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更新日:2024.07.12 / 掲載日:2024.07.12
《注目EV》ミニ・エースマン詳報
EVモデルの拡充を図るミニから、シリーズ初のEV専用モデル「エースマン」が発売された。2024年秋以降の納車を予定しているが、エースマンはどういうキャラクターなのか、ミニのラインナップの中でどういう立ち位置になるのかを分かりやすく解説していこう。
●文:横田 晃
注目の電動クロスオーバーがついに登場!

EV時代への切り込み隊長と
なりそうなエースマン
2002年3月2日の“ミニの日”に、BMWがプロデュースする初代ニューミニが日本で発売されてから、早いもので22年が過ぎた。その間を通して、このモデルは誰もがひと目でミニと見分けられるブランドアイデンティティは堅持しながら、つねに最新のトレンドを取り込んで進化してきた。
現在日本で販売されているミニは、’23年11月にSUVのカントリーマンから導入された4世代目のモデルだ。’24年3月1日には、オリジナルモデルといえる3ドアも全車にクーパーのサブネームを冠して発売されている。
この6月6日に発売されたエースマンは、新世代モデル第三弾。車格的には3ドアのクーパーと5ドアSUVのカントリーマンの間に位置する、コンパクトな5ドアクロスオーバーSUVだ。
具体的には、全長は3ドアより220㎜長く、カントリーマンより365㎜短い。全幅は3ドアとほぼ同じで、カントリーマンより90㎜狭い。全高は3ドアより55㎜高く、カントリーマンより125㎜低い。国産車でいえば人気のヤリスクロスに近い、使いやすそうなコンパクトSUVだ。
内外装や装備は、ひと目でミニと分かる表情や、すべての情報を集約した240㎜の大径丸形有機ELセンターディスプレイなど、先に出た2モデルと多くのアイテムが共通するが、このモデルには、先の2車とは根本的な違いがある。それは、エースマンはエンジン車が設定されない、シリーズ初のEV専用車なのだ。
新世代ミニはカントリーマン導入当初、1.5ℓと2ℓのガソリンに加えて、2ℓディーゼルまで設定されるエンジン車だった。しかし、3月に上陸した3ドアのクーパーでは、1.5ℓと2ℓのガソリン車とともに、135kWまたは160kWのモーターを搭載するEVモデルを導入。同時にカントリーマンにも150kWのモーターを積む前輪駆動と、140kWのモーターを前後に備えた駿足の4WDという、2タイプのEVを初めて追加している。
対して、エースマンは135kWのモーターを積むEと、160kWのSEの2グレードのみ。ともに前輪駆動で、一充電当たりの航続距離は、42.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するEは310㎞、54.2kWhのSEは406㎞と発表されている。
EVの普及は、ここへきて世界的に頭打ち傾向となっているが、そうした中で、売れ筋のコンパクトSUVのエースマンはEV市場の底辺を広げる、切り込み隊長の役割を担うことになるだろう。





