カーライフ
更新日:2021.03.31 / 掲載日:2019.05.09

マニュアル車を運転する際の坂道発進の方法や注意点を解説

マニュアル車のレバー

最近ではマニュアル車よりもオートマ車の流通が多く、あえてマニュアル免許を取得する人は減っています。しかし、マニュアル車ならではの楽しみやメリットもたくさんあるのです。また急にマニュアル車を運転しなければならなくなってしまった場合などのために、今回はマニュアル車のメリットや運転方法、注意点を解説します。

マニュアル車を運転するメリット

運転免許としてオートマ限定と普通免許が存在するものの、現在流通している車のほとんどはオートマ限定免許で運転できます。マニュアル車の方が操作が難しく、流通するマニュアル車も少ないため、「とりあえずオートマで取得した」という人も多いのではないでしょうか。しかし、マニュアル車を選ぶメリットも存在するのです。

まず、マニュアル車は運転方法によってランニングコストを抑えることができます。車を運転するなら誰しも燃費が気になることと思いますが、自分の裁量でトップギアや上位のギアに入れることができるマニュアル車は、運転の仕方次第でオートマ車と比べて燃費が良くなるのです。また、一部のスポーツモデルマニュアル車はオートマ車よりも価格自体が低くなっています。

マニュアル車の運転方法

それでは次に、マニュアル車の運転方法をご説明します。

(1)エンジンをかける
ギアがサイドブレーキ(パーキングブレーキ)に入っていることを確認し、ギアをニュートラルに入れましょう。そしてクラッチペダルをしっかりと踏み込んだままエンジンをかけ、クラッチペダルを放します。

(2)発進させる
クラッチを踏みながらギアを1速に入れましょう。アクセルペダルをゆっくりと踏み込みながら、クラッチをゆっくりと放し、半分クラッチを踏んでいる状態で止めます(半クラッチと言います)。車が動き出したら半クラッチを徐々に放し、クラッチペダルから完全に足を放します。

(3)ギアを変える
車が走り出したらずっと1速のままではなく、エンジンの回転数に合わせてシフトアップが必要です。目安は10km~20km/hで2速、30km/h~3速、維持したい速度になったらトップギア、というように段階を踏んで上げていきましょう。

(4)停止、駐車する
車を停止させたらクラッチを踏んだままシフトをニュートラルにし、エンジンを切ります。次にサイドブレーキをかけ、ギアをリバースに入れます(状況に応じて1速)。最後にクラッチ、ブレーキの順番で足を放せば完了です。

マニュアル車を運転する上で特に注意したいポイント3つ

マニュアル車はその特性上、特に注意しておきたいポイントがあります。

エンスト防止にアクセルはしっかり踏み込むこと

エンスト防止に発進時のアクセルはしっかり踏み込みましょう。アクセルの踏み込みが弱いままクラッチから足を放すのはエンストの原因になります。信号待ちの際にエンストし、発進がスムーズにできないと焦りにつながります。

一つひとつの操作を確実に習得すること

マニュアル車はオートマ車と比べて操作が多いので、一つひとつの操作を確実に習得し、身体に覚えさせることが大切です。運転の練習はもちろん、車に乗る前のシミュレーションも運転に慣れる上で効果的です。

状況に応じて駐車のギアを変えること

先述した通り、駐車のギアは状況に応じて変える必要があります。平坦な道や駐車場、下り坂の途中などに駐車する場合はリバース、上り坂の途中に駐車するなら1速とギアを使い分けます。
マニュアル車を運転する人の中には駐車時はニュートラルに入れる人もいますが、マニュアル車の構造上、上記のギアに入れた方が駐車中の誤発進を防ぐことができます。

より運転を楽しみたいなら「あえてマニュアル」もおすすめ

マニュアル車はオートマ車よりも必要な操作が多く、ギアを自分の裁量で変えることができるなど、自動車をコントロールしている感覚が強いため、運転を楽しみたい人にはマニュアル車がおすすめです。また、運転の仕方次第ではオートマ車よりも燃費が良くなり、ランニングコスト削減にもつながります。

マニュアル車の坂道発進の方法

マニュアル車の操作の中で、特に難易度が高いと言われているのが坂道発進です。その方法を詳しくご説明します。

(1)上り坂の途中で停止しサイドブレーキをしっかりと引く
上り坂の途中にいる場合、ブレーキとクラッチペダルをしっかりと踏むことに加え、サイドブレーキを最後まで引いておくことが重要です。その状態でブレーキから足を離しても車体が後ろへ下がることはなく、車は坂の途中で停止した状態になります。

(2)ギアをローギア(1速)に入れる
坂道で停止した状態から発進する時も、通常時と同じようにギアは1速に入れます。マニュアル車の場合、一見ギア操作が多く難しく感じるかもしれませんが、1速はほぼ発進専用と思っておいて大丈夫です。

(3)ブレーキからゆっくり足を離す
ゆっくりとブレーキから足を離して、サイドブレーキが確実にかかっていることを確かめます。この時、もしサイドブレーキの効きが甘いと車が後方に下がってしまうので、ブレーキから急に足を離さず、ゆっくりと確かめながら操作しましょう。

(4)少しずつアクセルを踏み込む
クラッチは踏み込んだまま、徐々にアクセルを踏んでエンジンの回転数を上げ、いわゆる「エンジンを吹かす」という状態にします。坂の勾配や乗車人数によって必要な回転数は異なり、車に負荷がかかればかかるほど、アクセルを強く踏み込む必要があります。

(5)半クラッチにする
十分にアクセルの回転数が上がったら、アクセルを維持したまま徐々にクラッチペダルから足を離し、半クラッチ状態を作ります。

(6)ゆっくりとサイドブレーキを下げてアクセルを踏み込む
半クラッチ状態でサイドブレーキをゆっくりと下げると、それに合わせて車が少しずつ前進します。車が進みだしたら、クラッチペダルから少しずつ足を離し、同時にアクセルを踏み込めば坂道を上ることができます。

練習は教習所のペーパードライバー講習もおすすめ

各自動車教習所では、一旦免許を取得したものの長期間運転していない方向けに「ペーパードライバー講習」が行われています。マニュアル車の運転に不安がある方も、練習の場として講習を申し込むことができます。苦手な操作を重点的に練習したり、自宅の駐車場などで出張教習を行ってくれたりと柔軟に対応してくれる教習所もあるので、最寄りの教習所に確認してみましょう。

せっかくマニュアルの運転免許を取得したなら、ぜひマニュアル車の運転にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。また、マニュアル車に興味を持ったら運転免許のオートマ限定解除もおすすめです。オートマ限定の免許証からマニュアル車の運転もできる免許証に変更できます。
一発試験なら手数料のみの3,000円、教習所に通ったとしても5万円程度で限定解除の教習を受けることが可能です。

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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