車種別・最新情報
更新日:2019.06.10 / 掲載日:2018.11.02

UX登場間近!LEXUS3大SUV、NX・LX・RXの人気の秘密に迫る

SUV人気のおかげもあって、メーカー各社から続々と新モデルが誕生しているが、その中でも異彩を放っているのが、レクサスのSUVたちだ。いずれもプレミアムモデルゆえに販売台数こそライバル勢には及ばないが、その存在感はまったく引けをとらない。ここではレクサスのエースとして成長を遂げた3台のプレミアムSUVの魅力に迫ってみたい。
●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

いずれも侮りがたい実力車達!

icon LEXUS RX

以前はトヨタ・ハリアーと兄弟関係にあったが、2015年デビューの現行型はその路線と完全に決別。余力十分のパワートレーンと高質感のキャビン空間を武器に、国産車屈指のプレミアムモデルとして高い人気を集めている。

icon LEXUS LX

日本導入は2015年。トヨタ・ランドクルーザー(200系)と密接な関係を持つが、パワートレーンは5.7L・V8と1ランク上のユニットを搭載。本格オフローダーの系譜に連なりつつも、レクサスらしい魅力にも満ちた最上級SUVだ。

icon LEXUS NX

ちょうど良いボディサイズと上質なキャビン、刺激的な走りを武器に2014年に登場したコンパクトクロスオーバー。その完成度は極めて高く、レクサスの快進撃を力強く支える存在だ。その人気はしばらくは安泰だろう。

SUVの積極的展開がレクサス躍進の原動力

 1989年にトヨタのプレミアムブランドとして発足した「レクサス」。日本では2005年から展開をスタート。当初は「高級なトヨタ車」と言われ苦戦を強いられたが、ハード/ソフトの充実に合わせて認知度や評価も上がり、2018年3月時点で累計販売台数50万台を達成している。

 これまでレクサスの販売台数をけん引してきたエースは、ブランド発足当初からラインナップされているセダンの「ES」だったが、最近はその勢力図が変わりつつある。現在、レクサス販売のトップ2は「RX」と「NX」と言ったクロスオーバーSUVだ。更に間もなく登場予定の末っ子「UX」、そしてセダンのLSと並ぶ、クロスオーバーSUVのフラッグシップも開発中と言う噂もある。

 昨今、世界的にクロスオーバーSUVがブームだが、その中でもプレミアムクロスオーバーSUV市場が盛り上がっている。これまでこのカテゴリーの全く興味を持たなかったプレミアムブランドも積極的に参入を行なう時代だが、実はカテゴリーの開拓者はレクサスである事をご存じだろうか?

 今回はそんなレクサスのクロスオーバーSUVモデルたちの人気の秘密を探ってみたいと思う。

【エクステリア比較】“レクサス”でありながらも、各車異なるテイストを注入

 RX/NXはエッジの効いたスポーティなエクステリアデザインは共通イメージながらも、RXは伸びやかなエレガントさ、NXは凝縮感のある力強さが重視されており、決して「小さな●●」、「大きな●●」ではなく、各々のキャラクターがハッキリしている。LXはフレーム構造のランクル200系がベースなのでプロポーションはRX/NXとは別格だが、ディテールは上手にデザインされており、一目でレクサスファミリーである事は分かるだろう。

icon LEXUS RX

  • 2017年に投入された3列シートのRX450hLは、ホイールベースを延長することなく、リヤセクションを拡大することでキャビン空間を拡大。

  • そのためリヤビューが重たく感じる印象も。

人気の3列シート車はリヤまわりをストレッチ

 先に登場した弟分のNXとの共通性のあるスポーティさに加えて、レクサスクロスオーバーSUVのフラッグシップに見合うプレステージ性やクオリティの高さも備える。3列シート仕様はリヤ後半が専用デザインだが、プロポーションは2列シート仕様に対してややアンバランスだ。

