アウトドア・キャンプ・車中泊
更新日:2019.08.06 / 掲載日:2019.08.05

レジャーシーズン真っ盛り♪クルマで楽しむアウトドア。

アウトドアのイメージ画像

「アウトドア」と調べると「屋外で行われる活動」となっており、キャンプや登山はもちろん、ハイキング、スポーツ、海水浴や釣りだってアウトドアの一種と言える。家を出て、美しい景色や清々しい空気に触れ、身体を動かせば、心も身体もリフレッシュできる。そして、これらアウトドアを楽しむために大活躍してくれるのがクルマである。仲間たちと好きな時に好きなルートで移動できるし、荷物を運ぶのにも便利。もちろんアウトドアの現場でも活用できる。早速、アウトドアで使えるクルマを探っていこう。
(掲載されている内容はグー本誌2019年8月号の内容です)

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「頼れる道具」として 乗って、使って、便利なクルマの選び方と楽しみ方

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構成・文/フォッケウルフ 撮影/池之平昌信、フォッケウルフ

はじめに知っておきたい! 【 アウトドアとの相性○と×】

  • icon 軽・コンパクト

    軽・コンパクトの画像

  • icon 軽・コンパクト

    ○ 優れた燃費で低コスト
    × 荷室のサイズが限られる

  • icon ミニバン

    ミニバンの画像

  • icon ミニバン

    ○ 多人数で出かけられる
    × フル乗車時は荷室が狭い

  • icon セダン

    セダンの画像

  • icon セダン

    ○ くつろいでドライブ可能
    × 悪路走行は得意じゃない

  • icon クーペ・オープン

    クーペ・オープンの画像

  • icon クーペ・オープン

    ○ 高速走行が安定している
    × 室内は狭く、悪路も苦手

  • icon SUV

    SUVの画像

  • icon SUV

    ○ 高速走行が安定している
    × 燃費はあまり良くない

  • icon ワゴン

    ワゴンの画像

  • icon ワゴン

    ○ 大容量の荷室を備える
    × 舗装路向きの低い車高

  • icon 商用ワンボックス

    商用ワンボックスの画像

  • icon 商用ワンボックス

    ○ 室内が広くアレンジ自在
    × 走行中の快適さは低め

  • icon キャンピングカー

    キャンピングカーの画像

  • icon キャンピングカー

    ○ 万能なアウトドア機能
    × 狭い道は得意じゃない

アウトドアをより深く楽しめるクルマの選び方

アウトドアを楽しむために求められるいくつかの特徴
 クルマにはさまざまなボディタイプがあり、アウトドア向きのものとそうでないものが存在する。では、どんな特徴があるとアウトドア向きと言えるのか。まず一番に挙げられるのは、荷物が多く積めることだ。キャンプをするにしても、BBQをするにしても、それなりに多くの機材が必要となる。それらを一挙に収納できる、そして収納しやすい荷室を持つクルマが求められる。
 次に重宝する特徴といえば、最低地上高の高さだ。山や海など自然溢れる場所でアウトドアを楽しむのであれば、荒れた路面でもイージーに走れる車種が向いている。最低地上高が高ければ、車体の下まわりをぶつけたりすることなく走れる。これは大抵のSUVなら問題ないだろう。
 さらに、多人数乗車というのも、愛車をアウトドアで使用する際の優位な特徴だ。これは主にミニバンがあてはまるが、アウトドアを楽しむ時は人数が多いほうが楽しいことはいうまでもない。ただしミニバンはフル乗車すると荷物のスペースが狭くなってしまうことも忘れずに。
 最後に、アウトドアへ向かう道中で必要な特徴といえば、長距離走行に適しているかどうか。乗り心地が優れていて、疲労度が少なく、さらに低燃費であれば文句ないだろう。

SUV

 高い最低地上高や4WDシステムを備え、最もアウトドア向きなボディタイプと言えるのがSUVだ。おおまかに2タイプに分けられ、ひとつは「クロカン」などと呼ばれる高い悪路走破性を持つタイプ。ランクル、パジェロなどがこちらに入る。もう一方は、ハリアーやCX-5などの「クロスオーバーSUV」などと呼ばれるタイプで、高級感のある外観や安定した高速走行性を特徴としている。

