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更新日:2019.10.28 / 掲載日:2019.10.28
【軽自動車】メーカー各社の特徴に違いはある?各社の人気車種も紹介

グーネット編集チーム
軽自動車には車体サイズやエンジンの排気量など、細かい規格が決められており、普通車と比べるとボディの形状やデザインに違いが出にくい傾向があります。しかしながら、各社のラインナップにおける環境性能や先進の安全装備などを比べていくと、意外にも各メーカーごとの違いや特徴があるのがわかります。
ここでは、各軽自動車メーカーの販売シェアや特徴のある技術、人気車種について詳しく解説していきます。
ダイハツの特徴・人気車種
ダイハツは、日本では軽自動車メーカーとして知られており、軽自動車の国内販売シェアは2018年において31.8%で第1位を獲得しています。そんなダイハツの安全装備といえば、衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制制御機能などが盛り込まれた「スマートアシストIII」が挙げられます。
また、ダイハツは燃費向上技術を総称して「イーステクノロジー」と呼んでおり、熱の活用などでエンジン・CVTの効率を高めたパワーユニットや車両の軽量化、空力性能の向上、軽量ボディ、転がり抵抗の低減、アイドリングストップ、エコ発電制御などが含まれます。
ダイハツの軽自動車のラインナップは、背が高いモデルとしてタントやウェイク、ムーブキャンバス、アトレーワゴン、ワゴンモデルとしてはムーヴ、背が低いモデルはミライースやキャストなどとなります。その他にも、オープンスポーツであるコペン、商用のハイゼットトラックやハイゼットカーゴ、特装車としてダンプシリーズなどもラインナップしています。
その中でも販売台数が多い人気モデルは、2018年に136,558台を売り上げたタントが挙げられます。タントは、ミラクルオープンドアなどの独自機構が特徴のスーパーハイトワゴンであり、軽自動車全体で第3位の販売台数を誇ります。他には、第5位にミライース(84,134台)、第7位にムーブキャンバス(74,326台)と続きます。なお、全メーカーの軽商用車で最も売れているのはハイゼットトラックの79,123台となっています。
スズキの特徴・人気車種

グーネット編集チーム
スズキも軽自動車が得意なメーカーですが、最近では普通車の販売にも力を入れています。2018年における国内の軽自動車の販売シェアは30.5%となり、ダイハツに次いで第2位となっています。
スズキの安全装備といえば、「スズキ セーフティ サポート」と呼ばれる技術で、車線逸脱警報機能やふらつき警報機能、標識認識機能、自動(衝突被害軽減)ブレーキなどがセットになっています。
軽自動車で初となるクルマの周囲が立体で見える3Dビューやフロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイ、後退時ブレーキサポートなどもあり、安全面でも非常に高い技術力を持ったメーカーです。
また、スズキの燃費向上対策は、スズキグリーンテクノロジーという言葉に集約されます。これは、モーターの力で走行をアシストするマイルドハイブリッド、アイドリングストップシステム、アイドリングストップ中でも冷たい風をキープするエコクール、軽量&高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT」などが合わさったものです。
スズキの軽自動車のラインナップも幅広くなっており、ハイトワゴン系ではスペーシアやエブリイワゴン、ワゴンではワゴンRとなります。他にも、スポーツモデルではアルトワークス、SUVではジムニーやハスラーとなり、非常に個性が強いモデルを多く取り揃えていることもスズキの強みといえます。もちろん、商用のエブリイバンや軽トラのキャリイもラインナップしています。
その中でも販売台数が多い人気モデルとしては、2018年に販売台数第2位となったスペーシア(152,103台)です。そこに続くのが、第4位のワゴンR(108,009台)、第8位のハスラー(65,290台)となります。なお、全メーカーの軽商用車で2番目に多く売れたのがエブリイバンなので、バンのカテゴリーでは最もシェアが高くなっています。
ホンダの特徴・人気車種
ホンダは、軽自動車からスーパースポーツカーまでつくる非常に珍しいメーカーです。ただし、ダイハツやスズキと比べると軽自動車のラインナップは非常に限定的であり、販売の主力はNシリーズという車種名にNが付くモデルです。なお、ホンダの2018年における国内の軽自動車の販売シェアは19.2%で第3位でした。
まず、安全性能として有名なのが安全運転支援システムHonda SENSINGです。平成29年度自動車アセスメントの予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得しており、衝突軽減ブレーキや誤発進抑制装置、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどがセットになっています。
ホンダは他のメーカーのように燃費性能に過度に固執することはせず、軽乗用車初となるバルブコントロール機構VTEC付きのエンジンを採用するなど、パワーと燃費のバランスを大事にしたメーカーといえます。
ラインナップとしては、N-BOX SLASH、N-BOX、N-ONE、N-WGNに加え、スポーツカーのS660、商用車のN-VANとアクティ・トラックのみとなっています。その中でも販売台数が多い人気モデルは、2018年に堂々の販売台数第1位となったN-BOX(235,890台)です。その次となると、第11位のN-WGN(63,009台)となるため、N-BOXだけが突出して人気が高いことがわかります。
日産・三菱の特徴・人気車種
他のメーカーとは異なり、日産と三菱は軽自動車事業の合弁会社「NMKV」を立ち上げて共同で軽自動車の開発を行っています。そこで生まれた最初の軽自動車が日産 DAYZ(三菱 ekワゴン)でした。高い技術力を持つ会社が協力することで、軽自動車初のプロパイロットやSOSコールなど、画期的な装備を他のメーカーよりも先に取り入れるという特徴があります。なお、2018年におけるシェアは日産が9.9%、三菱が3.0%となっています。
安全装備としては、日産インテリジェントモビリティといわれている技術が有名で、プロパイロットやSOSコール、ヒルスタートアシスト、踏み間違い衝突防止アシストなどが含まれています。燃費対策としては、スマートシンプルハイブリッドや軽量化ボディ、空力性能の見直しなどが挙げられます。
日産の軽自動車ラインナップは、デイズルークス、デイズ、NV100クリッパー リオの3車種となっています。三菱においては、ekクロス、ekワゴン、ekスペース、タウンボックス、ミニキャブシリーズとなっています。その中でも販売台数が多い人気モデルとしては、第6位のデイズルークス(77,590台)と第9位のデイズ(63,883台)となります。
軽自動車は、全長・全幅こそ大きな差はないものの、ラインナップが豊富でオールマイティなダイハツ、ハスラーやジムニー、アルトワークスなどの個性あふれるラインナップのスズキ、Nシリーズが主力のホンダやプロパイロットなどの先進装備が話題を集める日産・三菱など、各社それぞれの特徴のあるクルマづくりをしています。
軽自動車だからこそ、それぞれのメーカーやモデルの違いをよく理解したうえで、ライバル車種を比較することが重要です。