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更新日:2025.07.30 / 掲載日:2025.07.30
新型RAV4の全貌〜選択のツボ/結論〜
2025年5月21日、東京・有明アリーナで新型RAV4が世界初公開された。かねてから噂となっていた6代目RAV4は、トヨタ進める次世代の開発手法の第一弾の大役を担う期待のモデルだった。販売開始はまだ先で発表内容も限られるが、実車展示を踏まえ、新型RAV4について現在わかるすべてをお伝えする。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/編集部/TOYOTA
※新型RAV4の写真はすべてプロトタイプ。一部海外仕様を含む。
新型RAV4選択のツボ

装備の全容は不明だが、それ以前に個性が分かれる
グレード選びで重要なパワートレーン設定はアドベンチャー系がHEVのみ、コア系がHEVとPHEV、GRスポーツがPHEVのみの設定となっている。2タイプのパワートレーンから選択できるのはコア系のみだ。また、PHEVのパワースペックは共通だが、グレードキャラクターではコア系がBEVに近く、GRスポーツでは動力性能面のアドバンテージからファントゥドライブ志向となる。なお、GRスポーツは走行モードで専用モードが設定されると予想されている。
またGRスポーツはフレームの強化や空気抵抗と冷却性を両立するフロントグリル、ワイドフェンダーと専用エアロパーツ、専用サスと専用ホイールなど内外装や走行性能にGR車らしい変更が加えられている。
価格未発表のためコスパは不明だが、最も高価格なのはGRスポーツだろう。GR車初のSUVでもあり魅力的だが、一般的なSUVユーザーの視点ならアドベンチャー系が内外装の雰囲気や性能でバランスのいい選択になりそうだ。コアとの選び分けはPHEVを対象にするかどうかで異なるが、HEVモデルが対象ならデザインの好みで選び分けてもよさそうだ。
コア

アドベンチャー

GRスポーツ

【新×旧】結論
車種単体の進化に止まらず、今後のトヨタの指針を兼ねる
現行RAV4の好調ぶりからみて、パッケージングや性能など多くの点でミドルSUVユーザーの実態に則していると予想できる。そういったRAV4を支えてきたユーザーが納得できるモデルというのが次期型に対する印象。デザイン等の嗜好的要素の新味ではなく、実践力の高さとバランス感覚でまとめたと言い換えてもいいだろう。
ただし、求める要素は同じでも今という時代を反映して進化している。最も象徴的なのが電子制御系の新プラットフォームとなるアリーンの導入だ。ソフトウェアアップデートによる機能改善は従来型にはなく、使われながらネットを通して進化するクルマは近未来の先取りと言える。また、PHEVモデルのパワートレーンに採用されたネットを通して進化要点は電動時代との糊代的な役割も担う。従来型との大きな違いとしてDC急速充電の対応が挙げられるが、電動航続距離の拡大とともによりBEV的な使い方を可能としているのは新PHEVのコンセプトを分かりやすく示している。
RAV4の基本コンセプトに揺らぎ無しといった感じだが、エコでも情報技術でも未来を見据えてしっかりと「今」を捉えているのが次期RAV4なのだ。
新型RAV4

RAV4 従来モデル

《ミニヒストリー》歴代RAV4の歩み 〜Since 1994〜
初代はコンパクトサイズのダートランナーあるいはオン&ラフロード両刀使いのスポーツモデルと言った印象。キャラ付けはC-HRに近い。その後、代を経るごとに車体サイズの拡大とともにキャビン実用性を向上させ、3代目では現在のミドルSUV相当となっている。HEVモデルは国内向け4代目、つまり先代からであり、モデルライフ途中の2020年にPHEVモデルも追加されている。