たとえば…【スバル フォレスター】

スバル フォレスターの画像

★中古車相場価格
現行型:280万から/先代型:120万から250万円

海外でも高い人気を誇る中型SUVで、スバル独自のシンメトリカルAWD(4WD)による本格的な悪路走破性能を備えている。搭載される水平対向エンジンは2.0LNA&ターボで、現行型では2.5Lモデルも設定。

優位点

  • モード変更パネルの画像

  • 4WDシステムを搭載し
    優れた悪路走破性能を発揮

    多くのSUVには4WD搭載グレードが設定されており、たいていの悪路なら走れてしまう。そのシステムはメーカーや車種によってさまざまだが、路面ごとに設定を変えることができるモデルが多い。

  • バンパー下の画像

  • 最低地上高が高いため
    多少の凸凹路面も問題なし

    高く設定された最低地上高もSUVの特徴。タイヤ以外の部分が地面につきにくく、多少の凸凹なら乗り越えることが可能だ。また、バンパー下にガードが付くモデルも多く、ぶつけても被害は少ない。

  • ラゲッジルームの画像

  • ラゲッジルームの
    開口部が広く使いやすい

    ワゴン同様、キャビンと荷室がつながっており、荷室の開口部は広くなっている。さらに最近のモデルでは、開口部の下端がなるべく低くなるよう設計されているものもあり、重い荷物も積載しやすい。

なるほど便利! 大量の荷物はこう積むべし!

ラゲッジの画像

上手く整理して積まないと、荷室内にキズをつけてしまったり、ハッチをあけた途端に荷物が落ちてしまうことも。

アウトドアに使用する荷物は多いが、それらをただ闇雲に積みこむのは良くない。走行中に崩れたりして、荷物自体がつぶれてしまうこともある。基本的には重いものや硬いものを下に置くようにして、場合によってはヒモなどで固定するのがいい。

icon OTHER MODEL

  • 日産 エクストレイルの画像

  • [日産]エクストレイル
    ★中古車相場価格:120万から280万円
    適度なサイズ感やハイブリッドの設定などで人気のミドルサイズSUV。個性的スタイルの先代型も魅力的だが、現行型も登場後5年が経ち、買いやすくなった。

  • ホンダ CR-Vの画像

  • [ホンダ]CR-V
    ★中古車相場価格:110万から150万円(先代型)
    カジュアルなシティSUVの代表的モデル。走行感覚は乗用車的で運転しやすく、使い勝手も優れている。今年新型が登場したことで、先代モデルが狙い目に。


ワゴン

 荷室の広さに特化したボディタイプだけに、大量の荷物を必要とするアウトドアには最適だ。重心が低いことから走行安定性も高い。近年のモデルは、荷室の広さだけでなく使い勝手も向上しており、使用用途によって最適な車種を選び出したい。車種数はあまり多くないが、今も新車販売されているものは高い実用性を備えている。

icon RECOMMENDED MODEL

  • トヨタ カローラフィールダーの画像

  • [トヨタ]カローラフィールダー
    ★中古車相場価格:50万から180万円
    適度なサイズで取り回しに優れるカローラのワゴンモデル。今年新型が発売されることもあり、相場は下げ止まっている感がある。

  • スバル レガシィツーリングワゴン

  • [スバル]レガシィツーリングワゴン
    ★中古車相場価格:40万から160万円
    最終型はボディサイズが大きめで、必然的に車内スペースも荷室も広い。車高を高めてSUVの装いにしたアウトバックもある。


ミニバン

 一時代を築いたミニバンもアウトドア向けのクルマだ。ポイントはなんといっても多人数乗車できるところ。目的地までの道中、家族や仲間とワイワイ楽しくドライブできる。また、最近のモデルは室内高が高いことから、車内で、着替えをはじめとしたさまざまな作業がこなせることも魅力。さらに、身体を伸ばしてくつろげるスペースもあるので、一時的な休憩にも使える。

たとえば…【ホンダ ステップワゴン】

ホンダ ステップワゴンの画像

★中古車相場価格:160万から260万円
初代モデル以来、機能性を追求してきた箱型ミニバン。15年登場の現行型は、低床フロアによる高い室内高やシンプルなデザインを特徴とし、横開きも可能な「わくわくゲート」というライバル車にない魅力を持つ。

