運転免許のSDカードについて知ろう

SDカードの「SD」とは「Safe Driver」の略で、無事故・無違反を証明するためのカードです。自動車安全運転センターが発行しており、所持をしているとSDカード優遇店にて割引などの優遇が受けられます。SDカード優遇店は、日本全国で約15,200店（2019年7月現在）にも及びますので、さまざまなお店で優遇が受けられることになります。

SDカードは無事故・無違反証明書か運転記録証明書の申し込みを行ったうえで、証明日以前に1年以上違反や事故などの記録がない場合に発行されます。証明書は、警察署や交番、自動車安全運転センターなどで申請書を受け取って郵送で申し込むか、自動車安全運転センターの窓口で申請ができます。

また、カードにはいくつか種類があり、無事故・無違反の期間によって発行されるものが変わります。

・1年以上～2年未満　　：SDグリーンカード
・2年以上～3年未満　　：SDブロンズカード
・4年以上～9年未満　　：SDシルバーカード
・10年以上～19年未満　：SDゴールドカード
・20年以上～　　　　　：SDスーパーゴールドカード

これらの年数は証明書を発行した日からさかのぼって計算されますので、過去に事故や違反をしてしまった経歴がある方でも、その後の無事故・無違反の年数に応じて各種カードを発行してもらえます。

ただし、少なくとも1年以上の無事故・無違反であった期間が必要ですので、免許を取得して1年未満の場合はSDカードを発行することはできません。

SDカードは、これまでの安全運転に敬意を表し、これからも安全運転を継続してもらえるように作られた優待サービスです。

これまで無事故・無違反であっても、こういった優待サービスなどのメリットはほとんどなく、免許更新時の講習時間が短縮されるといった特定のときでしか大きなメリットがありませんでした。そのため、大きな事故は起こさないまでもうっかりしたミスで、違反をしてしまうこともありました。このような小さなミスは、いずれ大きな事故に発展することもあります。

そのようななか、SDカードがあることで安全運転がしっかりと評価されることになり、クルマを運転する方々に安全な運転についての自覚を促せるのです。特に安全運転者にはその誇りや自覚を認識させることで、無事故・無違反を継続させる意識を持たせることができ、事故や違反の防止につながります。

前述しているように運転免許のSDカードを所持していると、SDカード優遇店で特別なサービスを受けることができます。具体例を挙げると、ショッピングや宿泊、ガソリンスタンド、レンタカー、不動産賃貸、飲食店など各種サービスの割引や、金融機関でのマイカーローンの金利引き下げなどです。

このようなSDカード優遇店は各都道府県にさまざまな店舗がありますので、実際に利用をする際には自動車安全運転センターのホームページにて、自分の住む場所でどんなお店が利用できるか確認することができます。

このように、SDカードの所持はメリットの方が大きく、デメリットはほとんどありません。唯一デメリットを上げるとすれば、無事故・無違反証明書や運転記録証明書の交付手数料が630円かかるということです。もし自分の住む地域にSDカード優遇店があまりない場合には、恩恵を受けることがほとんどできませんので、発行をしてもあまり意味が場合もあります。また、SDカードを利用して割引を受ける際には、他サービスでのクーポン割引額の方が大きいといった場合もありえますので、利用時に念のため確認しておくと良いでしょう。


これまで無事故・無違反の運転者には大きな恩恵はありませんでしたが、SDカードが発行されたことにより優良運転に対する認識が変わりました。これまで優良運転を心掛けていた方は、SDカードを発行してさまざまな特典を受け取れます。また、過去に違反などをしたことがある方も、これからは無事故・無違反を心掛けてSDカードの発行を目指していきましょう。