車種別・最新情報
更新日:2025.12.21 / 掲載日:2025.12.21
《先取り大研究》日産・新型エルグランド
JMS2025で出会った要注目モデル「深掘り」大研究!
ジャパンモビリティショー(JMS2025)では、数多くの最新モデルがお披露目されたが、その中で外せないのは市販を前提としたモデルたちの動向だ。ここでは来年以降に市場投入が有力視されるクルマを徹底リサーチしてみるぞ。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
※本記事の内容は月刊自家用車2026年1月号制作時点(2025年11月中旬)のものです。
NISSAN 新型エルグランド【デビュー予想:2026年夏】

走りの質感の向上で最上級を貪欲に狙う
日産の最上級ミニバンとなるエルグランド。今回のJMSで来年夏に発売される国内仕様車が披露された。
新型は現行型から車体サイズを拡大されたほか、デザインテイストも一新。リニアモーターカーをコンセプトとした、ダイナミズムと風格を備えたものとしている。実車を見るとフロントマスクの存在感は相当なもの。
インテリアはプライベートラウンジのような特別な寛ぎの空間を目指し設計。広い範囲に巡らされた木目調パネルや、組子パターンのキルティングを施したドアトリムなど、ショーファードリブン需要も意識した、上質と落ち着きを備えた仕立て。メーターには14.3インチディスプレイを採用し、そこに連続するように配されたワイドセンターディスプレイを組み合わせたほか、内装機能の操作系に静電スイッチを用いるなど、見た目だけでなく、操作感でも特別仕立てを思わせる設計が注入される。
従来型のパワーユニットは、2.5ℓの4気筒と3.5ℓの6気筒の2タイプのエンジンを設定。とくにV6は静粛性と滑らかなパワー感を持つ似合いの選択だったが、燃費は前世代のレベルだったことが弱み。そこで新型では、日産の主力パワートレーン「e-POWER」の第2世代、上級クラス向けの1.5ℓの3気筒ターボを用いたシステムが採用される。エクストレイルとは異なり、可変圧縮比機構は採用されないようだが、主要部品の一体化を進めた設計が注がれることで、優れた発電効率と力強い電動駆動を実現する。
上級モデルらしくサスは全ての仕様で電子制御式にアップデート。四輪駆動制御の「e-4ORCE」と連携することで、快適性の大幅アップも図られる。
このクラスはアルファード/ヴェルファイアが圧倒的なシェアを持っているが、走りの質感の向上で実績がある「e-POWER」と「e-4ORCE」が導入されることで、燃費と走りの両面でどこまでアルファード/ヴェルファイアに迫れるか? 興味深いところだ。
新型エルグランド《エクステリア》
“威風堂々”の存在感が頼もしい
全高に対して全長が長い、ロングキャビンプロポーションを採用。キャビンの広さを直感的に理解できるパッケージになる。キャビンの大きさに比べてボンネットは短めだが、組子細工をモチーフとしたマスクもあって、強い存在感を放つ。デジタル時代のイメージも兼ね備えるなど、伝統と近未来が交錯するような雰囲気を漂わせている。



新型エルグランド《インテリア》
スペース効率改善で競争力アップ
派手やかな高級感よりも落ち着いた良質な空間の演出が見どころ。メーターからセンターディスプレイを連続させた先進感や、整理されたレイアウトと操作感にこだわったスイッチなど、細かな部分にも気を使っている。プレミアム性の要点になるオーディオシステムは、3Dサラウンド再生機能を備えたBOSE・22スピーカーサウンドシステムを採用する。







