ても分かるようにインプレッサスポーツをSUVに発展させたモデルである。SUVらしいドレスアップが採用されているが、基本ボディシェルはインプレッサと共用だ。走行ハードもインプレッサをベースとするが、サス周りは取り付け位置やアーム設計も含めてXV専用に設計変更が加えられ、このカテゴリーではトップレベルの200mmの最低地上高を得ている。しかも、拡大した最低地上高によるオンロードでのフットワークのデメリットは皆無。むしろ、滑らかなロール感などインプレッサよりもしなやかさが増している。
SUVでは低い1550mm(ルーフレールなし)の全高設定のため、アイポイントも同カテゴリーでは低い。見晴らしや開放感で高全高車の醍醐味を求めると中途半端な印象も強いが、2BOX/ワゴンから違和感なく乗り換えられるのが長所。走りの面からツーリング&レジャーを求めるならとてもいいバランスでまとまっている。
パワートレーンは1.6Lと2.0LのCVTを標準とし、上位設定として2.0Lをベースにしたパラレル式ハイブリッドのe-BOXERを用意。電動アシストを巧みに用いるハイブリッド車は魅力的だが、費用対効果では2.0L車がベストバランス。1.6L車でも不足はないが、高速や山岳路主体の用途では余力に乏しい。2.0L車には2グレード設定。「S」はスポーティ仕様であり、利便快適装備中心で選ぶなら「L」が買い得だ。
【おすすめグレード】2.0i-L アイサイト(4WD)
■主要諸元(2.0i-L アイサイト・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4465×1800×1550 ●ホイールベース(mm):2670 ●車両重量(kg):1420 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1995cc水平4直噴(154PS/20.0kg・m) ●トランスミッション:CVT ●JC08モード燃費(km/L):16.4 ●燃料タンク(L):63(レギュラー) ●最小回転半径(m):5.4 ●タイヤサイズ:225/60R17
●価格:250万5600円
LEXUS NX

●価格帯:441万1000~597万1000円
2018年8月23日 一部改良
●ITSコネクトをオプション設定
●D-Call Netに対応
●セキュリティ強化
【パワートレーン】・2.0L直4ターボ(FF/4WD) ・2.5L直4ハイブリッド(FF/4WD)
乗り心地や静粛性などプレミアムを味わえる仕上がり
基本となる車体骨格やサスペンションはハリアーと共用。ハードウェア面では姉妹車と言ってもいいが、レクサス専用の設計変更が両車の走りの質感の差となっている。
同パワートレーン車で比較するとハリアーよりおよそ50kg重くなっているが、これはフレーム剛性や静粛性向上に費やされた重量と考えていい。フットワークでは細かな揺れ返しの抑制、静粛性では騒音量と音質の改善が要点。乗り心地とハンドリングはしっとりした収まり、静粛性では厚みを感じさせる音質で、プレミアムの車格感を演出している。
ハリアー同様に上級ワゴン相当のキャビン実用性を備えるが、内装はレクサス品質の素材感や成型と組み付けの精度感で仕上げられている。スポーティ&カジュアルの雰囲気と共にプレミアムSUVの雰囲気も上々だ。
パワートレーンは2.0Lダウンサイジングターボと2.5Lハイブリッドを用意。ともにFFと4WDが設定されるが、ハイブリッド車は後輪にも独立した電動駆動を採用する。なお、ハイブリッド車のFF仕様はハリアーには設定されていない。
標準グレードから高機能ナビなどの充実した装備が標準装着され、先進安全&運転支援装備もヘッドランプ機能関連は共通設定。さらなる贅やスポーツ性を求めなければ標準グレードで十分。パワートレーンはターボ車でもプレミアムを感じられるが、贅を求めるならハイブリッドの4WD車だ。
【おすすめグレード】NX300h(4WD)
■主要諸元( NX300h・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4640×1845×1645 ●ホイールベース(mm):2660 ●車両重量(kg):1820 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:2493cc直4(152PS/21.0kg・m)+モーター(前:105kW/270N・m、後:50kW/139N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●JC08モード燃費(km/L):19.8 ●燃料タンク(L):56(レギュラー) ●最小回転半径(m):5.4 ●タイヤサイズ:225/65R17
●価格:531万1000円
SUZUKI ハスラー

