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更新日:2025.08.19 / 掲載日:2025.08.19
新型カローラクロス大研究《コンセプト&プロフィール》
ベストセラーSUVが最新仕様に!
ヤリスクロスとともにトヨタ製SUVの最量販モデルとなるのがカローラクロス。これまでガソリン車とHEVの2本立てのラインナップだったが、マイナーチェンジを機にHEVのみとなった。ベストセラーSUVの新たな魅力を探る。
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久
これは“買い”!! TOYOTA 新型カローラクロスのイイところ

GRスポーツ新登場! 全車HEV
手を緩めることなく好評なモデルを刷新
1966年の誕生から59年にわたり、世界150以上の国と地域で愛され、累計5500万台もの販売台数を誇るカローラシリーズ。「地球人の幸福と福祉のために」を使命として、「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」の”カローラネス“が受け継がれ、セダン、カローラスポーツ、カローラツーリング、カローラクロス、GRカローラと多彩なモデルを展開してきたが、2025年に順次行われてきたマイナーチェンジを機に、ついに日本向けモデルをハイブリッドに一本化することとなった(GRカローラを除く)。そしてカローラクロスは、TMEJ(トヨタ自動車東日本)岩手工場での生産を開始。東北から世界へ届けられることとなった新しいカローラクロスは、さらに”カローラネス“を追求したモデルへと進化している。
デザインは、ファミリーからアクティブなレジャー用途まで幅広いシーンで選ばれているカローラクロスに、さらに「所有・移動する質を高める」要素をプラス。洗練された都会らしさとSUVとしての力強さを追求している。インテリアにも変更が加えられ、先進性と使い勝手が向上。特にインパネの質感はひと目でわかるほど高まっているほか、Zグレードにはシートヒーターだけでなくシートベンチレーションを備えるなど、快適性も大幅に向上している。
走行性能では、安心・安全の質を高める新機能を搭載。まず日本初の技術である「シグナルロードプロジェクション」は、カローラに受け継がれてきた「チャレンジスピリッツ」を反映し、大衆車であるカローラに搭載することによって、この安全機能がより広まってほしいという想いが込められている。方向転換先を歩行者や周辺車両にわかりやすく伝えるという基本に立ち返り、従来のシーケンシャル機能を省いて路面に照射する機能を新たに採用したものだ。
そして、スノーエクストラモードもトヨタ初搭載。これは雪道運転時の不安や疲れを軽減するためにチャレンジした機能。外気温やスリップ判定によって車両が自動でリヤを駆動する、電動フルタイム4WD制御を採用している。
また、走りを楽しみたいという多くの要望に応えるため、GRスポーツグレードが新設定されて8月4日に発売されることも大きなトピックだ。2・0ℓの専用エンジンを搭載し、スポーティさに振り切る新たな制御のスポーツモードや、専用サスペンション、ホイール、スポーツシートといった何もかも特別な仕様となることがアナウンスされている。
今回の試乗は1.8ℓハイブリッドのZグレード。酷暑に見舞われた日だったが、サラリとした肌触りで座り心地がよいのはシートベンチレーション搭載とともに表皮素材にもこだわっているからだ。地下駐車場を出る急坂も余裕で、車道へ出る際の段差をスッと丁寧に乗り越える感覚は、高級車さながらで驚いた。そして走り出すと、ボディ全体が高い剛性感で一体となって、しっかりと安定した接地感が続く。ステアリングフィールも落ち着いており、交差点やカーブなどでも思い通りの操作がしやすいと感じる。速度を上げていくと、静粛性の高さにも感心。実はカローラクロスは2021年の登場以降、2023年にもベアリング変更やサスペンションチューニングなどの改良が加えられており、今回さらにサスペンション締結トルクのアップや、高減衰ボディ接着剤の採用など、よりリニアで素直な挙動や車内の静粛性向上を図っている。軽快でカジュアルな印象が強かった従来に比べ、上質感としなやかさが際立ち、後席での乗り心地の良さもアップしている。全体として、さらに満足度の高い一台になっていると感じた。
新型カローラクロス グレードバリエーション&価格