全長:4890~5000mm
全幅:1895mm
全高:1710~1725mm
ホイールベース:2790mm

icon LEXUS NX

  • 全長こそ4640mmとクラス平均レベルだが、全幅は1845mmとやや幅広な印象。

  • 取材車はFスポーツのため、グリル&リヤまわりを中心に専用加飾が装着されている。

大胆にデザインされたフロントフェイスが見所

 エクステリアはISのイメージを引き継ぐクロスオーバーSUVのデザインと言われるだけあり、迫力のあるスピンドルグリルやヘッドランプ周り、大胆なキャラクターラインなどコンパクトなボディサイズながら存在感は十分にある。ボディサイズはアウディQ3やBMW X3(先代)などに近い。

全長:4640mm
全幅:1845mm
全高:1645mm
ホイールベース:2660mm

icon LEXUS LX

  • 本格オフローダーを感じさせる質実剛健のパッケージだが、随所にレクサスらしいテイストを盛り込むことで、ひと目でレクサスと分かるスタイルを構築。

  • まさに唯一無二の存在。

スピンドルグリルはレクサス最大の大きさ

 ベースとなるのがランクル200系なのでクロカンSUVらしいボクシーでオーソドックスなシルエットが特徴。そこにレクサスラインナップ中最大サイズのスピンドルグリルをはじめとする、最新のレクサス共通のデザインアイコンを随所に上手に盛り込むことで、LX独自の世界観を構築している。

全長:5080mm
全幅:1980mm
全高:1910mm
ホイールベース:2850mm

【キャビン&ラゲッジ比較】RXとLXは十分な広さだが、NXは明らかに前席最優先の設計

 いずれも豪華さ際立つキャビン空間を持つが、居住性の考え方は明らかに異なる。RXはファミリーユースも考慮したリヤシートの居住性がポイント。足元スペースの広さはもちろん、LS(先代)と同じ位置関係の背もたれ角度やヒールの関係にもこだわる。NXはパーソナルユースを重視、リヤシート/ラゲッジは必要十分なスペースは用意されるが、あくまでも前席優先。LXはフレーム式特有のフロアの高さによる独特な着座姿勢が気になるものの、サイズを活かした快適性は格別だ。

icon LEXUS RX

サードシートは頭上空間も足元もほとんどゆとりはなく、大人が乗るには窮屈な格好を強いられる。一応は備えているというのが実情で、割り切りが必要だ。

  • サードシート格納前のラゲッジはいかにも手狭だが、格納してしまえばクラストップレベルの広々ラゲッジが現れる。

  • 格納時の実用性はなかなか優秀だ。

サードシートは“おまけ”と割り切るべし

 ファミリーユースも考慮し、前後共に十分な居住性とラゲッジスペースを確保。特に後席はLS譲りの“座り心地”までこだわっている。ただし3列シート仕様のサードシートは、CX-8のように「大人が乗っても大丈夫」と言うスペースはない。

icon LEXUS NX

  • リヤシートは窮屈というほどではないが、足元スペースはもう少し欲しいというのが本音。

  • スポーティなキャラどおり、フロント優先のパッケージだ。

  • 上位2モデルほどの広さは無いが、ダイブ式のシートバック格納操作が電動であるのはレクサスらしいコダワリ。

  • 格納時の床面は完全にフラットになることもマル。

豪華キャビンはドライバーのための空間

 インパネ周りのデザイン処理やウインドウ面積が小さい事もあってコクピット感覚が強い。居住性は前後共に必要十分なスペースを確保しているものの、特等席はフロントである。リヤゲート開閉のみならずリヤシート格納まで電動式なのは、このクラスでは珍しい。

icon LEXUS LX

  • シートやトリムには贅沢な本革素材がふんだんに使われる。

  • 余裕あるスペースも含めて、フラッグシップにふさわしい風格が楽しめるだろう。

  • 通常時でも広々したラゲッジだが、リヤシートを格納すれば、クラス最大級の広さを活用できる。

  • ただし、シートは跳ね上げ式のため、洗練さは物足りない。

随所にレクサスらしさを注入、豪華さの演出に抜かりなし

 インテリアはランドクルーザー200系の面影は全く感じられない。ボディサイズが大きいので横方向の余裕はあるが、前後方向はそれほどではない。ただし、ラゲッジスペースは広大だ。3列仕様が標準だが、こちらもサードシートは緊急用と割り切ったほうが良い。

