カーライフ
更新日:2019.11.12 / 掲載日:2019.11.12
3点式と4点式の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを学ぼう

グーネット編集チーム
一般的なクルマで使われているシートベルトは3点式のものですが、その他にも、4点式シートベルトというのも存在しています。両者ともにシートベルトですから、万が一の際に、身体への衝撃や身体が車外へ投げ出されないために重要なものであるはずです。
今回は、3点式シートベルトと4点式シートベルトとでは、どのような違いがあるのか、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
3点式・4点式シートベルトの違いとは?
3点式シートベルトと4点式シートベルトの違いは、身体をシートに固定する方法にあります。
3点式シートベルトは、一般的のものであれば、肩の上あたりから自分の身体の前を通して、ワンタッチで腰まわりのバックルにはめ込んで使用します。一方で4点式シートベルトは、両肩と両腰にベルトをするタイプです。
普段は見かける機会も少ない4点式シートベルトですが、オートレースで使われるクルマには、この4点式シートベルトが搭載されています。オートレースでは、通常の運転よりもスピードが速く、身体への負荷も大きくなりがちです。そのため、3点式シートベルトよりも、しっかりと身体を支えられる4点式シートベルトの方が、適していると言えるでしょう。
このように聞くと、「では普通のクルマにも4点式シートベルトを採用した方が、安全性が高まるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、公道を走る際に、4点式以上のシートベルトの着用は認められていません。仮に3点式シートベルトをせずに4点式シートベルトのみを付けた状態で公道を走行すると、シートベルト装着義務違反になってしまいます。
3点式シートベルトのメリットやデメリット

グーネット編集チーム
公道での使用が3点式シートベルトに限定されている理由はさまざまですが、その中の一つが、このタイプが持つメリットとなります。
3点式シートベルトのメリット
3点式シートベルトには、以下のようなメリットがあります。
・固定方法がワンタッチで簡単
・事故の際の身体の飛び出しを防ぐなど、安全性が高い
・ある程度、身体が自由に動く
シートベルト装着がワンタッチで可能であるということは、着脱が簡単に行えるということです。誰でも手軽にシートベルトを装着することができるのはもちろん、事故時に、クルマの中に取り残された人を救助する場面においても、ワンタッチで外せる3点式シートベルトが便利です。クルマに乗る人の身の安全を確保しつつ、ある程度の自由な動きができる点も、3点式ならではのメリットだと言えるでしょう。
3点式シートベルトのデメリット
一方でデメリットとしては、正しく装着していなければ、安全性能が発揮されないという点が挙げられます。もちろん、4点式シートベルトの場合も、同じことが言えますが、3点式シートベルトでは、正しく装着しなかった場合の安全性能が著しく低下してしまい、場合によっては2次的な被害につながる場合もあります。
また、単純に安全性能だけを比較した場合は、4点式シートベルトに劣ると言ったデメリットもあります。
4点式シートベルトのメリットやデメリット
一方で4点式シートベルトにも、やはりメリットとデメリットが存在しています。
4点式シートベルトのメリット
4点式シートベルトのメリットは、以下の通りです。
・3点式よりもしっかりと身体が固定できる
・運転に集中できる
両方の肩を固定することで、安全性能が高まる点が、4点式シートベルトの最大のメリットとなります。身体が固定されることで、運転に集中しやすい環境も整えられることでしょう。
4点式シートベルトのデメリット
しかし公道を走るクルマに4点式が採用されていないのは、やはりデメリットも存在しているからです。このタイプのデメリットは、以下の通りです。
・身体が固定される分、自由度が低い
・シートベルト装着に手間がかかる
身体をしっかりと固定することは、メリットでもありデメリットでもあります。4点式シートベルトを装着した場合、ドライバーはハンドル以外の部分に、ほとんど腕を伸ばせなくなってしまいます。また、「身体をひねって、後方の様子を確認する」という作業も難しくなってしまうでしょう。このように、4点式シートベルトを装着すると、周囲の安全確認が不可能になってしまうのです。もちろん装着の手間もデメリットの一つとなります。
これらの特徴を踏まえた上で、「4点式シートベルトは公道利用に適さない」という判断が下されています。
3点式や4点式シートベルトを正しく付ける方法
シートベルトの安全性能を発揮させるためには、3点式も4点式も、「正しい方法で装着する」ということが非常に重要なポイントとなります。
3点式シートベルトを装着する際に大切なのは、その姿勢です。座席に浅く腰かけた状態でシートベルトを締めても、万が一の際に、身体を正しく抑えられない可能性があります。また、背もたれと肩、背中の間に隙間があるのもNGです。肩から腰に向けてクロスさせるベルトは鎖骨の中心付近に、腰から反対側の腰にクロスするベルトはできるだけ低い位置を通るよう調整してください。
4点式シートベルトの正しい装着方法は、まず初めに腰のベルトをしっかりと締めます。次に、上半身が動かないくらいまで肩ベルトを締めます。
ベルトが浮いてしまうことがないよう、きっちりと締めることで、そのメリットが生きてきます。
まとめ
私たちが普段目にする機会が多いのは3点式シートベルトですが、今回ご紹介した4点式をはじめ、さまざまなタイプのシートベルトが存在しています。
それぞれのシートベルトのメリット・デメリットを理解し、正しい装着方法についても頭に入れた上で、適材適所で使用するシートベルトを選択しましょう。