カーライフ
更新日:2025.09.09 / 掲載日:2025.09.09
クラシックカーのイベントに参加して感じたこと【九島辰也】

文と写真●九島辰也
クラシックカーにいい季節になってきました……。とは言い切れませんが、9月に入り、朝夕は少しばかり過ごしやすくなってきたと思います。なんてったって、クラシックカーの多くはエアコンやクーラーがありませんから夏は苦行です。わたくしが所有している1980年型アルファ ロメオ スパイダー 2000 ベローチェもそうです。クラシックカー業界的には高年式に入りますが、1970年から83年までにつくられていたデュエットの後継はキャブレター車。70年デビューということは60年代の設計ですから80年代の雰囲気は微塵もありません。
そんなアルファに乗って、軽井沢へ行ってきました。目的は「KARUIZAWA MOTOR GETHERING(軽井沢モーターギャザリング)」です。今回は一般車両展示としてアルファ ロメオを持ち込むのと、コンクールデレガンスの審査員という役割を果たしました。

このイベントのいいところは場所。軽井沢ショッピングプラザの芝生の上にクルマを並べるのですから、とても見栄えがいい。海外のカーショーでは芝生を使うものがいくつかありますが、日本ではほとんど見かけません。そんなところに異国情緒を感じるし、見ているだけで優雅な気分になります。
それになんてったってショッピングプラザですから、クルマ以外にも楽しみがたくさんあります。アパレル、バッグ、シューズ、ゴルフゾーン、それにレストラン云々とお店が並びます。展示する方も見に来た方も、強引に連れてこられたカーマニアのご主人を持つ奥様も飽きません。


クルマはコンクールにエントリーしたものと、一般展示、それとカーショップが持ち込んだ車両があります。インポーター展示の電気自動車も。クラシックカーとEVが同じフィールドにあるのは面白いですよね。とはいえ、二、三年前は違和感ありましたが、もうそんな光景も見慣れてきました。
コンクールデレガンスの今年のテーマはドイツ車でした。なので、メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェなどが顔を連ねます。懐かしいE36型のM3やR107のSLがあったり。90年代は自動車雑誌「Car Ex」の編集部にいたので当時取材したモデルを思い出します。それに個人的にも保有してきた台数はドイツ車が一番多いので、どの年式にも思い出があります。メルセデスは4台、BMWも4台、ポルシェは3台乗ってきました。

それはともかく、審査は大変でした。どれもコンディションはよく、オーナーの愛を感じます。中には四半世紀所有しているものも。その中で目についたのはアルピナ B7ターボです。なんたって今年は創業家の元で活動するアルピナ最後の年となります。ラストイヤーの今年はB3GTやB4GTがリリースされ、テストドライブをしました。それこそE36ベースの時代から追いかけてきたブランドなので、いつも注目しています。なので、今回エントリーしたアルピナには特別賞を与えることを提案しました。ラストイヤーは2回無いですから。
そんな楽しいイベントは午後5時に終わりました。でもエアコンのないアルファ ロメオではまだ暑い時間帯です。そこで、そこから夕陽が落ちるのを待ち帰路に着きました。碓氷軽井沢インターチェンジまで走り、そこから上信越自動車道と関越自動車道で都内へ向かいます。ただ、そこでの戦いは暑さだけではありませんでした。クラシックカーはヘッドライトが暗いんです。とくに高速に乗るまでの道と上信越自動車道はそもそも暗い。街灯がないので、前後にクルマが走っていないと真っ暗になります。LEDヘッドライトのありがたさを感じました。
その点、関越自動車道は左右に電灯があり、路面を照らしてくれています。道路も三車線あるので、後から急かされることなくゆっくり走れました。エアコンがないので三角窓や窓を全開で走らせていと、車内が風でかき回されます。それにゴーッという音もすごいので、自然とゆっくり走ろうかという気分になります。
なんて感じでいろいろ苦労するのもクラシックカーの醍醐味です。夜は控えますが、これから昼間の出動は回数が増えてくることでしょうね。