カーライフ
更新日:2024.06.17 / 掲載日:2024.06.10
止められないみんなのドライブ愛 in 梅雨

クルマ好きなら雨の日だってドライブに出かけたいはず。梅雨の季節にはこの季節ならではの楽しみ方があるのだ!
愛車が濡れることをいとわない、ジャーナリストから一般ピープルまで、各人のさまざまな楽しみ方を紹介。
アナタのレイニーカーライフがちょっと豊かになるかも?
構成・文/フォッケウルフ 写真/池之平昌信、フォッケウルフ
(掲載されている内容はグー本誌 2024年6月発売号掲載の内容です)
[Style01]自動車ジャーナリストが語る、雨の日のクルマの楽しみ方。

自動車評論家 清水草一
軽自動車からスーパーカーまで、オールジャンルに通じるベテランジャーナリスト。現在の愛車はフェラーリ328、プジョー508、ダイハツタント。今もしょっちゅうクルマを運転している。
雨の日のためにクルマを磨く! その愛車哲学とは……
私は雨の日のドライブが大好きだ。雨の日は、自分が「クルマに守られている」という感覚が強烈になるからだ。嵐なら、その感覚はさらに強まる。さすがに洪水には勝てないが、風雨が強いくらいなら、車内にいればまったくヘーチャラ。いつもとほぼ変わりなく、快適に移動できる。「クルマってすごいなぁ」と強く思う瞬間だ。
雨のドライブは、おこもり感も高まる。愛車の中に引きこもって、好きなこと(運転)を思う存分楽しむ感覚である。それは「秘かな楽しみ」と表現してもいい。天気がいい日にオープンカーで走るのとはベクトルが逆だが、快楽度は同じくらい高い。
そんな楽しい雨のドライブに備えて、私は窓に撥水剤を塗るようにしている。撥水剤を塗っておくと、ガラスが雨をはじいてコロコロと転がり、視界がよくなる。それだけで、雨の日のクルマの無敵感が強くなる。バリヤーが怪獣の放つ光線を跳ね返すみたいで、じつに気持ちいい。
雨のドライブで憂鬱なのは、クルマが汚れることだ。そこで私は、ボディにも撥水剤を塗るように心がけている。近年のボディコーティング剤の性能はスバラシイ。手軽な使い捨てタオルタイプでも、しっかり雨をはじき、汚れを防いでくれる。むしろ雨の日にドライブしたほうが、クルマについたほこりが流れ落ちてキレイになるくらいだから、ますます雨のドライブが楽しみになる。
このように、雨のドライブはとても楽しいものだ。ただしそれは、自分が「無敵の文明の利器」に乗っていればこそ。どこかに不安があったら楽しめない。最大の不安要素はタイヤだ。タイヤの溝や空気圧が適正じゃないと、雨の日のドライブは不安だらけになる。
私は雨のドライブで無敵感を味わうために、タイヤには常に気を使っている。特に空気圧はこまめに点検している。空気圧が落ちていると、そのぶんタイヤのたわみが増え、高速道路でハイドロプレーニング現象が起きやすくなる。
バッテリーの電圧にも注意している。雨の日は車内の電力使用量が増える。バッテリーが上がれば無敵感はゼロ。それを未然に防ぐため、電源ソケットに市販の電圧計を挿して、常に電圧を表示させている。これで雨のドライブを心置きなく満喫できるというわけだ。


雨の日ドライブスポット紹介①
クルマミュージアム
雨だからしっかりと時間をかけて学べる場所へ
【群馬県】 スバルビジターセンター
個性的技術はどう生まれたか?
群馬県太田市にある矢島工場に隣接されたSUBARUの博物館。現在の生産体制を学べる工場見学コースの一部分となっており、スバル360やスバル1000といった名車や歴代の名エンジンなどの展示では同社の輝かしい歴史や独自の技術についても味わえる。申し込みはwebサイトからで、個人でも団体でも申し込み可能。

住所:群馬県太田市庄屋町1-1
電話:0276-48-3101
HP:https://subaru-factory.resv.jp/
【神奈川県】 日産ヘリテージコレクション
日産ファンにはたまらない眺め!
かつての主力工場だった座間工場が、現在は座間事業所となっており、その一部が多数の記念車を収めた博物館となっている。同社の歴代名車は当然のこと、今では見ることがなくなったコンセプトカーやレース車両が鎮座する倉庫内の風景は壮観。完全予約制でwebにて申し込みが必要。ガイド付きでの見学となる。

住所:神奈川県座間市広野台2-10-1
電話:046-298-4355
HP:https://www.nissan.co.jp/HERITAGE/
【愛知県】 トヨタ博物館
自動車の偉大なる歴史と進化を味わえる
1989年に設立された、トヨタ車に限らず、世界のクルマの一大歴史館である。日米欧の代表的車両約140台が展示される「クルマ館」のほか、「文化館」では、印刷物からミニカーのような玩具まで、約4000点の文化資料も見学できる。年に数回、企画展も実施されており、レストランやカフェも併設されている。