優位点

  • 床下収納の画像

  • 低床かつ3列目床下収納で
    荷物の積み下ろしがラク

    3列目シートを床下収納できるモデルなら、スペースを有効的に使える。3列目を立てた状態でも荷物を床下に収納することが可能だ。また、最近は低床設計モデルが多く、積み込みも容易である。

  • フルフラット状態の画像

  • フルフラット状態にすれば
    車内にくつろぎ空間が出現

    室内高が高いミニバンなら、アウトドアの最中でも室内休憩をとりやすいし、子どもの着替えなどにも利用できる。さらに、シートアレンジでフラット状態にできるので、身体を横にすることも可能だ。

なるほど便利! 自転車だって簡単に積載できる!

自転車を積載している画像

積載時は車体をロープで固定したり、自転車と接する部分にタオルや毛布などをかませるなどの対策が必要だ。

自転車がブームとなっているが、郊外までクルマで持って行ってサイクリングを楽しむのもアウトドアの一種だ。現在では軽自動車でもタイヤを外さずに積載できるモデルが増えてきたが、床が低く室内高が高いミニバンが最も積載性に優れている。

icon OTHER MODEL

  • 三菱 デリカD:5の画像

  • [三菱]デリカD:5
    ★中古車相場価格:30万から200万円
    他のミニバンとの大きな違いは、SUV風のエクステリア。マイナーチェンジしたばかりの最新型はまだ高いが、初期モデルなら100万円以下で十分選べる。

  • ホンダ オデッセイの画像

  • [ホンダ]オデッセイ
    ★中古車相場価格:140万から260万円
    他車に先駆けて低床フロアを採用した上級ミニバン。3列目シートは床下収納式でフラットな床面を実現。走行安定性も高く、スポーティな走りが楽しめる。

クルマでアウトドアを安全に楽しむために【知っておきたい6つのこと】

POINT 1

走行のイメージ画像

路面状態の変化に合わせた運転を心がける
 4WD車やSUVのような車高(最低地上高)の高いクルマに乗っていると、どんな道でもそのまま走れそうな気になるが、路面状況が変化したら、必ず細心の注意を払って走行すること。たとえば、大雨や雪が降ってきたら、自分の目で路面状態を確認できるくらいまで速度を落とし、場合によっては徐行すべきである。

POINT 2

山道を走る画像

山道を走行する際は
登り優先のルールを守る

 山道を走っていると、時にはすれ違いが困難な道路に直面することがある。そういった場面では、必ず下り方向のクルマが停車して待つこと。教習所でも習う初歩のルールだ。もちろん、山道のような視界の悪い所では、いつ対向車が来るか判断しづらいこともあるので、極力、速度を落として走ることを忘れずに。

POINT 3

予備のバッテリーの画像

バッテリーが上がっても
対応できるよう準備する

 アウトドアではクルマから電源を引いてきて電化製品などを使う人も多い。しかし、時にはそれが原因でバッテリーが上がってしまうことも。他車があれば、ブースターケーブルをつないで再始動できるが、一台だけで出かける場合は、予備のバッテリーを用意したり、JAFなど救助サービスの連絡先を控えておこう。

POINT 4

車中泊の画像

車中泊ではクルマを止める場所に注意する
 車中泊をする際は、最低限知っておきたいことがある。まず、人に迷惑がかからない場所に駐車すること。そして、エンジンをかけたままの睡眠は厳禁だ。最悪の場合、車内に排気ガスが入り込み、一酸化炭素中毒になることも。車上荒らし対策としては、ドアロックを忘れないことと、車内が見えないようにすること。

POINT 5

高速道路を走行する画像

長距離運転中に眠くなった時の対処法
 運転中の眠気への一番の対策は、やはり寝ることだ。高速道路ならSAやPAに止めて、10分寝るだけでも違ってくる。すこし身体を動かすのもいいだろう。渋滞に巻き込まれてクルマを止められないなら、窓を開けたり、同乗者と話をしたり、歌を歌ってみてはどうか。乗車前にガムやコーヒーを用意しておくのもいい。

POINT 6

不整路面を走る画像

クルマだからといって
不用意に入っていかない

 せっかく悪路走破性の高いクルマを買ったのだからと、山道にある凸凹や傾斜地、さらには浅い川などを愛車で走ってみたいという人もいるだろう。しかしどうしても走らなければいけない場合を除き、不整路面を走ることは避けたほうが無難である。突然の大雨で路上に水が溜まってしまった冠水路なども同様だ。

