カーライフ
更新日:2020.09.29 / 掲載日:2020.09.29
台風の水害で車が水没・浸水・冠水したときの対処法!水に浸かっても走行できる距離を解説

グーネット編集チーム
大型台風の予報が出ると、水没・浸水・冠水などの水害が心配です。
車は、どのくらいの水位までなら走行できるのでしょうか?もし水に浸かってしまったら、どうなるのでしょうか?
今回は、「台風による水害と車」に関する情報をご紹介します。
冠水・浸水・水没した車はどうなる?
冠水・浸水・水没した車には、おもに以下のような現象が起きます。
電気系統の故障・トラブル
エンジンの故障(ウォーターハンマー)
各部品の劣化・腐食
カビ・雑菌の繁殖
雨や雪などの水分量であれば問題なく走行できますが、車の内部にまで水が侵入してくると、さまざまな故障・トラブルが発生します。
特に、水深30cm以上の場所で走行するのは危険です。マフラーが機能しなくなり、エンジンストップ(エンスト)につながります。
また、電気を通しやすい海水が車内に入ると電気系統がショートしやすくなるほか、発火・爆発のリスクもあります。
車が冠水・浸水・水没したらどうすればいい?

グーネット編集チーム
車が冠水・浸水・水没したら、以下の4つのポイントを参考にして行動しましょう。
水圧がかかる前に脱出する
車は60cm程度の水没でも人力でドアを開けるのが難しくなるので、水圧がかかる前に脱出するのが望ましいです。
脱出が遅れてしまった場合は、慌てずにサイドウィンドウが開くかどうか確認してください。水面が窓より下にあれば、電気系統がショートしていない限り、サイドウィンドウから脱出できます。
パワーウィンドウが機能しない場合は、サイドウィンドウを割りましょう。フロントウィンドウは大きくて視界に入りやすいですが、中間膜が入った合わせガラスになっているため、なかなか割れません。
強化ガラスを使用しているサイドウィンドウであれば、細かく砕けるうえに破断面も丸いため安全です。
水没しても焦らず脱出のタイミングをうかがう
窓が開かず、ハンマーや代わりになるものを持ち合わせていない場合は、焦らずに水が車内に入り込むまで、シートベルトを外して待機しましょう。水が車内に入り込むと車外との水圧差が減り、ドアを開けやすくなります。
ただし水圧がなくなるわけではないので、「ドアを強く蹴って開ける」ことを意識してください。
火災の危険!冠水後はエンジンをかけない
国土交通省は、「冠水・浸水・水没した車はエンジンをかけないように」と呼びかけています。砂利や異物が車の内部に入り込むと電気系統がショートしやすくなるほか、浸水によってエンジンが故障し、時間の経過とともに発火・爆発の危険性が高まるからです。
冠水後は、見た目に損傷がなくてもエンジンをかけるのは止めましょう。
水没した車はレッカー車で運ぶ
自力走行できなくなった車は、以下のような場所に連絡し、レッカー車を手配して移動してもらいましょう。
JAF
自動車保険のロードサービス
自動車販売店
整備工場
など
上記に加えて、国土交通省では以下の注意喚起も行なっています。
高圧電気を搭載したハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、むやみに触らないこと
発火のおそれがあるため、バッテリーと接触しないようにマイナス側のターミナルを外しテープなどで覆うこと
冠水・浸水したら自動車はどれくらい走行できる?

グーネット編集チーム
JAFのユーザーテストによると、浸水深30cmほどであれば時速10km・30kmのどちらでも約30mの走行ができます。ただし、時速30kmではエンジンルームへの入水があり、巻き上げる水量も増えるそうです。
浸水深60cmのなかでは、時速10kmで走行すると、約31m地点でエンジンが停止しました。
実際の環境下では、ほかにもさまざまな要因が関係してくるため、ユーザーテストよりも悪い結果になる可能性も十分にあります。
冠水している場所はできるだけ避け、迂回ルートを通行するようにしましょう。

グーネット編集チーム
まとめ
台風による水害に遭った場合は、「焦らず冷静に行動する」ことが大切です。
ドアが開くうちに脱出しておくのがベストですが、間に合わない場合は窓を割る、もしくは水圧が下がるのを待って車外に脱出してください。
冠水している場所は無理に走行せず、安全を優先して迂回路を検討しましょう。