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更新日:2025.02.16 / 掲載日:2025.02.15

ジープ買うなら限定車に限る!?【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ジープ

 今年1月、ラングラーの限定車が発売になるニュースリリースが届いた。もはやお馴染みの販売拡張作戦だが、正直毎回気になる。ジャーナリストとしては当然のこと、長年ジープを乗ってきた身からしてもこのクルマの動向から目は離せない。しかも、今回はあの「アンヴィル」だから、思わず二度見したラングラーファンは多いことだろう。

 限定車の名前は「ラングラーアンリミテッド ルビコン アンヴィル」となる。限定100台で、価格は889万円とアナウンスされた。

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン アンヴィル

 このクルマのキモは、言わずもがな「ルビコン×アンヴィル」に他ならない。憧れのルビコンであり、もはやカタログ落ちしてしまった人気色アンヴィルをボディカラーとするのだから当たり前だ。もしこのタイミングでラングラーの購入を考えている人がいたら、超絶オススメのモデルである。もちろん、ボディカラーの好みは人それぞれだが、このなんともいえないグレーはカッコいい。アンヴィルを知らない方は、もしまだ残っていたらディーラーで実際にご覧になるといいだろう。

 ではこのタイミングで、ラングラーの限定車を振り返ってみよう。直近では昨年10月の「ラングラールビコン(2ドア)」、9月の「ラングラーリミテッドエディション with サンライダーフリップトップ for ハードトップ」などがある。前者は100台で849万円、後者は400台限定で819~909万円だ。こちらは、フロントシート頭上に手動式のソフトトップ(フリップトップ)を装着し、ボディカラーにラングラー初採用のピンクを用意したのがポイント。ピンクが派手過ぎると言う人にはライトブルーも選べるらしい。この他にも、いままで「ウィリス」や「フリーダムエディション」、「パワートップ」なんかが限定車で販売されてきた。「ラングラーを買うなら限定車!」と言っても過言ではないだろう。

 個人的に印象深いのは「ラングラーブラック&タン」(2020年6月)である。黒いボディにタンのソフトトップを装着したモデルだ。しかも塩ビのウインドウはティンテッドなので見た目が引き締まっているのもいい。しかもシートもタン。特別な1台といったイメージだ。

 「ラングラーは2ドアか?4ドアか?」問題に関しては2ドアに決まっている。これまで乗ってきたYJ型もTJ型もショートボディ。TJの後期からCJ8をオマージュしたロングホイールベースで2ドアのラングラーアンリミテッドが登場しているが、やはり自分の中でのラングラーはショートホイールベースしかないと思っている。

 これまでルビコントレイルをはじめ世界中のオフロードコースでラングラーをテストドライブしてきたが、ショートボディの走破性の高さには感動している。前後のアングルを邪魔しないバンパーに取り替えれば、どんなロックセクションをも乗り越えられる実力を目の当たりにしてきた。もはや尊敬に値する走りだ。

 なので、昨年10月の「ラングラールビコン(2ドア)」登場の時はハートをグイッと掴まれた。昨年は2台続けてクルマを購入したので、タイミングは最悪だが、妄想は膨らんだ。ガレージにルビコンを置いたらカッコいいなぁ~と。

ラングラールビコン(2ドア)

 なんて感じの限定車だが、それがすべてカッコいいわけでもない。過去には「やっちゃってるね~」なんてのがないことはなかった。それはラングラーに限った話ではなく、すべてのクルマに言えることだ。最近は発売を記念した「ローンチエディション」を提供するブランドは少なくないが、それが正解ともいえない時もある。装備の面でメリットが大きくても、カッコ悪いホイールを履いていたり、不自然な装飾を施していたりすると興醒めしてしまう。

 思い起こせば、フォードジャパンが存在していた頃の、エクスプローラーやマスタングの限定車はカッコいいものが多かった。エクスプローラーにエディバウアーエディションはあったし、マスタングにカリフォルニアスペシャルといった歴代モデルをオマージュしたものもあった。

 そんなことを鑑みると、限定車はアメリカブランドがうまいのかもしれない。それらはおおよそアメリカンカルチャーから生まれている。まぁ、そこがササる世代かもしれないが。いずれにせよ限定車にもストーリーがあるのがカッコいい気がする。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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