COLUMN【はじめてのクロカンSUV購入記】

ここまで読んで「アウトドアを楽しめるSUVが欲しい!」と思った人のために、実際にSUVを選び、買う流れや雰囲気はどんな感じになるのかを知ってもらうべく、最近SUVを購入したライターによる実践ルポをお届けしよう。

  • 安ド二等兵の画像

  • 編集ライター 安ド二等兵
    本誌をはじめ、さまざまな自動車誌や一般紙などでクルマにまつわる記事を制作。家族は妻と長男。この特集に合わせてという訳ではありませんが(笑)、パジェロ買いました。

クロカンSUV購入時のチェックポイント

インパネの画像

★下まわりのダメージを確認
★運転席でボディサイズを実感
★試乗して直進性を確かめる


できるかぎり試乗はしたい。SUVは足まわりにダメージがあることも多く、納車後に「まっすぐ走らない」と泣いても後の祭りである。

 筆者が過去に乗ってきた愛車は、輸入車やスポーツモデルばかり。しかし数年前、当時の愛車であったイタ車が路上で走行不能になるトラブルに遭遇したため、妻から「次は(壊れにくい)国産車!」という要求を突きつけられていた。さらに、子どもを両親に会わせたり、友人家族を乗せる際に、3列シートなら便利だということ、MT車に乗りたいという自分のこだわりもあり、これらを吟味した結果、パジェロを買うことにした。
 購入時は、もちろんグーネットを利用したのだが、5ヶ月以上、ほぼ毎日グーネットを眺めていた。なにしろパジェロの現行型のMTというだけで、全国的に探しても常時10台程度しか流通していない。さらにロングとなると半分以下となる。
 この期間に実車を2台ほど見たが、即決はしなかった。今思えば、焦って買わずによかったと思っている。これらの物件は車体下面にサビが出ていたのだ。その店の店員は「サビが少ない物件です」と言っていたが、決してそんなことはなかった。やはり時間に余裕があるなら、コレ! と思う物件が出てくるまで数多く見たほうがいい。
 そしてGWのある日、条件に見合う新物件がグーネットに登場した。店に電話をいれて、早速、店舗を訪れる。相場より20万円ほど安かったためか、実車は写真で見るよりキズが目立つ。走行も8万キロ超え。だが、エンジンルームや内装などは綺麗だ。気になった部分について店員に尋ねると、「入庫したばかりで私もまだ詳しく調べてないのですが」などと言いつつ、一緒に見て触って、考えてくれた。これで販売店への信頼は増した。店員と実車を前に確認することは大切だ。キズや修復の程度だけでなく、記録簿や、あるはずの装備品がないなど、納車後に気づいても遅いのだ。
 そして納車日。契約書類や保証内容の確認などを終え、いざ路上へ乗り出す。高速でグッとアクセルを踏みこむと、想像していたよりパワフルで、これなら高速走行も楽だ。同時に燃費が悪そうだと実感したが、もちろんそれは覚悟していたことだ。妻は、自分の指定席である後席が広いこと、そして、着座位置が高くて見晴らしがいいことを喜んだ。渋滞時の息苦しさもすこし減るんじゃないだろうか。
 基本的には格好で選んだSUVだが、これがあれば山や海などの悪路も走れるという、ある種の“無敵感”が感じられる。輸入車のオシャレ感やスポーツカーの速さとはベクトルの違う魅力だ。これで幼い子どもとの思い出作りにはげみたいと思う。

  • パジェロの画像

    実車を目の前にするとテンションが上がってしまうが、努めて冷静に車両をチェック。車検が切れていたため、残念ながら試乗はできず。

  • パジェロの画像

    国産車最長クラスの全長なため、自宅駐車場ではピッタリ後方に寄せないと前がはみ出てしまう。後方視界が悪いため、リアカメラも必要だ。

  • パジェロの座席の画像

    車高が高いため、3列目へのアクセスは良くない。重いセカンドシートを畳むにも力が必要だ。3列目を頻繁に使う人ならミニバンがおすすめ。

  • パジェロの画像

    納車後一ヶ月が経ち、妻が一言。「スライドドアのほうがよかったなぁ」だと。それが(カタチ的に)イヤだからSUVを選んだというのに!(涙)