住所:愛知県長久手市横道41-100
電話:0561-63-5151
HP:https://toyota-automobile-museum.jp/
【栃木県】 ホンダコレクションホール
ホンダが抱いてきた夢を感じとれる
2024年にリニューアルしたばかりのホンダの博物館は、サーキットや遊園地なども備えた「モビリティリゾートもてぎ」内に設置されている。S500やT360といった同社創業期の名車はもちろん、オートバイや歴代F1マシン、ASIMO、ホンダジェットまで、ホンダのフロンティアスピリットを体験できる施設だ。

住所:栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1
電話:0285-64-0001
HP:https://www.mr-motegi.jp/collection-hall/
【静岡県】 スズキ歴史館
革新的な小型車の誕生秘話を知る
1909年に創業したスズキの長い歴史を味わえる産業博物館。織機メーカーとしての歴史、スズライトやアルトといった名車、オートバイなどの開発秘話がわかる展示など、二輪ファンも四輪ファンも満足できる内容となっている。浜松市の文化や歴史などを紹介するコーナーも非常に興味深い。webからの完全予約制。

住所:静岡県浜松市中央区増楽町1301
電話:053-440-2020
HP:https://suzuki-rekishikan.jp/
【広島県】 マツダミュージアム
ブランドの重みを実感できる展示
広島県府中町にあるマツダの広島本社に隣接して設置されたマツダの企業博物館。1920年代の三輪トラック・マツダ号から、R360クーペや最初のロータリーエンジン、サバンナRX-7、ル・マンで優勝を飾った787Bなど、マツダが総合自動車メーカーへと成長する過程を実感できる展示の数々を見ることができる。

住所:広島県安芸郡府中町新地3-1
電話:082-252-5050
HP:https://www.mazda.com/ja/about/museum/
[Style02]雨が降っても自分らしく、リラックスしてカーライフを楽しむ。
人によってはマイナスにも感じる雨という要素を、楽しんだり、克服したり──。
実際に雨の日ドライブを楽しむ人たちに話を聞いてみた。
雨の日のクルマの乗り方・使い方。参考にしたいヒントが詰まっているかも?
アナタの雨の日スタイル教えてください!

キビキビ走れるMTがおすすめです
通勤で愛車を使っているので、晴れでも雨でも運転しています。しかし、少しスポーティなクルマなので、雨の日は少し気持ちを抑えるようにして走ってますね(笑)。ただ6速MTを選んだので、より自分のペースでキビキビ走れて、雨だからこそ、操作している感覚?が味わえて気持ちいいんですよ。
このクルマ、買ってすぐにガラスコーティングを施工してるんです。値は張りましたけど、今となっては後悔はないですね。雨が降っても乾く前に雨水を拭き取ってしまえば、洗車いらず、というか雨が降る前より綺麗になりますし、雨の日が待ち遠しいときもあります(笑)。
雨の日は運転が怖いという人もいるでしょうけど、新しめのモデルを選べば、安全運転支援機能が付いてるから、安心して走れますよ。



オーディオの音が際立ちますね♪
普段はバイク通勤なので、クルマに乗るのは雨の日だけ。だからこそクルマのありがたみが人並み以上にわかります。まず、身体が濡れない(笑)。当然といえば当然ですが、仕事の前にびしょびしょになってしまったら、そのままお客さんの前に出られませんからね。
それとオーディオですね。最近はヘルメットに内蔵のものも増えましたけど、やはりクルマのスピーカーのほうが自然な音が聴けるし、雨の日だと、車外との空間の隔たりのようなものができるので、余計にカーオーディオの音が際立ちます。
あとは、安心感じゃないでしょうか。2輪と4輪とでは比べ物にならないくらい雨中の安定性が違います。気持ちの余裕も生まれるので、雨ならクルマを運転したいと積極的に思うようになりました。


雨の日ドライブスポット紹介②
屋内動物触れ合いスポット
雨で疲れた心を癒やす動物との触れ合いを求めて
【宮城県】
Moff animal cafe イオンモール名取店
ゆったり過ごせる癒やし空間!
駅直結の大型商業施設「イオンモール名取」内に昨年オープンした屋内型動物園。ヒヨコやモルモット、フクロウ、ナマケモノなど約25種類の動物たちと園内で出会うことができる。おやつをあげたり動物を手に乗せて写真を撮ったり、のびのびと暮らす動物たちの動く姿や表情を間近で眺めるなど、さまざまな楽しみ方ができる。

住所:宮城県名取市杜せきのした5-3-1
イオンモール名取3F
電話:022-797-8411
HP:https://moff-moff.jp/archives/shop/ani-cafe_natori
【東京都】 アニミル
触れ合ったり間近で見たり!
「動物たちが暮らす森のカフェ」をテーマに、さまざまな動物のリラックスした姿を間近で見られる動物カフェ。エリアは「パークエリア」「アドベンチャーエリア」「テラスエリア」の3つに分かれており、テラスエリア以外では、雨天時でも犬や猫、カピバラ、うさぎ、モルモット、イグアナなどさまざまな動物と触れ合える。

