車種別・最新情報
更新日:2023.11.06 / 掲載日:2023.10.31
トヨタ新型「センチュリー」登場! 新時代のショーファーカーがSUV風になった理由
TOYOTA “新”センチュリー威風堂々
かねてから噂されていた新センチュリーが、ついにお披露目。噂どおりボディはSUVタイプだが、各所に散りばめられる匠のワザや贅沢なキャビンを見ていくと、カタチが変わってもセンチュリーの価値は不変であることを実感できる。その魅力の数々、ぜひご覧あれ!
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久

●新型センチュリー 価格&バリエーション

TOYOTA新型センチュリー主要諸元 ●全長×全幅×全高(㎜):5205×1990×1805 ●ホイールベース(㎜):2950 ●トレッド【前/後】(㎜):1705/1715 ●最低地上高(㎜):185 ●車両重量(㎏):2570 ●パワーユニット:3456㏄V型6気筒DOHC(262PS/34.2㎏・m)+ツインモーター(134㎾/270N・m【フロント】80㎾/169N・m【リヤ】) ●WLTCモード燃費:14.2㎞/ℓ ●EV走行換算距離:69㎞ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット・コイルスプリング(F) ●マルチリンク・コイルスプリング(R) タイヤ:255/55R20
新型センチュリー《コンセプト&プロフィール》
世界を狙う国産ショーファー! 今度はSUVタイプだ!
求められるニーズに応え
大胆に変貌した新センチュリー
「次の100年を見据えて、センチュリーはどうあるべきか」を徹底的に突き詰めた結果、誕生したという新しいセンチュリー。これまでのセダンタイプに比べて全高が300㎜アップし、フェンダーアーチが力強く張り出し、タイヤは22インチまで大径化。一見するとSUVと呼びたくなる雰囲気だが、トヨタ自身はあくまでこれは”新タイプ”であり、SUVという言葉は一切使わず、「これがド真ん中のセンチュリーだと確信している」と中嶋副社長もコメントを寄せた。
ではなぜ、こうしたスタイルになったのか。まず1つは、新時代のショーファーカーにふさわしい風格と、日本の美意識を感じられるデザインのため。その美意識の中には、「乗り降りする人の所作がいかに美しく見えるか」というこだわりも盛り込まれた。着物やスカート着用の人は、ある程度の座面の高さがないと所作を崩してしまう可能性があるため、開発初期にまず後席のヒップポイントを決め、そこからルーフの高さを考えていったという。ヒンジドアに関しても最大75度まで大きく開く機構を備え、センターピラーに取り付けられた大型アシストグリップはもちろん、シャッと一瞬で出てくるオート電動格納式ステップで、乗降性が大きく高められている。ちなみにカスタムオプションとしてスライドドア仕様も選べることにも、日本車らしい細やかな配慮を感じられる。
2つめは、センチュリーのようなショーファーカーを求めるユーザーの変化に応えられる、さらに高い居住性を実現するため。よりアクティブに使いたい人、移動時間をオンライン会議などで有効に使いたい人、プライベートな時間や休息を取りたい人など、多様化するニーズに応えるためには、さらに広く自由で快適な室内空間が必須だと考えたという。室内高は、VIP送迎のために生まれたラグジュアリーミニバン「グランエース」と同等を確保している。
そして3つめは、これからの時代に欠かせない環境性能と、力強い走り、センチュリーにふさわしい静粛性を兼ね備えるプラグインハイブリッドとするため。新開発となった3.5ℓ・V6のプラグインハイブリッドシステムは、134㎾/270N・mのフロントモーター、80㎾/169N・mのリヤモーター、51Ahのリチウムイオン電池からなり、EV走行可能距離は最大69㎞となる。日常はBEVとして、長距離ではHEVとして、時にはドライバーズカーとして運転を楽しんでもらうことも念頭に置いたという。