RXは屋台骨を支える絶対的エースとして君臨

 現在、日本のレクサスSUVラインナップは3車種が用意されるが、絶対的なエースは「RX」である。1998年に「高級セダン×SUV」のコンセプトを掲げて登場。当時、日本にはレクサスブランドは未導入だったため「ハリアー」として販売されていた。おじさん世代であれば「WILD but FORMAL」のキャッチコピーとタキシードを着たライオン男が登場するテレビCMが記憶にあると思うが、発売直後から世界的に爆発的な人気モデルとなり、プレミアムクロスオーバーSUVのお手本となった。

 2003年に2代目、2009年に3代目が登場。現行モデルは2015年に登場した4代目となるが、世代を重ねるにつれてレクサスの販売台数をけん引するモデルへと成長を遂げている。

 エクステリアはエッジを効かせたアグレッシブなデザイン、インテリアは新世代レクサス共通の水平基調のインパネを採用しドライバーズカーらしさを演出する。ホイールベースは先代比50mmアップによる後席の居住性向上もポイントだ。また、後席は広さだけでなく“座らせ方”にもこだわっており、背もたれの角度やヒールの関係はフラッグシップのLS(当時)と同じ位置関係になっているのだ。

 基本骨格は旧Kプラットフォームがベースだが、大きくバージョンアップが行なわれており、他のレクサスモデルと同じように、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤を用いた車体を採用する。Fスポーツも用意されるが、走りの味付けはラグジュアリー性や快適性を重視した内容だ。

 パワートレーンは、北米向けは3.5L・V6直噴(RX350)も用意されるが、日本仕様はこのエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド(RX450h)と、2.0L直4直噴ターボ(RX300)の2タイプ。ハイブリッドはフロントモーターとは独立したリヤモーターを持つ「E-Four」。旧世代のハイブリッドなのでラバーバンドフィールは多少残るが、V6との組み合わせで力強いと感じるパフォーマンスと滑らかさは他のモデルにはない魅力の一つだ。また、2018年には3列シートモデル仕様の「RX450hL」を追加した。

欧州SUVとは一線を画す独自戦略も成功の理由

 そんなRXの弟分になるのが、2014年に登場したNXだ。エクステリアはRXと共通イメージを持ちながらも、より攻めたデザインを採用。インテリアは大中小で金太郎飴のようなデザインが多い欧州プレミアムSUVに対して、決して“小さなRX”ではない独自のキャラクターを備える。
 コクピット感覚を強めたインパネ周りのデザインや小さなウインドウ面積、角度が寝かされたCピラーなど、ファミリーユースも担うRXに対して、NXはパーソナルユースを重視していることから特等席は前席。後席の居住性やラゲッジは必要十分レベルに留まる。
 基本骨格は3代目RAV4(日本未導入)やハリアーと同じ新MCプラットフォームを採用するが、レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤、ブレースなどによる専用ボディだ。走りの味付けはスポーティでSUVを感じさせない身のこなしの軽さやハンドリングの安定感も高いが、快適性はもう少し頑張って欲しい印象。

 パワートレーンは2.5L直4+モーターのハイブリッド(NX300h)と2L直4ターボ(NX300)の2タイプ。ハイブリッドはRX同様にフロントモーターとは独立したリヤモーターを持つ「E-Four」。キャラクター的には2Lターボだがパンチが足りないのが残念な所。総合性能はやはりハイブリッドだ。

 そして最後は「LX」だが、このモデルのみ別格な存在だ。NX/RXはモノコックボディを採用するクロスオーバーSUVなのに対して、LXはフレーム付きの本格クロスカンリーだ。その歴史は意外と古く、初代が登場したのが1996年。1998年に登場した2代目は日本では「ランドクルーザー・シグナス」として発売されたことでも有名だ。現行モデルとなる3代目は2007年に登場し2012年に大幅改良。日本には2015年から導入されている。絶対的な台数は少ないものの、安定したセールスを記録している。

 ベースはトヨタ・ランドクルーザーのフラッグシップである200系だ。メーカー的にはベース車両についてあまり語って欲しくないのが本音だと思うが、LX=ランドクルーザーは信頼の証である。ただし、単なるランドクルーザーの豪華版ではなくレクサスブランドにふさわしい内外装やメカニズムが与えられている。

