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更新日:2018.11.21 / 掲載日:2018.10.04
ジャンルNo.1を一刀両断 BESTBUY完全ガイド<ジャンル3>プレミアムSUV
●文:川島茂夫
ハリアーとそのライバル計4車の争い。ミドルSUVのひとつ上の車格となり、価格帯が上がることもあってプレミアム感が見所に。
月販平均台数 ※2018年1~7月の平均販売台数
1TOYOTA ハリアー 3946台
2 MAZDA CX-8 2926台
3 LEXUS NX 1601台
4 MITSUBISHI アウトランダーPHEV 418台
ハードなオフ性能より特別感と高級感がこのジャンルのキモだ
どのジャンルもそうだが、上級になるほど付加価値を求めるので合理性は低下する傾向。大抵の場合、実用性なら中間クラスが最もバランスがいい。SUV最上位クラスでも同様のことが言え、アピールポイントは走行性能も含むプレミアム&スペシャリティ。ただし、実用面の効率が低下するとは言え、ゆとりあるボディサイズは余裕のキャビンスペースに繋がり、一般的な用途では十二分な実用性を備えている。
1位としたハリアーは、そんなプレミアムSUVを象徴する一車である。SUVらしからぬロングノーズのフロントマスクなど、アウトドア趣味のツールの印象は皆無。キャビンは上級ワゴン的なインテリアや居心地、使い勝手を有し、クロカン的タフネスを思わせる演出もない。つまり悪路にも強い上級ワゴンなのである。なお、販売ランク3位のレクサスNXとは姉妹車の関係にあり、スペック上では2LのNA仕様がハリアーに設定される以外は目立った差異はない。ただ、NXは車体剛性や静粛性等の向上を図った設計を採用しているので、走りの質感ではハリアーに優っている。
CX‐8とアウトランダーはともに3列シートを設定しているが、CX‐8はセカンドキャプテンシートとのセットでプレミアム感を高めるアイテムとも言える。アウトランダーはプレミアムな魅力でリードするPHEVに3列シートの設定はなく、PHEV車以外、特に3列シート車はミドルSUVと比較したほうが現実的である。
走行性能面ではハイブリッド勢対ディーゼルのCX‐8という図式だ。先進感ではレンジエクステンダーに近いアウトランダーPHEVが魅力的だが、いずれも「プレミアム」に相応な性能を備える。走りの質感ではハリアーがやや劣るものの、乗り味の好みや使う状況との相性が判断の要点である。
BESTBUY1 TOYOTA ハリアー

最新改良:’17年6月8日
2018月販平均第1位3946台/月
車両本体価格:294万~9480498万4200円
車両本体値引目標:28万円/付属品込み平均値引:33.3万円
約300万~500万円、いずれもプレミアム感十分だ
予算に合わせた選択のしやすさはハリアーの特徴のひとつ。パワートレーンは3タイプ用意されるが、基本グレード構成は共通である。ベーシックとなるNA(自然吸気)2Lは車格やキャラからすれば明らかにパワー不足だが、内外装の雰囲気や装備を楽しむユーザーにはかなり買い得。もう少しスポーティな走りが欲しければターボ車もあるし、余力と先進性ならハイブリッド車もある。上級モデルほど相対的に魅力が目減りする傾向にあるが、人気車ながら値引き額も大きく、“プレミアム”の費用対効果ならベストだ。
上級ワゴンを思わせるプレミアムなインテリア
エクステリアと同様、インテリアもアウトドア的なタフネスの演出や防水性などの使い勝手追求型とは異なる。ユーティリティは確保しつつ、高級乗用車というイメージの仕立てだ。
予算に合わせた選択がしやすい充実したグレード構成
パワートレーンはいずれも直4の3タイプ。それぞれにエレガンス、プレミアム、プログレスを設定し、プレミアムとプログレスには上位2グレードにはメタル&レザーパッケージも用意。
●2LNA
●2Lターボ
●2.5Lハイブリッド
●エレガンス
●プレミアム
●プログレス
2LNA車ならお手頃価格で「プレミアム」を楽しめる

装備内容は基本的にパワートレーンによって限定されない(ターボ車はホイール等が異なる)ので、2LNA車(写真)でも遜色なく高級感が味わえる。
BESTBUY2 MAZDA CX-8

最新改良:’18年6月14日
2018月販平均第2位2926台/月
車両本体価格:319万~6800419万400円
車両本体値引目標:20万円/付属品込み平均値引:--万円
2列目キャプテンとディーゼルの走りが独自の味に
3列シート仕様のディーゼル車のみの構成。セカンドシートはベンチとキャプテンの2仕様があるが、注目はキャプテン仕様だ。スライド機構を備えたキャプテンシートは後席乗員の居心地を1ランクアップ。基本的なインテリアの造作はCX-5と大差ないのに明らかに格上の雰囲気である。これは同ジャンル他車に対するアドバンテージでもある。ディーゼルは言うまでもなく高速域のゆとりと燃費が見所で、トルクに乗せて回転を抑えた力感は格別。キャビンも走りもライバル車とは一味違ったプレミアム感があるのだ。
キャプテンシートがもたらすくつろぎ

7人乗りと6人乗りは単なる乗車定員の違いではなく、6人乗りの2列目キャプテンシートはキャビンのプレミアム感が一気に増す。なお、直近の改良で7人乗りにも本革仕様を追加している。
ゆとりと燃費のディーゼルエンジン
パワートレーンは走りの質感に定評のある2.2Lディーゼルターボ(190PS/45.9kg・m)のみ。なお、CX-8/CX-5は近日改良を実施する模様で、一部のグレードや装備の受注が止まっている。
BESTBUY3 MITSUBISHI アウトランダーPHEV

最新改良:’18年8月23日
2018月販平均第4位418台/月
車両本体価格:418万~2840509万40円
車両本体値引目標:15万円/付属品込み平均値引:--万円
重厚な乗り味とEV的先進感が未来志向派にぴったり
ガソリンのアウトランダーはアウトドア趣味のレジャーワゴンとして正統派だが、実用志向のミドルSUVに近い位置付け。プレミアムSUVと比べても実用面はトップレベルだが、プレミアム感も求めるならPHEVの存在感が圧倒的。8月の改良で電動走行の動力性能や航続距離が向上し、走行感覚はハイブリッドと電気自動車が半々。急速充電にも対応し、発電機搭載の電気自動車=レンジエクステンダーに近い。重質な乗り味や静粛性の高さなどのプレミアムカーらしい味わいと先進感で、近未来志向のユーザーにイチ押しだ。
先進感とプレミアム感を味わえるドライブフィール
ガソリン車と同等の実用性や使い勝手を備えながら、電気自動車の走りを体験できる。モーター駆動の動力性能や静粛性が車格感を高めている。
効率と静粛性に優れた2.4Lエンジンを搭載。床下に大容量リチウムイオンバッテリー、前後に駆動用モーターを配置した4WDシステムを採用。
クラストップレベルの実用性

コンパクトなモーターや床下配置のバッテリーで空間効率を高め、アウトランダーの実用レジャービークルとしてのユーティリティを確保する。
提供元:月刊自家用車