●価格帯:110万520~180万4680円
2017年12月7日 一部改良
●ターボ車にもS-エネチャージを搭載
●衝突被害軽減装備を一部に標準装備、全方位モニターをOP設定
【パワートレーン】・660cc直3(FF/4WD) ・660cc直3ハイブリッド(FF/4WD) ・660cc直3ターボハイブリッド(FF/4WD)
SUVらしさが楽しい外観とワゴンR的なユーティリティを両立
同社の看板車種でもあるジムニーと対極なのがハスラー。ハードなオフロード性能は求めずにダート路や雪路を安心に走れるくらいとし、キャビン実用性とともにタウン&レジャー用途適性の向上を図っているのが大きな特徴である。
4WD車の最低地上高はクロスオーバー系では標準的な175mmを確保。降坂速度制御やLSD同様の効果を発揮するグリップコントロールを備えて悪路走破性を向上させているが、4WDシステムはFFをベースとしたビスカスカップリング方式であり、大きな段差の乗り越えなどのオフロード走行には不適当である。
先代ワゴンRをベースとしているため、SUVらしい外観ながらスペースユーティリティに優れ、ハイト系ミニと同等の居住スペースや積載機能を備えている。つまり、タウンカーとしても使いやすく、軽乗用ではレジャー用途に適したキャビンである。
パワートレーンはベーシックの「A」以外はISGにより回生/電動アシストを行うマイルドハイブリッドのSエネチャージを採用。Sエネチャージ車にはNAとターボが設定される。長距離用途には厳しいもののレジャー等の多様な使い方を前提とするなら高速での余力からターボは必須。最上級のJ系は全方位モニター等の便利装備の選択も可能だが、安全装備や快適装備はG系と大差なく、機能面のコスパを優先するならGターボがウェルバランスである。
【おすすめグレード】Gターボ(4WD)
■主要諸元(Gターボ・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1665 ●ホイールベース(mm):2425 ●車両重量(kg):860 ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:658cc直3ターボ(64PS/9.7kg・m)+モーター(2.2PS/4.1kg・m) ●トランスミッション:CVT ●JC08モード燃費(km/L):26.2 ●燃料タンク(L):27(レギュラー) ●最小回転半径(m):4.6 ●タイヤサイズ:165/60R15
●価格:148万6080円
NISSAN ジューク

●価格帯:197万5320~346万8960円
2018年8月29日 グレード追加
●「15RX Vセレクション スタイル ニスモ」を追加
【パワートレーン】・1.5L直4(FF) ・1.6L直4ターボ(FF/4WD)
前席優先で雰囲気を追求したスポーツカー的SUV

登場時に「現代版サニークーペ」と評したが、高全高とショートオーバーハング以外はおよそSUVらしくないモデルである。最低地上高こそ170mmを確保しているが、4WDはターボ搭載のスポーツグレードのみ。主力となる1.5L車はFF車のみの構成で、ハードサスチューンの跳ねるようなフットワークが特徴。ホットハッチ的な走りである。
レッグスペースもヘッドルームも成人男性には余裕はなく、荷室もスモール2BOX相応。インテリアデザインも前席優先のスポーツカーテイストが特徴である。走りも内外装もスペシャリティ志向が極めて強く、その雰囲気こそ最大の魅力。利便装備を装着した特別仕様が雰囲気に対する買い得感が高い。
【おすすめグレード】15RX Vセレクション
●価格:204万2280円
SUZUKI クロスビー

●価格帯:176万5800~214万5960円
2017年12月25日 ニューモデル
●未改良
【パワートレーン】・1L直3ターボハイブリッド(FF/4WD)
ハスラーと同様の個性派ハイト系。実用性はMXで十分

コンセプトはハスラーと同じで、ハードウェアの成り立ちも似ている。イグニスとソリオをベースとして開発され、広いキャビンスペースと柔軟な使い方を可能とする機能などをハイト系から引き継いでいる。
4WDはビスカスカップリング方式だが電子制御LSDや降坂速度制御機構を採用。180mmの最低地上高や短いオーバーハングにより悪路踏破性を向上させている。また、パワートレーンにはSエネチャージから発展したマイルドハイブリッド仕様の1Lターボ/6速ATを採用。
ACCは設定されないが同車格では安全装備も充実。MZとMXの2グレード構成で、MZは内外装の高級感アップが特徴だ。実用重視で選ぶならMXで十分だろう。
【おすすめグレード】ハイブリッドMX(4WD)
●価格:190万8360円
提供元:月刊自家用車