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更新日:2020.10.05 / 掲載日:2019.04.08

普通自動車運転免許の一発試験とは?教習所との違いや受験の条件・概要について

普通自動車運転免許の一発試験とは?教習所との違いや受験の条件・概要について

グーネット編集チーム

普通自動車運転免許を取得する場合、ほとんどの方が自動車教習所を利用していることでしょう。学科と技能の講習を受け、仮免許、路上・卒業検定で合格した後に、各都道府県の自動車試験場もしくは運転免許センターに出向き、学科と適性検査を受け合格することで、晴れて普通運転免許証を手にすることができます。

決められた学科の教程数、最低限の技能時間数を経て、卒業までに相応の時間と費用がかかります。そのことから運転免許は取得したいけど、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。

ここでは一発試験とは自動車教習所はどう違うのか、受験の際の条件や概要について説明します。

免許取得までの流れ | 一般社団法人東京指定自動車教習所協会

一発試験とは

普通自動車運転免許を所得するにあたり、公安委員会が指定する「自動車教習所」に入所するのが一般的ですが、「一発試験」と言って自動車教習所に通わず、運転試験場もしくは運転免許センターへ行って、学科と実技試験を受験することが可能です。

自動車講習所に通えば、卒業後の運転試験場もしくは運転免許センターでの実技試験は免除されますが、どちらも同じように学科試験を受けます。

自動車教習所に通った方はお分かりいただけるかと思いますが、交通標識の意味や解釈、交通法規の理解をはじめ、交差点内の右折・左折はもとより、S字・クランクや縦列駐車など、さまざまなシーンを想定した技能を実習します。

もちろん、自動車教習所に通っても、一発試験でも交付を受ける普通自動車免許証はまったく同じです。
また、一発試験は直接運転試験場もしくは運転免許センターへ行って受験するため「飛び込み試験」とも呼ばれます。

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教習所との違い

教習所との違い

グーネット編集チーム

一発試験と自動車教習所に通って普通自動車免許証を取得する違いは、最も異なるのは取得までのその過程です。自動車教習所で普通自動車免許証を取得する場合は、入所後に適性検査を受けてから卒業までに学科26時間+技能34時間(AT車限定は31時間)を受け、各都道府県の自動車試験場もしくは運転免許センターへ赴き、学科試験を受験し合格後に運転免許証が交付されます。

それに対し一発試験の場合は、自動車試験場もしくは運転免許センターで仮免許の取得から始まり、その後に本免許の学科試験と実技試験を受けることになります。
本免許に合格後に教習所において自動車教習所にて取得時講習を受け、免許証の交付となります。

流れを見ていくと以下の通りとなります。

・適性検査(視力検査)
・仮免許の学科試験と技能試験を受験
・仮免許証の交付(6ヵ月間有効)
・路上練習(5回)
・本免許の学科試験と技能試験を受験
・取得時講習を受講(教習)
「自動車等の運転講習(・普通自動車の運転に係る危険予測、その他の安全運転に必要な技能および知識・高速道路における普通自動車の安全な運転に必要な技能および知識)」および「応急救護処置講習(気道確保、人工呼吸、心臓マッサージおよび止血等の応急救護処置に必要な知識)」
・運転免許証を交付

全く免許をお持ちでないか、または原付免許、小型特殊免許をお持ちの方の、学科・技能試験(いわゆる一発試験)受験案内 | 準中型免許・普通免許・大型特殊免許を取得される方 | 千葉県警察

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一発試験を利用する人の特徴

学科については市販のテキストを買って、付属するQ&Aや想定問題集で学習することはできるかと思います。
しかしながら、実技となると話は異なります。
一発試験を利用する人の一般的な特徴としては次のような点が想定されます。

運転・車の操作に慣れている

路上や私有地以外の駐車場等で練習することはタブーですが、練習をサポートしてくれる人が身近にいて、なおかつ練習ができる車両と私有地があれば可能でしょう。

またAT免許ではなく一般的な普通自動車運転免許を取得するのであれば、既にクラッチの付いたオートバイに乗っていれば、クラッチとブレーキ、アクセルの仕組みは理解できていることでしょう。

