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更新日:2018.10.27 / 掲載日:2016.03.10
英国製の燃料電池自動車、いよいよ本格始動
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
イギリスのリバーシンプル社が燃料電池自動車「Rasa」のプロトタイプを公開した。燃料電池自動車は、CO2を発生させない次世代のクリーンエネルギーとして期待されている水素エネルギーで走るクルマ。2014年にはトヨタ「MIRAI」が燃料電池自動車の市販車第1号として発売され、ホンダも近々市販モデルと投入すると言われている。
クルマの性能のなかでいまもっとも重視されているのは環境性能だ。近年はハイブリッド、EV、PHEVと新しい技術がどんどん投入され、3月1日に閉幕したばかりのスイスのジュネーブモーターショーでも、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)などが多数展示されていた。
ウェールズのランドリンドッド・ウェルズに拠点を置くリバーシンプル社は、次世代モビリティの研究開発を手がける新興メーカーだ。2009年に2人乗りの燃料電池自動車「リバーシンプル・アーバン・カー」を発表していたが、市場導入には至らなかった。
今回ワールドプレミア公開されたRasaは、リバーシンプル・アーバン・カーをベースに大幅な見直しが図られたモデルだ。モデル名は「清算しやり直す」という意味のラテン語「Tabula Rasa」に由来する。デザインを担当したのは、フィアット「500」を手がけたデザイナー、クリス・ライツ。
2人乗りのキャビンにガルウィングのドアという点は共通しているが、ボディ後部を延伸して水素タンクをリアに搭載している。8.5kWの「燃料電池スタック」と電池のように重金属を用いていないため環境負荷が小さい蓄電装置「スーパーキャパシタ」を組み合わせ、4輪それぞれにインホイールモーターを内蔵した4WD車で、高効率の回生ブレーキを搭載。空気抵抗を減らすためリアタイヤカバーも装着されている。
カーボンファイバー製のモノコックシャシーはわずか40kgで、総重量も580kgと超軽量。最高時速は60mph(約96.6km/h)、航続距離は300マイル(約452km)を記録する。
リバーシンプル社は、2018年にRasaを市場に投入したいと考えているそう。そのためには2016年内にはベータテストに向けたプロトタイプカーを20台製作する必要があり、投資を募ることも検討中のようだ。