 エクステリアはクロカンSUVらしいボクシーでオーソドックスなシルエットだが、レクサスラインアップ中最大サイズのスピンドルグリルを筆頭に最新のレクサス共通のデザインアイコンが随所に盛り込まれている。インテリアはランドクルーザーとは全く異なるデザインで、他のレクサスモデルと共通デザインのインパネを採用するが、オフロード用のダイヤル/スイッチも備わる。

 パワートレーンはガソリン車としては最大級の5.7L・V8+8速ATの組み合わせ。フットワークはフレーム構造に加えて、フロント/ダブルウィッシュボーン、リヤ/トレーリングリンク(車軸式)とクロカンSUVではオーソドックスな形式だが、走行状況やドライブモードスイッチに連動して車高や減衰力の自動切り替えが可能。ゆったり系の乗り味ではあるが決して“大味”ではなく、緩さの中に精緻さが備えられている。見た目に似合わずスポーティに走らせる事も可能だ。

【走り比較】3車3様、走りにも独自の個性が宿る

 RXにもFスポーツも用意されるが、どちらかと言えばワインディングよりも高速道路をクルージングして走らせるのがマッチしている。逆にNXはワインディングも許容する軽い身のこなしと安定感の高いスポーティなハンドリングを備えるが、その一方で快適性はそれなり……。LXはモノコックボディのRX/NXと比べるとフレーム式特有の緩さはあるが、剛と柔のバランスの良さや低重心設計なども相まって、実は見た目以上にスポーティに走らせることも可能である。

icon LEXUS RX

2L直4ターボ車も設定されているが、RXのキャラには上級仕様のハイブリッドが似合う。V6とモーターの相性も抜群。アクセルに対しての応答性の良さは格別だ。

■主要諸元(RX450hL)
●全長×全幅×全高:5000×1895×1725mm
●ホイールベース:2790mm
●車両重量:2240kg
●パワートレーン:3456cc V6DOHC(262PS/34.2kg・m)+ツインモーター(フロント:123kW/335N・m、リヤ:50kW/139N・m)
●JC08モード燃費:17.8km/L
●燃料タンク容量:65L[プレミアム]
●最小回転半径:5.9m
●最低地上高:200mm

日常域でのバランスの良さはレクサス・トップクラス

 骨格やレイアウトは先代から踏襲されたが、ボディ剛性アップやサスペンションなどは大きくアップデート。標準車系はハンドリングと快適性のバランスの良さ、Fスポーツはフラットで安定した走りが魅力。総合力は極めて高い。オススメはやはり3.5L・V6+モーターのハイブリッド車。力強さと滑らかさが圧倒的だ。

icon LEXUS LX

5.7L・V8DOHCが生み出すパワースペックを乗りこなすには、ある程度の慣れも必要だが、乗りこなした時の爽快感は格別。ビックボディを意識させない走りの質感も魅力十分。

■主要諸元(LX570 5人乗り)
●全長×全幅×全高:5080×1980×1910mm
●ホイールベース():2850mm
●車両重量:2680kg
●パワートレーン:5662cc V8DOHC(377PS/54.5kg・m)
●JC08モード燃費:6.5km/L
●燃料タンク容量:93L[プレミアム]
●最小回転半径:5.9m
●最低地上高:225mm

走りもなかなか楽しい見た目以上に器用さを持つ

 V8が生み出す圧倒的なパワースペックとビックボディは持て余すこともあるが、前後左右の見切りの良さや、サイズの割に良好な最小回転半径(5.9m)など、取り回し性能は意外に良い。ハンドリングはゆったり系だがクルマの動きは素直。ドライブモードセレクトでクルマの性格を変えて楽しむことも可能だ。

icon LEXUS NX

  • NXのキャラからすると、高回転まで素直に伸びる2Lターボ車を選びたくなる。

  • 低中速域の扱いやすさ、洗練さはハイブリッド車には及ばない。

■主要諸元(NX300″F SPORT”2WD)
●全長×全幅×全高:4640×1845×1645mm
●ホイールベース:2660mm
●車両重量:1570kg
●パワートレーン:1998cc 直4DOHCターボ(238PS/35.7kg・m)
●JC08モード燃費:13.0km/L
●燃料タンク容量:60L[プレミアム]
●最小回転半径:5.6m
●最低地上高:165mm