時間がある、チャレンジ精神がある

技能試験への慣れはもとより、安全確認や技能そのものに対してハードルが高いため、すんなり合格することは非常に困難です。

何度も受験し、少しずつ慣れていくのが確実なステップです。
併せて挫けないチャレンジ精神を持ち合わせていることも重要なポイントと言えるでしょう。

非公認自動車学校を利用する

公認自動車教習所と異なり、運転に精通した教官について、技能教習を受けることができる非公認自動車学校を利用することも可能です。
時間単位で利用でき運転の仕方やポイントを学ぶことができます。

運転を練習する車両や私有地がない場合、非公認自動車学校を有効に活用することでステップアップを目指します。

一発試験を受ける条件

特に受験できる資格や回数の制限もありません。
ただし、以下の3つの条件を満たす必要があります。

・満18歳以上であること
・両眼で0.7以上、かつ一眼がそれぞれ0.3以上、または一眼の視力が0.3に満たない、
もしくは一眼が見えない場合、他眼の視野が左右150度以上で視力が0.7以上
・免許の取消・停止処分中ではない人

まず、適性検査(視力検査)を受け、その後に仮免許学科試験および仮免許技能試験へと進みます。

全く免許をお持ちでないか、または原付免許、小型特殊免許をお持ちの方の、学科・技能試験(いわゆる一発試験)受験案内 | 準中型免許・普通免許・大型特殊免許を取得される方 | 千葉県警察

運転免許試験の受験資格一覧表 – 埼玉県警察

運転免許試験における適性試験 – 埼玉県警察

ほかの免許を持っている、免許を失効した人は免除制度がある

次の運転免許を所持している方もしくは、以下の条件で免許を失効している方は普通自動車運転免許を一発試験で取得する際に免除制度があります。

ほかの運転免許証を既に持っている

自動二輪もしくは大型免許を持っている方は学科試験が免除されます。

うっかり失効中(更新できずに失効した人の一部)

本来の免許の有効期限から更新できず6ヵ月以内であれば仮免試験と本免試験が免除されます。また6ヵ月以上でも、1年以内なら仮免試験のみが免除となります。

病気やケガ、予期せぬ災害などで、更新手続きができなかった人は、1年以上経っていても試験が免除されます。ただし、その際はそれらを証明する書類が必要となります。

一発試験を受ける際の概要

普通自動車運転免許の一発試験を受ける際の概要について説明します。

必要な書類

以下の書類を準備してください。
・申請用写真:2枚(仮免許学科試験を受験する方。それ以外は1枚)
・既に持っている運転免許証(仮免許証を含む)
・運転免許証を持っていない場合は本人が確認できる書類
本籍が記載された住民票、パスポート、住民基本台帳、健康保険証など

外国籍の方は以下の書類を用意してください。
・住民票(国籍・在留資格・在留期間が明記されているもの)
・在留カード
・特別永住者証明書など

また、過去に運転免許の取消処分などを受けたことのある方は、以下の書類を用意してください。
・取消処分者講習終了証明書の原本

ただし、1年以内に取消処分者講習を受けていなければ、受験できません。

受付場所や日時

受付および受験場所は各都道府県の指定された運転試験場や運転免許センターとなります。
すべての運転試験場や運転免許センターで受験できるわけではないので注意してください。
また、受付場所と受験場所は原則同じです。

受付日時はそれぞれの会場によって異なる場合があるので、各都道府県の警察のホームページ等で確認してください。

参考までに千葉県と埼玉県の例を紹介します。

千葉運転免許センター(千葉県千葉市)
受付時間:午前8時30分から午前9時15分まで
受付は月曜日から金曜日の平日で、祝日や休日、年末年始を除きます。
技能試験はすべて事前に予約が必要となります。

