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更新日:2018.11.01 / 掲載日:2018.05.17

小さなようで大きな進化! 新型MINI3ドア・5ドア・コンバーチブル発表

MINI クーパーS 3ドア

文●内田俊一 写真●ユニット・コンパス

 ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は、MINIの基幹車種であるハッチバック(3ドア・5ドア)とコンバーチブルの商品改良を発表、5月16日より発売を開始した。価格は3ドアが230万円から376万円、5ドアが259万円から394万円、そしてコンバーチブルが348万円から410万円。

 今回の商品改良のポイントは大きく3つ、エクステリアとインテリアのデザイン改良、トランスミッションの変更、そしてつながる技術であるMINIコネクテッドの採用だ。

細かく進化したデザイン

 まずは気になる外観から見ていこう。フロント周りではヘッドライトが変更された。これまでヘッドライトの輪郭を作るようにデイライトランニングが点灯していたが、下端部分がウインカーによって途切れていた。新型ではそこがつながり一周全部途切れることなく点灯するようになった。ウインカー作動時はデイライトが消えその部分がオレンジに点滅する。MINIのデザインモチーフの一つに丸型を多く用いることがあり、今回の変更はそのこだわりの表れといえるだろう。

MINI クーパー 5ドア

 次にテールランプも変更され、ユニオンジャックが燦然と輝く。MINI発祥の地であるイギリスに敬意を表するとともに、一目でMINIと分かるデザインモチーフだ。また、左右非対称であることも目新しさにつながっている。このアイデアは、2014年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステで発表された、MINIスーパーレッジェーラコンセプトのテールランプから引用されている。

 また、2015年以来MINIのブランドアイデンティティが変更されており、ハッチバックとコンバーチブルもそれに倣って変更された。具体的にはフロント、リア、そしてステアリングとリモートキーに施されているエンブレムが、これまでの立体的なものから、最新のトレンドに合わせた平面上のものとなった。

 インテリアに目を移すと、オプションではあるが助手席前の部分のインテリアサーフェスが新しくなった。ユニオンジャック柄のイルミネーテッドインテリアサーフェスとなり、インテリア内の間接照明と連動し色を切り替えることも出来る。

 オプションでは、MINIユアーズカスタマイズプログラムとして、イルミネーテッドインテリアサーフェスのほか、ドアシルプレート、スモールサイドスカットル(サイドマーカー部分)、カーテシランプの4つパーツのデザインについて、ユーザーがインターネットで好きな文字や柄を選択することが可能だ。イルミネーテッドインテリアサーフェス以外は、今回の新型MINI以外のユーザーも購入できるという。なお、このプログラムは現在準備中で、近日中に公開される予定だ。

ゴーカートフィーリングをより強調

MINI クーパーSコンバーチブル

 さて、トランスミッションの変更はジョンクーパーワークス以外のガソリンモデルで行われた。具体的には、これまでのトルコン式ATから、7速DCTへと変更された。これにより、ダイレクトなドライブフィールとなることから、MINIの重要なアイデンティティであるゴーカートフィーリングがより強調されるとともに、燃費性能も向上しているという。

 また、ジョンクーパーワークスもこれまでの6速ATから、8速スポーツATへと進化した。

 同時に、シフトレバーも電子制御式に変更され、これまでのゲート式ではなくなったことから、その操作感はプレミアムなフィーリングになっているという。

 なお、3ドアガソリンモデルにはいずれのグレードにも6速MTが用意される。

充実したつながる機能

MINIディビジョンプロダクト・マネージャーの生野逸臣氏

 そしてつながる技術、MINIコネクテッドは大きく6つの機能が盛り込まれている。

 カーライフを進化させる革新の利便性として、
・MINI Connected アプリ:アップル社製のスマートフォンを利用して車両を遠隔操作できるサービスで、車外からベンチレーションを起動させたり、ドアのロックやロック解除が行える。また、iPhoneのカレンダー機能に予定と場所を入れておくと、そこにクルマで到着するのに必要な時間を計算し、事前に出発する時間を教えてくれる機能もある。この機能は、現在まだ完成していないが7月から8月に日本のApple社のAppleストアに登場する予定だ。
・MINI オンライン:車載通信モジュールを利用して、車内のコントロール・ディスプレイから最新のニュースや天気予報を閲覧・検索ができる。また、ニュースに関しては音声読み上げ機能も備わっている。
・MINI ドライバー・サポート・デスク(オプション):車両の電話機能を活用して、MINI ドライバー・サポート・デスクに電話をし、様々な問い合わせが 24 時間可能となる。また、オペレーターから車両のナビゲーション・システムへの目的地を送り、即座に設定することも可能だ。
・Apple CarPlay(オプション):アップル社製のカー・インフォテイメント機能である“Apple CarPlay”の使用が可能となった。

