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更新日:2022.10.07 / 掲載日:2022.10.07
新型スバル クロストレック特集!XVと新旧比較で性能・価格予想!
スバルXVは性能も価格もスバルの優等生。クロストレックの出来次第では、XVがいいという声もでてきそう。新旧を比べることで、両モデルの違いを確認してみよう。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/スバル





革新的な違いはないが
実のあるアップデートを実現
現行型のXVは、インプレッサ5ドアのボディシェルをベースに専用サスの採用や悪路対応制御付4WDシステムを採用することでSUV化したモデル。パワートレーン設定は1.6ℓと2ℓのe-BOXERの2タイプで全車が4WDを採用している。
一方、後継となるクロストレックは基本骨格を継承し、現在発表されているパワートレーンはe-BOXERのみとなる。この概要だけではほぼ同じに感じてしまうが、組み立て工程を変更してFIF化されたプラットフォームや細かな設計変更、装備類のアップデートなど、従来型から着実な進化を遂げているのもクロストレックの大きな特徴になる。
要求する性能や用途が変わっていなければXVからクロストレックに乗り換える理由も希薄。裏返してみればXVを気に入っているユーザーは、ほぼ間違いなくクロストレックも気に入るはずだ。
背高のSUVパッケージングではないが、悪路対応力はSUVの中でもトップレベル。この唯一無二のキャラは二代目以降のXVの特徴であり、悪路対応力は欲しいけれども大柄なSUVには興味がないユーザーにとってベストバランスだろう。このコンセプトこそが重要であり、クロストレックと車名が変わっても同じことだ。
走行性能については試乗しないと何とも言えないが、公開された内容からすると快適性や安心感を中心にグレードアップを図った格好。動力性能やフットワークの方向性は同じで、走りの質感が向上していると予想できる。ラフ&オフロード性能については扱いやすさの改善がメインで踏破性に劇的な変化はないだろう。悪路踏破性にしても現行XVでも必要十分以上の高レベルだ。つまり、走行性能に不満がなければ焦って乗り換えたくなるほどの変化はないと見るのが妥当だろう。
注目は価格設定
リーズナブルさは維持できるか?
見逃せないのはスバルSUVのエントリーにふさわしい価格であるかどうか? インプレッサよりは上級設定でも現行XVのベーシック仕様は1.6ℓNA車だったため、スバル車全体としてもリーズナブルな設定だった。しかし、クロストレックは2ℓのe-BOXERに変わったことで、スタート価格の上昇は避けられない。
ちなみに現行XVのe-BOXER車は最上級グレードのアドバンスでも本体価格は300万円を切っている。同じパワートレーンのフォレスターなら約323万円。クロストレックの価格はまったく不明だが、装備の拡充分の価格上昇はあるにしてもフォレスター横並びとはならないはず。
もっとも、現行XV以上のコスパを得られるかどうかは微妙。300万円未満クラスではロングツーリングでの快適性や悪路走破性はトップレベルで現行XVのコスパは相当高い。同等の魅力を維持するには価格上昇をかなり抑える必要がある。輸出市場はともかく国内では物価高がかなり厳しい条件であり、クロストレックの値付けは予想しにくい。
従来型からの買い替え前提ならば、現行XVユーザーは焦る必要はない。だが代を遡って二代目ユーザーなら愛車のやつれ具合と相談しながら検討してもいい。オン&オフの走りのバランスという点ではクロストレックと似ているが、アイサイトや車載IT関連等の装備の差を考えると、早めに乗り換えてもいいだろう。
要するにXVユーザーにとってクロストレックは最新仕様のXVであり、完全なキープコンセプト。適応用途やキャラをしっかり見据えた設計はブランドに対する信頼感を高めてくれるが、それ以上にはならない、というのが実車確認で得た印象だ。
新型クロストレック





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