特筆モノのハンドリング性能が魅力

 ハリアーと同じ新MCプラットフォームだが実際はほぼ専用設計。ハンドリングの素直さや正確性はSUVを感じさせない仕上がりだが、快適性はやや硬め。パワートレーンはハイブリッドのほうがトータル性能に優れる。2Lターボも悪くないがちょっと優等生すぎか。

いずれのモデルも装備は充実

RXとLXには純正リヤモニターがOP設定で用意されるなど、豪華さの演出が違いになってくる。またレクサス共通のリモートタッチパッドコントロールは、世代が新しいモデルほど洗練されている。

 NXでも400万円を超えるプレミアムモデルゆえに、たとえ標準仕様車であっても先進安全装備や実用装備は充実している。大きな差が出るのはキャビン素材やカーAVなどの内装仕様に関する部分で、ここはモデルの車格や上級グレードになるほど、贅沢な内容が与えられている。

  • 若干、機能面が異なるが、各モデルとも最新のレクサスセーフティセンス+を搭載。

  • いずれも安全に関しては最大級の装備水準が与えられている。

11月デビュー予定! UXの登場でレクサスSUVはどうなる?

11月末には満を持してコンパクトクロスオーバー「UX」が日本に導入される。近年のレクサスSUVの人気を考慮すれば、UXも大ヒットする可能性は高い。ここではUXを含め、購入する視点からレクサスSUVの立ち位置を検討してみる。

icon LEXUS UX

●予想価格帯:400万円前後~500万円前後

 NXやCTとの関係やプラットフォームが共通するトヨタ・C-HRの価格設定、そして最先端メカ&装備の採用を考えれば、UXの価格帯は400~500万円前後が予想される。やや割高感は否めないが、「プレミアム」としては十分魅力的だ。

  • 【LEXUS NX】●価格帯:441万1000円~597万1000円

     2LターボのNX300ならば、400万円台半ばから500万円の価格帯で狙うことができる。ハイブリッドのNX300hは500万円からと、やや高くなるが、レクサスとしては比較的手が出しやすい。人気があるのも納得できる。

  • 【LEXUS RX】●価格帯:497万2000円~769万円

     UX、NXに比べると車格感が1ランク以上アップするRX。2LターボのRX300の標準仕様なら500万円を切る価格から狙えるが、RXらしさをフルに楽しめるRX450hは600万円から。なかなか悩ましい価格設定だ。

  • 【LEXUS LX】●価格:1115万円

     質実剛健なメカニズムやスパルタンな風貌から、LXは“孤高の存在”と言われているが、それは1000万円の大台を超える価格からも実感することができる。LXは指名買いが多いというのも納得だ。

ズバリNXのライバルは?

  • 【BMW X3】

  • 【AUDI Q3】

“最新”のライバル勢にやや押され気味

 ボディサイズ的には「Cセグメント以上Dセグメント未満」と言った感じで、アウディQ3やBMW X3などが近い。ただ、ライバルは世代交代でサイズアップされ始めており、現時点では全幅を含めてライバルよりも扱いやすいボディサイズが武器だろう。走りの部分はかなり頑張ってはいるものの、ライバル(特にドイツ勢)の進化スピードが著しいのも事実だ。デビューから4年が経過、UXのようにフルTNGAによる刷新も期待したい所である。

ズバリUXのライバルは?

  • 【VOLVO XC40】

  • 【MERCEDES-BENZ GLA】

強力ライバルが目白押しだが、戦える実力はある

 UXはプレミアムクロスオーバーSUVの中でも激戦区と言われるCセグメントに投入されるモデルである。最後発なので「見た目はクロスオーバー、走りはスポーティハッチ」と言う独自の個性が盛り込まれているが、迎え撃つライバルはBMWX2、メルセデスベンツGLA、アウディQ3、ジャガーE-PACE、ボルボXC40、キャデラックXT4など強敵ばかりである。価格的にも拮抗しているため、走りはもちろん、プレミアムブランドとしての本質が問われることになるだろう。

ズバリLXのライバルは?