アウトドアカーの ベストチョイス?【グー的キャンピングカーのひみつ】

キャンピングカーの画像

アウトドアをクルマで楽しむにあたって、その主役ともいえるのがキャンピングカー。超本格派から簡易キャンパー、軽キャンパーまで多彩に揃っているから、初心者でも手に入れるチャンスは十分にあるはずだ。今回はキャンピングカーの初歩について、わかりやすく解説する。
TEXT/自動車ライター・塚田勝弘

01 普通のクルマとキャンピングカーの違いは?

キャンピングカーの画像

トヨタのハイエースや日産NV350キャラバンなどをベースとした“バンコン”が一番人気。普通免許で運転できるサイズだ。

 乗用車とキャンピングカーとの違いといえば、キャンピングカーのほうが比較的サイズが大きく、重量もかさみがちということ。明確な違いは自動車登録番号で、8ナンバーが認められているキャンピングカーは、01年4月以降、不正取得を防ぐため構造要件が厳しくなった。だが、最近は8ナンバー登録も必ずしも主流派ではない。
 もちろん装備も異なる。キャンピングカーはシートを展開させてベッドにできたり、キッチン付きダイネット(リビング)があったり、常設ベッドやトイレがあるモデルもある。さらに、2重フロアや断熱材を張り巡らせた仕様も珍しくない。また、ポップアップルーフを備えた仕様なども人気を集めている。

02 キャンピングカーの種類は?

キャンピングカーの画像

こちらはトヨタ・カムロードをベースとしたキャブコンで、運転席上部にバンクベッドを備え、大人3人が就寝できる。

 自走式のものは、専用シャーシを持ち、キャビンを含めて専用設計されたフルコンバージョン(フルコン)と、バンをベースとしたバンコンバージョン(バンコン)などが多い。これらが現在一番人気のタイプだ。ほかに、キャブ付きシャーシにキャビンを架装したキャブコンバージョン(キャブコン)も定番。ほかにもマイクロバスやバスをベースにキャンピングカーに仕立てたバスコンバージョン(バスコン)、軽自動車ベースの軽キャンパー、ピックアップトラックをベースとしたトラックキャンパー(トラキャン)などもある。
 ほかのクルマを使って引っ張る牽引式には、トレーラーやトレーラーハウスなどがある。

03 普通免許で運転できる?

普通免許で運転可能のステッカー画像

普通のクルマでもキャンピングカーでも普通免許で運転できるサイズや重量は同一。牽引免許の750kg以下という重量も同じ。

 運転免許においては普通のクルマとキャンピングカーに差はない。17年3月12日以降の新免許制度では、「最大積載量2t未満、車両総重量3・5t未満で、かつ乗車定員10人以下」が条件となった。それ以前に免許を取った人は、改正前の旧免許制度が引き続き適用されるため、「最大積載量3t未満、車両総重量5t未満で、かつ乗車定員10人以下」が条件になる。
 牽引式は750kg以下であれば普通免許でも運転できるが、750kgを超えるトレーラーなどを牽引する場合は、750kg以上から5t未満の普通牽引免許というものを取得する必要がある。750kg以下でも多様なトレーラーが揃っている。

04 流行の軽キャンパーとは?

軽キャンパーの画像

限られたサイズでも広めの室内、荷室空間を活かした軽キャンパー。大人1人から2人に小さな子どもで使う若い人にも人気。

 00年代半ばから後半にかけての第1次、そして現在、第2次ブームといえる人気ぶりとなっているのが軽キャンパーだ。元祖は、91年に群馬のフィールドライフが仕立てたトライキャンパーといわれている。
 スズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼット、ホンダ・N-VANなどの商用バンを架装したタイプが主流だが、N-BOXなどの乗用車ベースもある。屋根が開くポップアップルーフ付きやミニキッチン付きなど種類は多彩で、小さな空間に詰め込むことが得意な日本人ならではの世界が広がっている。ポップアップルーフ付きなら大人2人、小さな子ども2人就寝にも対応するが室内空間は限られている。

05 家電製品は使えるの?

