ローカライズ
更新日:2025.07.29 / 掲載日:2025.07.29
7つの秘湯をめぐる楽しみ。乳頭温泉郷【クルマと旅する、にっぽんの温泉】
温泉は自然と人が育んだ日本の観光スポット。長きにわたって親しまれてきた名湯・秘湯に浸かるひと時はまさに癒しの時間。その温泉を中心に賑わい、発展してきた街を散策するのも楽しみの一つです。
そんな温泉地の旅は、愛車でのドライブ旅がオススメ! 自然が織りなす四季折々の風景を楽しみつつ、ふと気になった場所へ気軽に寄り道できるのは、ドライブ旅ならではの醍醐味です。今回は東北の秘湯、乳頭温泉郷を紹介!
ピンチを乗り越え復活! 孫六温泉はサウナ好きも必見の秘湯スポットに

乳頭温泉郷(秋田県仙北市)は、十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に位置。ブナの森に七つの宿が点在し、それぞれ独自の源泉からさまざまな泉質の湯が湧き出ています。旅行会社のスタッフなどが投票する2024年度の「にっぽんの温泉100選」では全国19位、東北エリアで2位にランクイン。「選んだ理由別」では「雰囲気」で15位、「泉質」で14位。あこがれの秘湯として支持されています。

乳頭温泉郷の7軒は、鶴の湯、妙乃湯、黒湯温泉、蟹場温泉、孫六温泉、大釜温泉、休暇村乳頭温泉郷。「七つの宿、七つの湯」として、7軒が一体となり、長年にわたって誘客促進や地域づくり、ブランド化に取り組んでいます。

危機も地域一体で乗り越えました。22年、孫六温泉が後継者の不在や人材不足のため、事業の継続を断念するという事態に直面。これに対し他の宿は、「乳頭温泉郷は七湯で一つ」「孫六温泉の灯を絶やすな」との思いで一致し、共同で出資する形で、孫六温泉の経営を地域で受け継ぎました。

孫六温泉は、観光庁の補助事業「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」も活用して改装し、25年4月にリニューアルオープン。「山の薬湯」といわれる秘湯の魅力はそのままに、「孫六温泉―六庵―」としてプライベート感のある宿に生まれ変わりました。湯浴み着着用で混浴露天風呂に入れるほか、乳頭温泉郷で唯一のバレルサウナは要チェックです!
七湯めぐり必須のアイテム「湯めぐり帖」

七湯それぞれの魅力を堪能できる、乳頭温泉郷の宿泊客だけが購入可能な「湯めぐり帖」(大人2500円、こども1000円)を各施設のフロントで販売。販売から1年間の有効期間内であれば、7軒それぞれに1回入浴できます。さらに、乳頭温泉郷内を循環しているシャトルバス「湯めぐり号」に乗車できるというお得なアイテムなんです。

また、日帰り入浴客も購入できる「湯めぐりマップ」(1000円)は、入浴料は含まれていないものの、販売日に限って「湯めぐり号」が1日乗り放題に。日帰りで七湯を巡るならぜひともゲットしたいアイテムです。

乳頭温泉郷の宿7軒は、23年7月に事業協同組合を設立。従来の温泉組合という任意団体から、県知事の認可による「乳頭温泉郷協同組合」に態勢を一新し、ブランディング、旅行者の誘客・受け入れ、人材の確保などへの取り組みを強化しています。

ブランディングの一環では、秋田県仙北市の「乳頭温泉郷」として、24年4月に地域団体商標への登録を実現。乳頭温泉郷協同組合が発足直後の23年9月に出願し、特許庁から登録が認められました。地域ブランドの保護、競争力の強化、地域経済の活性化につなげていく考えとの事で、今後の取り組みにも注目です。

乳頭温泉郷
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