住所:東京都港区台場1-6-1
デックス東京ビーチシーサイドモール5F
電話:03-6457-1215
HP:https://animeal.jp/odaiba/
【奈良県】 NARA IKIMONO MUSEUM
生き物たちの個性を実感!
直接触るのではなく、「目が合う」ことをテーマにした生物ミュージアムで、爬虫類をはじめ、両生類や魚類といった普段身近にいない生物を、ゼロ距離で体感することができる。また、その展示エリアは「のそのそ」、「ぷるぷる」など、特徴的なゾーンで分けられており、色彩とビジュアルにこだわったアート的な館内装飾も特徴的だ。

住所:奈良県奈良市二条大路南1-3-1 ミ・ナーラ4F
電話:080-4689-4240
HP:https://naraikimonomuseum.com/
【埼玉県】
Cat Café MOFF コクーンシティさいたま新都心店
買い物の合間に猫たちと遊べる
2024年4月に商業施設「コクーンシティ」内にオープンしたばかりの猫カフェ。サイベリアンやノルウェージャンフォレストキャットなど、約10種類15頭以上の猫たちと触れ合ったり、その遊ぶ姿や表情を間近で見ることができる。毎日、12時と17時には「ごはんタイム」が開催され、かわいい猫たちの食事風景も楽しめる。

住所:埼玉県さいたま市大宮区吉敷町4丁目263番1号
コクーンシティ コクーン2、3F
電話:048-871-7739
HP:https://moff-moff.jp/archives/shop/cat-cafe_cc-saitama
【静岡県】 アニタッチ MARK IS 静岡
広い展示エリアで癒される
2023年11月に静岡市の商業施設「MARK IS 静岡」の1階フロアにオープンした屋内型の触れ合い動物園。他のアニタッチ店と比べて敷地面積が広く、従来から人気の「カピバラの猫足風呂」や「キンカジューのボルダリング」に加え、珍獣「ビントロングの部屋」や「イグアナツリー」らの新たな展示エリアも用意されている。

住所:静岡県静岡市葵区柚木1026
MARK IS静岡
電話:054-298-9370
HP:https://www.shizuoka.anitouch.com/#shop
【兵庫県】 神戸どうぶつ王国
動物に合わせた展示で魅せる
ポートアイランドにある人気の動植物園。屋内施設となる「インサイドパーク」では、アジアの森や熱帯の森、アフリカの湿地など、エリアごとに分けられたさまざまな動物を見学できるほか、犬や猫、うさぎなどをなでたりできる「ワンタッチ・ニャンタッチ」、「ピョンタッチ」といった動物たちと触れ合える施設も充実している。

住所:兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-9
電話:078-302-8899
HP:https://www.kobe-oukoku.com/
[COLUMN] 雨だから、移動中の車内を存分に楽しむ。



雨対策の先進技術というと、走行性能や安全性能に関するものに注目が集まりがちだ。しかし、世界中の自動車会社や部品関連会社は、雨の日の運転や同乗者たちのドライブを快適にする車内技術の開発にも果敢に挑んでくれている。
たとえばカーオーディオ。古いところではラジオやカセットテープがあり、80~90年代にはCDやMDが当たり前に。そして今では、ディスプレイオーディオでスマホの音楽を聴くことが主流となった。普段、部屋や外出先で聴いているお気に入りの楽曲を、車内でもそのまま聴ける時代になったのだ。
だから、ドライブに出かけたら「聴きたい曲を聴けない!」なんてことにはもうならない。雨の日の雰囲気に合うしっとりした曲を選曲するもよし、気分転換でハイになる楽曲を選ぶのもいい。ラジオだって今も聴けるが、あえてスマホ経由でタイムフリー放送を聴く人が増えている。ドライブ中のシチュエーションに合わせて聴きたいものを聴けるのだ。
近年は、Wi-Fiを搭載するクルマも増えてきた。車内のディスプレイを使って動画視聴ができたり、スマホのデータ通信量を気にすることも必要なくなる。雨のなか、長時間車内で過ごすことがイヤじゃなくなるから、同乗する家族だってうれしいに違いない。なお、Wi-Fi機能はパイオニアなどの後付けカーオーディオでも搭載可能だ。
音楽に動画に……とくれば、ゲームもやりたいと思う人は多いのではないだろうか。まだ日本では実用化されていないが、BMWが最新モデルで提供してるサービス「BMWデジタル・プレミアム」の機能のひとつで、スマホをコントローラーとして車内でゲームプレイできるという。雨天時の充電中や人待ちをしているときなどにもうってつけだ。
クルマに乗っているときはなるべくデジタルデトックスしたいという人には、サンルーフ(ムーンルーフ)装着車をおすすめしたい。近年、装着率が減っていると言われるサンルーフだが、真上の雨の風景が楽しめるし、雨天時、暗くなりがちな車内を明るくし、車内の雰囲気を華やかに変えてくれる。さらに、チルトアップ機能が付いていれば、雨を気にすることなく換気だってできる。
雨の日はなるべく出かけたくないという人も多いだろうが、車内空間を華やかで快適にする機能さえ揃っていれば、雨ドライブの楽しさに気づいてもらえるのではないだろうか。