 次にもしもの時に備える万全の安全性は、
・MINI SOS コール:エアバッグが展開するような事故が発生した際、車両から自動的に SOS コールを発信。コール・センターへの音声接続とともに、車両情報をはじめ、車両の位置情報や衝突状況、エアバッグの展開状況といった情報もデータとして同時に送信されるため、ドライバーが事故の衝撃で意識を失っている場合でも、的確かつスピーディな救急対応が可能だ。また、自車の近くで事故が発生し救急を要する場合、または、車内で急病人が出たといった緊急の場合でも、必要に応じて手動で車内の SOS ボタンを押すことで、コール・センターに連絡することもできる。

・テレサービス:コントロール・ディスプレイに表示される“コンディション・ベーズド・サービス(CBS)”のアイテムが黄色のステータスに変わると、車両が自動的に整備関連の全ての CBS データを指定された MINI 正規ディーラーに送信。ワークショップでは、送られてきたメインテナンス情報に基づき、準備を効率的に進められるため、サービス予約が容易となり、より正確かつスピーディなサービスを受けることが可能である

 今回の改良について、MINIディビジョンプロダクト・マネージャーの生野逸臣氏は、「ぱっと見ると大きく変わっていないが、じつは結構変わっています。MINIはMINIらしいデザイン、誰が見ても一目でMINIとわかるデザインを必ず持っていないといけません。そこで、大きなところは変わっていないのです。ただし確実に進化した、それが今回のニューMINIなのです」とコメントした。

好調なMINIビジネス

MINI本部長のフランソワ・ロカ氏

 この8年連続で販売台数を2倍に成長させたMINIについて、MINI本部長のフランソワ・ロカ氏は、「今年もこの4ヶ月で2.1%伸びており、まだチャンスがあると思っています」と好調さを強調する。

 この成功要因についてロカ氏は、まず商品力を挙げる。ボディタイプやエンジンタイプなど、「MINIほどバリエーションを揃えているブランドはないでしょう」という。また、限定車ビジネスについても力を入れており、「日本発の限定車が世界で販売されたこともあります」と述べる。

 もうひとつの要因は、2年前より始まった新ブランド戦略の成功だ。以前のMINIは“やんちゃさ”を強調していたが、現在はより本物志向、大人の世界観をアピールする。ロカ氏は、「時代を経てユーザーも大人になりましたので、それに合わせて本物感を強調しているのです」と説明し、この戦略により大きく台数が伸びているという。

 最後は人材だ。これはMINIビジネスに関わる全ての人を指し、「皆、MINIがとても好きで、例えばMINIのお客様が我々の店舗に入ると家族のように接しています。それも固いおもてなしではなく、マンツーマンで親しく接客ができるスタッフが非常に多いのが特徴」とし、これら3つの要因が上手くそろったことが、MINIビジネスの成功要因だと語った。

 またボディサイズについて、「クラシックMINIから比べると現代のMINIは大きくなりました。これは良いことだったと思っています」とロカ氏。その理由はショールームに来てMINIを見た時に、小さくて抵抗を感じたMINIファンが多かったからだ。しかし今は、「コアモデルであるハッチバックは既納ユーザーが多く、新規顧客はもっと大きいボディサイズのクラブマンやクロスオーバーを購入しています」と述べ、そのサイズをユーザーが受け入れていることを示唆した。

 その現状を踏まえ、その世界観をより分かりやすくするために名前が設定された。コアモデルである3ドアと5ドアは“インディビジュアリスト”。「自分に向けた生活を持っている人」だという。カブリオレは“フリースピリット”。「自由さを大事にし、いつでも、どこでも、何でもやりたいし行きたい。そしてオープン空間で運転したいということを重視する人」だ。そしてクラブマンは“ジェントルマン”、クロスオーバーは“冒険者”と名付けられ、これらをもとに、広告宣伝等が組まれるという。

 MINIディビジョンプロダクト・マネージャーの生野逸臣さんは、「よりMINIらしくなったデザインとともに、新しいトランスミッションを採用することで、MINIのDNAであるゴーカートフィーリングをさらに一歩進化させた。そして、コネクテッド機能により、安心と便利さをドライバーに体験してもらうことが出来るでしょう」と新型MINIについてコメントした。

MINI クーパーS 3ドア(7速AT・DCT)

全長×全幅×全高 3860×1725×1430mm
ホイールベース 2495mm
車両重量 1270kg
エンジン 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1998cc
最高出力 192ps/5000rpm
最大トルク 28.6kgm/1250-4600rpm
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 205/45R17

販売価格 230万円~376万円(3ドアのみ)

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グーネットマガジン編集部

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