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更新日:2018.11.24 / 掲載日:2018.10.04
ジャンルNo.1を一刀両断 BESTBUY完全ガイド<ジャンル1>ミドルSUV
●文:川島茂夫
CR-Vは発売直後のためランキング外になるが、エントリーした4台はメーカーご自慢のモデルが揃う。なかなかの激戦区だ。
月販平均台数 ※2018年1~7月の平均販売台数
1 NISSAN エクストレイル 4754台
2 MAZDA CX-5 3121台
3 SUBARU フォレスター 2682台
4 HONDA CR-V --台※新型車のため未集計
いずれも実力車揃い。万能選手を選ぶか? エキスパートを選ぶか?
ミドルSUVのモデルを評価する際に、重要なポイントになるのが、車体サイズとキャビンスペースのバランスだ。市街地走行や駐車場での取り回し、日常用途での使い勝手も悪くないサイズ感を持ち、積載性や多用途性を盛り込んだユーティリティが確保されていることが望ましい。さらにエクストレイルと国内市場に復帰したばかりのCR‐Vには3列シート車も設定されるなど、今後は多人数乗車に対応できることもポイントになるだろう。走りはもちろんのこと、キャビン&ラゲッジ周りにもマルチユーティリティが求められるわけだ。
その点を考慮すると、2列シート仕様のみというフォレスターとCX‐5は物足りなさを少々感じる。さらにCX‐5は車体サイズに比べてキャビンスペースは明らかに狭い。フォレスターはフロアやシートに防水素材を用いたアウトドア志向を考慮するグレードも選べるが、そういった面でもCX‐5は消極的だ。
パワートレーン展開は、エクストレイルとフォレスターがガソリンとハイブリッド、CX‐5はガソリンとディーゼルターボ、CR‐Vはガソリンターボとハイブリッドと、複数のユニットから選べる。ハイブリッドは市街地用途での燃費の良さが長所になるが、高速域では動力性能のゆとりや燃費面で、CX‐5のディーゼルが一歩リードしてくる。
安全&運転支援は制御の巧みさなどで若干の差がある。総合的な出来のよさではCX‐5とCRVが若干劣るが、4車とも決定的なマイナス要因はなく、ACCやLKAなど次世代標準となる機能は揃っている。ただし、エクストレイルはグレードによって装着ができないケースも出てくる。もはや先進安全装備は標準装着がマストになりつつあるだけに、この点は残念に感じる。
BESTBUY1 NISSAN エクストレイル

最新改良:’17年6月8日
2018月販平均第1位4754台/月
車両本体価格:219万~7800309万8520円
車両本体値引目標:28万円/付属品込み平均値引:--万円
走りとユーティリティのバランスの良さが光る
デザインも装備もプレミアム感を求めるユーザー向けではない。動力性能も必要十分のスペックはあるが、ライバル車と比べてしまうと、やや見劣りを感じてしまう。ただし、機能性に優れるACCとLKAが備わるなど、先進安全装備はトップクラス。高速長距離での使い勝手の良さは大きな武器になっている。キャビン&ラゲッジもアウトドアユースを考慮した設計。大きなアドバンテージになるプロパイロットを装着した3列シートの4WD車は約297万円と、コスパ面も優秀だ。ライバル車に比べて値引き額も大きく、使って元を取るユーザーには最適だ。
汚れを気にせず使い倒せる秀逸なキャビン&ラゲッジ
防水シート&フロアの採用など、レジャー系に特化したキャビン空間が特徴。室内高寸法も余裕十分で広々としている。
走りもクラス平均を凌駕。オン/オフ問わない優等生

得意とするオフロードのみならず、オンロードの走りも平均レベルを凌駕。余力感は相応だが、巡航時の力感はなかなか力強い。長距離を走る機会が多いドライバーにもオススメできる。
プロパイロットはトップレベル。高価でも必ず装着すべし

OP設定というグレードもあるが、国産車最高レベルの機能装備を持つプロパイロットは、多少予算をオーバーしたとしても、是非とも装着したいマスト装備だ。
全車速型ACCと半自動操舵型LKAなどの先進安全&運転支援装備を採用。システムのオン/オフ操作も簡単で、日常生活での使いやすさも見逃せない強みの一つ。
BESTBUY2 SUBARU フォレスター

最新改良:’18年7月19日
2018月販平均第3位2682台/月
車両本体価格:280万~8000309万9600円
車両本体値引目標:15万円/付属品込み平均値引:18.6万円
走りのみならず実用性能も優秀
フォレスターを推す理由の一つは、最新アイサイトが採用されていることだ。ACCの追従制御は他と大差ないが、LKAの操舵支援の違和感が少なく、走行ライン認識維持の時間も長い。2.5L車のパワートレーンの特性が高速巡航にも適しているなど、ロングドライブ適正が高いことも大きな強みだ。さらにプレミアム感とレジャーワゴンらしい実用性の両立も巧み。標準仕様車でもその世界は楽しめるが、内外装がよりアウトドア志向が強まったX-BREAKならば、さらに濃密に楽しむことができる。
標準装備のアイサイトは性能&機能もトップクラス

アイサイトは、強力な運転支援機能であるツーリングアシストまで対応する最新型。全グレードに標準装備されることも大きな強み。クラストップレベルの内容を持つ。
ロングドライブ適性はクラスナンバー1
レジャーユースを強く意識したキャラは健在。特に2.5L車は大排気量を活かしたゆとり十分の特性を持ち、高速道路などを悠々走るには最適な存在だ。
BESTBUY3 MAZDA CX-5

最新改良:’18年3月8日
2018月販平均第2位3121台/月
車両本体価格:249万~4800352万6200円
車両本体値引目標:23万円/付属品込み平均値引:23.1万円
唯一無二のDターボ。これ目当てで選ぶ価値あり
CR-Vとかなり悩んだのだが、僅差でCX-5を選んだ。CX-5の最大の強みは、カテゴリー唯一となるディーゼルターボ車の存在。低速域から力強く盛り上がる分厚いトルクは、高速走行時で真価を発揮する。その余力と燃費の良さはライバル車に対して大きなアドバンテージだ。フットワーク性能も秀でており、高速道路や山岳路でも扱いやすく、スタビリティも高い。安心して走ることができる。キャビン&ラゲッジのユーティリティを求めるユーザーにはお薦めしにくいが、オン&ラフロードツアラーとしては一流である。
低速域から豊かに盛り上がる両断ディーゼルターボの走りは病み付きになる
マツダ車のアドバンテージの一つである2.2Lディーゼルターボエンジンは、春先の改良で190PS/45.9kg・mまでパワーアップ。分厚いトルクが生み出す走りは唯一無二の存在だ。
所有欲を満たしてくれる質感豊かなキャビン空間

現行型で大きく進化したキャビンの質感向上も見逃せない魅力。特に本革シート仕様となるLパッケージ車は、価格以上の豪華な室内空間を楽しむことができる。
提供元:月刊自家用車