  • 【RANDROVER レンジローバー】

  • 【MERCEDES-BENZ Gクラス】

世界の上級オフローダーとガチでバトル中

 昨今、モノコックボディでオンロード性能を優先させる高級クロスオーバーSUVが多い中、LXは高度なオフロード性能のためにフレーム式にこだわる。世界的にはメルセデスベンツGクラス、レンジローバーと並ぶ「高級SUV御三家」の一台と言ってもいい。オンロード性能はライバルに劣る部分もあるが、メインマーケットである中東での絶大な信頼性を考えると一概にウィークポイントとは言えない。ただし、5.7L・V8エンジンの燃費は、正直期待できない。

ズバリRXのライバルは?

  • 【MERCEDES-BENZ GLE】

  • 【BMW X5】

ハイブリッドを武器に互角以上の戦いを続行中

 Dセグメントのど真ん中に位置し、サイズ的にはBMW X5、メルセデスベンツGLEが近いが、パッと見はRXが若干コンパクトに見える。パワートレーンはX5、GLE共にクリーンディーゼルがメインとなるが、レクサスは得意のハイブリッドが中核を担う。この辺りはメーカーの思想の差だが、世の中の風はハイブリッド側に吹いており、RXは有利だ。フットワークはRXも頑張ってはいるものの、残念ながら後輪駆動ベースのX5、GLEが一枚上手。

世界で戦えるレクサスSUV、もはやライバルは海外勢だ

 RX/NXはレクサスらしいスポーティさを備えるが、基本は奇をてらわずプレミアムクロスオーバーSUVとして直球勝負をしているモデルである。それに対して、間もなく登場予定の末っ子「UX」は、分類的にはクロスオーバーSUVに属するが、悪路走破性よりも都市部での走りを重視した性格が与えられている。

 見た目はもちろんメカニズムもパワートレーン/プラットフォーム全てが刷新されており、レクサス自身は決してYESとは言わないが、登場から7年が経過し後継モデルの噂もないハッチバック「CT」のポジションも担うキャラクターも備えているのだ。

 UXのチーフエンジニアも、「サイズはレクサスクロスオーバーSUVの末っ子ですが、中身は兄貴分を超えるように開発しました」と自信を見せる。レクサスはLCから第3チャプターと呼ばれる新世代に移行。すでにLSとESが登場したが、キャラクターや価格帯などから誰も体感できるモデルではない。そう言う意味では、UXは「新世代レクサス」を身近に体感できる初のモデルとも言ってもいい。日本市場でもヒットするのは間違いないだろう。

 クロスオーバーSUVシリーズはRX/NX/UXと言うラインが完成する一方、フレーム式を採用するクロカンSUVのLXは今後どうなるのか? 今のトレンドで言えばモノコックボディに刷新と言う流れかもしれないが、筆者はメルセデスベンツGクラスと同じように、LXは世代交代をしたとしても、今後も変わらず「オフロードキング」であるべきだと思っている。ちなみに、クロスオーバーSUVシリーズのフラッグシップは、2018年のデトロイトショーで世界初公開されたコンセプトカー「LF-1リミットレス」の市販版がそれを担うはずだ。このモデルはLS/LCと同じGA-Lプラットフォームを用いた縦置きFRベースのクロスオーバーSUVで、EVを含めた様々なパワートレーン搭載も視野に入れているそうだ。

 レクサスが切り開いたプレミアムクロスオーバーSUV市場は今や世界のほとんどのプレミアムブランドが参入する激戦区となっているが、まだまだ成長市場である。

ちなみに海外向けにはLXの弟分となる「GX」もラインナップされている。つまり、ワールドワイドで見ると、レクサスSUVは「クロスオーバーライン」と「クロカンライン」の2系統が用意されている。本当の意味でオンロード/オフロードをカバーしており、これも海外のプレミアムブランドにはない強みと言えるだろう。

提供元:月刊自家用車

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