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更新日:2025.06.10 / 掲載日:2025.06.10
アストンマーティン「ヴァルキリーLM」誕生。“ル・マン参戦車とほぼ同じ”市販ハイパーカー
アストンマーティンは現地時間の6月9日、ル・マン24時間レースの総合優勝を狙うロードカーをベースとしたサーキット走行専用モデル、新型「Valkyrie LM(ヴァルキリー LM)」を発表した。生産台数は世界限定10台となっている。

ヴァルキリー LMは、FIA世界耐久選手権(WEC)と北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の両方に出場するヴァルキリーをベースとするハイパーカー。ル・マン24時間レースに出場するLMH仕様と同じ、自然吸気6.5リッターV12エンジンのリーンバーン版を搭載し、同じくレギュレーションの出力制限である520kW(697bhp)にチューニングが施される。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は、「サーキット専用のモデルとしてお客様に体験していただき、楽しんでいただけるように、変更点は軽微なもののみで、現在WECとIMSAで戦っているマシンとほぼ同じであることを強調したいと思います」とコメントしている。

ヴァルキリー LMは、WECやIMSAで競うマシンとの違いを最小限に抑えながら、アマチュアドライバーにも十分に扱えることを重視。レースシリーズ固有のバラストやFIAレギュレーション関連のエレクトロニクスなどは装備しない一方で、コックピットのインターフェースはトラックデーにおける使用を想定したビスポーク仕様となっている。

使い勝手の良いオープンループのトルク制御、レーシングカーにおける電力供給を管理するためのドライブシャフトセンサーおよびインプットトルクセンサーは、ドライビング最適化のため装備から外され、V12エンジンは一般に入手できる燃料を使用できるようにキャリブレーションされる。

後輪駆動のヴァルキリー LMは、競技版と同じ、セミオートマチックのパドルシフトによるギアチェンジで操作する7速シーケンシャルトランスミッションを採用。サスペンションは、フロントとリアのダブルウィッシュボーン、プッシュロッド式トーションバースプリング、調整可能なサイドダンパーとセントラルダンパーの構成に。タイヤはピレリによるビスポークのパフォーマンスタイヤを装着する。

コックピットはドライバーの安全、乗り込みやすさ、視認性を考えて最適化され、カーボンファイバー製の専用レースシートにはショルダーサポートと頭部を囲むヘッドレストパッドを装備。FIA 8853規格に適合した6点式ハーネスと消火装置も用意され、ステアリングホイールにはドライバー用のディスプレイとシフトライトが組み込まれる。
アストンマーティン 公式HP:
https://www.astonmartin.com/ja
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