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更新日:2024.12.30 / 掲載日:2024.12.28

2024年に乗って印象的だったクルマを振り返る【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ランボルギーニ、フェラーリ、メルセデス・ベンツ、シボレー

 日本カーオブザイヤーも終わり、新車の発表会もないこの時期、いいタイミングなので2024年を振り返ってみたいと思います。今年もスーパースポーツからピックアップトラックまでいろんなクルマがリリースされましたからね。話題は尽きません。

 中でもインパクトの大きかったクルマとなると限られると思います。例えばランボルギーニ・レヴエルトはその筆頭に挙げられます。なんたってステアリングを握ったのは富士スピードウェイでしたからインパクト大です。とんでもない加速でした。しかも、スペックだけで白飯が食えるほどワクワクさせます。6.5リッターV12ユニットは自然吸気で、そこに3つのモーターが組み合わされます。システム出力は1015psですからもう言葉がありません。

ランボルギーニ レヴエルト

 レヴエルトはスタイリングがこれまたカッコいい。何かを主張するようなクセはなく、シュッとしています。後にリリースされたV8ユニット版のテメラリオもそうですが、ランボルギーニの新世代を感じさせます。デザインを担当したのはドイツ人のミッティア・ボルケルト氏。理路整然としたスタイリングは好感度が高いと思います。

 フェラーリはドーディチ チリンドリが印象的でした。デイトナ風のフロント周りが話題です。まだ実際に走らせていないのでなんとも言えませんが、気持ちがいいのは確かでしょう。12気筒エンジンは自然吸気。過給器もモーターも装備しません。唯我独尊です。

 実際に走らせたスーパースポーツの中ではメルセデスAMG GTクーペが頭に残っています。このクラスはイタリア勢に押されている感がありますが、こいつは負けていません。パワーはもちろん、エクステリアの抑揚やインテリアのコーディネートに色気があります。新型は2+2のパッケージングが加わってゴルフバッグが積めるようになったのもポイント。大人のGTカーといった雰囲気が漂います。

 そういえばシボレー コルベットE-Rayも忘れてはいけません。コルベット史上初のモーター付きAWDです。歴代モデルをすべて取材してきていますから、このクルマはある意味“革命”といってもいいでしょう。まさかコルベットにモーターが付くとは……って感想です。とはいえ、これまでもリトラクタブルヘッドライトをやめたり、FRをミッドシップにチェンジしたりしてきましたから許容の範疇かも。残されたのはOHVユニットとリアの横置きリーフスプリングですかね。もはやどちらも微妙かも。

 オープントップモデルも今年は目立ちました。メルセデス・ベンツ CLEカブリオレとマセラティ グランカブリオです。ユニークなのはどちらも4シーターというところ。実際にリアに人を乗せるというよりは鞄などをスッと置くスペースとして重宝します。それにどちらもネックウォーマーが付いているのがミソ。この時期これがあると無いとでは寒さの感じ方が大きく違います。その意味両者とも実用性があるってことですね。カッコよくて実用性もあるんですから魅力的です。

 BEVではボルボ EX30やフィアット 600e、ジープ アベンジャー、MINI エースマン、MINI クーパー、ヒョンデ IONIQ5 N、BYD シールなどがありました。が、衝撃的だったのはやはりメルセデス・ベンツ Gクラスに間違いありません。G 580 with EQテクノロジーと名付けられたその走りには驚愕しました。目玉は“Gターン”。外側と内側のタイヤを逆回転させてその場ターンするのですから驚かないわけはありません。クルマに詳しくない方でしたら「どういうこと?」ってなるでしょう。いやはや凄すぎて笑っちゃいます。

 この他では三菱 トライトンに着目したい。日本の市場では根付きづらいピックアップトラックなのですから応援したくなります。もちろんその背景にはトヨタ ハイラックスの成功があり、三菱もそのお陰でトライトンの販売に漕ぎつけたとコメントしています。いい話じゃありませんか。ちゃんとハイラックスをリスペクトしているところが好印象です。

 なんて感じでざっくり振り返ってみましたが、バラエティに富んでいるのがわかります。そうそう今年はEクラスステーションワゴンやパサートワゴンなんていうステーションワゴンも登場しました。SUV全盛の中忘れられた存在でもありますが、その辺もしっかり市場導入されています。へそ曲がりのワタクシには今ステーションワゴンが魅力的な存在だったりするんですよね。あまり賛同は得られないと思いますが。

 いずれにせよ自動車業界の転換期であるがこそのバラエティなモデル群と考えられます。ならばそれを楽しまないと損ですよね。どうぞみなさん、広い視野で自動車業界の転換期を楽しんじゃってくださいませ。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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