家電製品の画像

電子レンジやエアコン、冷蔵庫、TVなどの家電も活躍。バッテリーやインバーター、キャンピングカー専用家電もある。

 普通のクルマと同じように、車内で家電を使うには、クルマの直流のDC12Vでは使えず、交流のAC100Vに変換する必要がある。そのためには、DC-ACインバーターが不可欠で、電子レンジや炊飯器などを安定的に使うには1500W以上の大容量が向いている。
 さらに、サブバッテリーも必要だ。鉛バッテリーが主流だが、近年では高価格ではあるが、充放電を繰り返しても長持ちするリチウムイオンバッテリーも登場している。充電は持ち運びを前提に家庭でするか、クルマのオルタネーターを使う走行充電もある。さらに、ソーラーパネル/充電コントローラを発電して充電する方法もある。

06 キャンピングカーの価格や維持費は?

キャンピングカーの室内の画像

キッチンや高い室内高などの条件をクリアした8ナンバー登録のキャンピングカーは、車検や税金で長所短所ともにある。

 8ナンバー登録のキャンピングカーは、初回時も含めて2年ごとに車検を受ける必要がある(普通のクルマは初回3年)。この初回時も2年ということから、費用や手間の面などから8ナンバー登録のキャンピングカーを回避する人も少なくない。では、8ナンバーの利点はなにか? 小型貨物自動車(4ナンバー)も初回は2年だが、以降毎年車検が必要なので、4ナンバーよりも車検費用を抑えることができる。
 また、毎年支払う必要がある自動車税が安くすむのが8ナンバーの利点で、3ナンバーなどの普通のクルマよりも20%安くなる。また、重量税も半額ですむというメリットもある。

07 価格は? ローンは組める?

キャンピングカーの画像

購入費用や維持費から大型車から軽キャンパーに乗り替えるダウンサイジング派も増えている。自分のクルマで自作する手も。

 キャンピングカーの価格は、ベースとなるクルマの料金に架装費用を加えた額と考えていいが、装備はオプションである場合が多く、増えるほど高額になる。19年3月の日本RV協会の発表によると、購入層の予算は300万円以下が9・9%、500万円以下が31・0%、1000万円以下が40・8%、1000万円以上が18・3%となっていて、金銭的に余裕のある層が中心ではある。
 だが、普段使いもできるモデルなら、少し高めの新車を購入する感覚で、という人も増えている。最近はローンも展開されているし、残価価値が高いという利点もある。いきなり新車ではなく、中古車やレンタカーで試すという手もあるだろう。

08 車中泊に必要な装備は?

ポップアップルーフの画像

メッシュ付きポップアップルーフなら、車内の換気、外気の導入が可能。網戸もオートキャンプ場やRVパークなどで重宝する。

 キャンピングカーを受け入れているオートキャンプ場をはじめ、年々増えているRVパークなどを活用して(高速のサービスエリアなどでの長期間駐車はマナー違反という声が多い)車中泊する際、どんな装備があれば良いだろうか?
 夏場であれば、車内の空気を入れ換えるルーフベント、扇風機や網戸のほか、費用はかかるがエアコンも欲しいところだ。ポップアップルーフ仕様なら大半がサッシュ付きなので、比較的快適に就寝できる。冬場は断熱対策が施されたキャンピングカーであること、エンジン停止時でも使えるFFヒーター(一酸化炭素警報器も欲しい)なども欲しい。サンシェードやカーテンは季節を問わずマストアイテムだ。

総括 【愛車とともに刻む楽しい思い出】

 かつて某車のCMで「モノより思い出」というキャッチコピーが使われていたが、クルマでアウトドアを楽しむということはまさにそれ。愛車に乗ってちょっと郊外へ出て、明るい陽の下ですこしでも身体を動かせば、それはもうアウトドアであり、一緒に過ごした人との思い出となり、人生の糧になる。そのために、自分はどんなアウトドアを楽しみたいか。その目的を果たすのにふさわしい機能を持つクルマを選ぶことで、アクティビティがより便利で、楽しいものになる。梅雨が終われば、いよいよ日差しの眩しい季節。まさにアウトドアシーズン真っ盛りだ。あなたがこの特集を参考にしてクルマを選び、素敵なアウトドアを実践できれば、これ幸いである。

※中古車価格はグーネット 2019年6月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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