運転免許センター(埼玉県鴻巣市
受付時間:午前8時30分から午前9時まで
受付は月曜日から金曜日の平日で、祝日や休日、年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)を除きます。
技能試験の2回目以降は、受験日指定の予約制となります。

指定自動車教習所を卒業しないで大型二輪免許又は普通二輪免許を受験されるかた – 埼玉県警察

全く免許をお持ちでないか、または原付免許、小型特殊免許をお持ちの方の、学科・技能試験(いわゆる一発試験)受験案内 | 準中型免許・普通免許・大型特殊免許を取得される方 | 千葉県警察

技能試験予約業務 | 千葉県警察

費用

費用は仮免許交付時と本免許交付時とそれぞれ発生します。
また、2回目以降の技能試験時に申請手数料と車両使用料がその都度必要となります。

仮免許に関して
申請手数料:2,900円
車両使用料:1,450円
免許の交付手数料:1,150円

本免許に関して
申請手数料:2,550円
車両使用料:800円
免許の交付手数料:2,050円

技能試験に合格後は指定自動車教習所で取得時講習を受ける必要がります。
自動車等の運転講習;11,200円
応急救護処置講習:4,200円

仮運転免許を受験されるかた – 埼玉県警察

指定自動車教習所を卒業しないで普通一種免許又は準中型免許を受験されるかた – 埼玉県警察

全く免許をお持ちでないか、または原付免許、小型特殊免許をお持ちの方の、学科・技能試験(いわゆる一発試験)受験案内 | 準中型免許・普通免許・大型特殊免許を取得される方 | 千葉県警察

取得時講習のご案内_000019949.pdf

運転免許試験手数料_sikentesuuryou.pdf

一発免許とは?運転免許試験場の一発試験で免許を取るまでの流れ | MIIITO

一発試験のメリットとデメリット

一発試験のメリットとデメリットをまとめてみました。仮免許・本免許の実技試験の合格までの回数には個人差があるため参考にしてください。

メリット

・費用が抑えられる
自動車教習所に入所しないため、その分の費用が不要です。

・時間が短縮できる
自動車教習所で通常受ける学科26時間+技能34時間が不要となり短縮されます。
反面、自動車教習所の場合、短期の集中合宿免許もあるので一概には言えません。

・達成感が得られる
免許取得までの道のりは決して容易ではありません。しかしながら、その分交付を受けた際には歓びもひとしおです。

デメリット

・技能試験の難易度が高い
自動車教習所のように教官から合格まで的確にアドバイスが受けられないこと、安全確認方法などコツを会得までに時間がかかる場合があります。

・緊張感をともなう
技能試験では助手席に現職の警察官が同乗します。そのことで緊張感が増すことが考えられます。

・受験は平日のみ
一発試験の受験は祝日・休日、年末を除いた月曜から金曜までとなります。
また、2回目以降の技能試験は完全予約となるのが一般的なので、?忙期や年末年始などは予約が取りづらくなる可能性があります。

一発試験に合格するためには

学科は自分で勉強すれば、まず問題なく合格するでしょう。
技能試験に関して、運転の慣れが必要とされ、難易度も高いことから如何に練習できるかが鍵となります。

私有地で練習できる人は、既に運転免許を取得していて運転に慣れている人を助手席に乗せて演習をすることです。それ以外の人は非公認自動車学校を効率良く使って、練習に励むことをおすすめします。

また、前述の通り一発試験の技能試験時には現職の警察官が同乗しますので、ある程度精神的にタフな方であれば問題はありませんが、平常心・モチベーションを保ち、乗り越えることが合格の鍵となります。


今まで普通自動車運転免許を取得するには、必ず自動車教習所に通うしか方法はないと思っていた方も多いのではないでしょうか。

一発試験は確かに難易度で言えば、自動車教習所と比べては高くなりますが、合格して運転免許証を手にした時の嬉しさは格別なものとなるでしょう。
チャレンジ精神にあふれる方は是非トライしてみてはいかがでしょうか。

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グーネットマガジン編集部

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