カーライフ・ドライブを楽しむ
更新日:2019.03.10 / 掲載日:2019.03.10

春からのカーライフを強力サポート【新生活を楽しむための目的別買い替え攻略法】

春のイメージ画像

「春は出会いの季節」とはよく言ったもので、実は春というのは、良いクルマとの出会いが期待される季節でもある。そんな“出会い”を結婚にまで結びつける、つまり、契約から納車まで持っていくためには、いったいどのような選び方がふさわしいのかを考えていこう。新生活をクルマでさらに充実させようではないか!
(掲載されている内容はグー本誌2019年4月号の内容です)

クルマの買い替えが人生を豊かにしてくれる

 本誌の調査によると、近年、愛車を「早めに買い替えたい」と考えるユーザーが増えている。あくまでも希望であり、実際に買い替えるのはそう簡単な話ではないが、ユーザーの志向はそうなってきている。
 たしかにクルマは高価なものだ。欲しいからといってすぐ買えるような物ではない。では、新車は無理でも中古車ならどうか。1台ごとに状態の異なる中古車は、価格も千差万別で選べる車種も無数に存在するため、はじめから予算に応じた価格帯のモデルを探すことで、無理のない購入計画を立てることが可能となる。
 クルマは人生を豊かにしてくれるものだ。運転の楽しさはもちろん、道具として生活を便利にするだけでなく、各車ごとの個性やストーリーを楽しんだり、自分のアイデンティティとして人にアピールできることも嬉しい。春からの楽しい新生活をさらに充実したものにするべく、リアルな買い替えを実行してみてはどうか。その決断をサポートするべく、今回はシチュエーションごとにいくつかの買い替え提案をしていこう。

【春の買い替え提案 1】念願の増車計画が実現!ファーストカーとの違いを明確化せよ

ファーストカー(現所有車)が使い勝手や乗り心地といった面である一定のレベルに達しているなら、セカンドカーは自分の好みを追求した、もっと“トガッた”クルマを選びたい。

たとえば【スズキ ジムニー】

スズキ ジムニー画像

中古車相場価格 20万から200万円
昨年、20年ぶりにフルモデルチェンジされた軽のSUVモデル。ボディ構造やグリル形状などは継承しつつ、安全性能や環境性能は現代的にブラッシュアップされた。

購入後のカーライフ
本格的な4WD性能を活かすことで、海や山でのレジャーの道中に悪路があったとしても乗り越えて行ける。魅力的なスタイリングを自分好みにカスタマイズして楽しむもよし、とにかくそのまま道具として使用するだけでも日常を楽しくしてくれるクルマだ。

限られた予算でどれだけ自分の色をだせるか

 家庭の事情などにより愛車選びに制限がされている人にとって、2台目を所有できることはなにより嬉しいことだ。セカンドカーがクルマ好きにとってありがたいのは、基本的に自分好みのモデルを選べるという部分にある。一方、すでにセカンドカーがあるにもかかわらず、しっかりファーストカーとの違いを確立できていないなら、それはとてももったいないことである。では、いったいどんなモデルをセカンドカーに選ぶべきか。増車する=金銭的には生活を圧迫しかねないということで、ここでは限られた予算で何を買うかというシチュエーションに絞って考えてみよう。
 まず基本的には、ファーストカーと機能的に重複しないモデルを選びたいものである。サイズはともかく、カテゴリーや使い方が似ていては、増車する意味が薄れてしまう。
 そこでひとつの選択肢として上げられるのが軽自動車だ。軽といっても、スポーツモデルやSUVなども選べるし、ひとりで乗る機会が多いなら室内の狭さはそれほど問題ではない。なにより維持費が安い点もセカンドカーに向いている部分だ。
 その他、趣味用の道具が大量に載せられたり、カスタマイズのベース車にできたり、人が乗っていないレアモデルなどもセカンドカー向きだ。いずれにしても、増車やセカンド
カーの乗り換えは新生活をさらに充実させてくれる。予算や駐車場など障害はあるかもしれないが、なんとかしてそれを乗り越えたいものだ。

たとえばこんなクルマ

icon 趣味の道具をたっぷり収める【スバル レガシィツーリングワゴン】

  • スバル レガシィツーリングワゴンの画像

  • ★中古車相場価格:10万から160万円
    日本を代表するワゴンモデル。現在なら、スポーティなデザインと走りが好評な4代目モデルやボディサイズが拡大された最終型あたりがおすすめ。

    購入後のカーライフ
    荷室スペースの大きさはもちろん、走りの素性も優れているので長距離移動にも最適。行動範囲が広がること間違いなし!

icon アメリカンな雰囲気を楽しむ【トヨタ ハイラックス】

  • トヨタ ハイラックスの画像

  • ★中古車相場価格:60万から430万円
    2005年代まで販売されていたオールドモデルと、2017年に復活した現行型(写真)から選べる。予算やデザインの好みに応じて選ぶといい。

    購入後のカーライフ
    他のクルマにはない荷台をどう使うかはアイデア次第。何も載せずに走っても贅沢だし、アウトドアでも大活躍できる。

icon ミッドシップの走りを味わう【ホンダ S660】

  • ホンダ S660の画像

  • ★中古車相場価格:130万から270万円
    名車・ビートのコンセプトを受け継ぐ軽スポーツで、独自のスタイリングと走行感覚は唯一無二。相場はやや高めだがそれだけの価値は十分にある。

    購入後のカーライフ
    ちょっとしたワインディングやサーキットでミッドシップの走りを味わえる。街乗りでも屋根を開ければ開放感抜群の別世界に。

icon 自分流にカスタマイズする【トヨタ ランドクルーザー70】

  • トヨタ ランドクルーザー70の画像

  • ★中古車相場価格:80万から440万円
    約30年前のモデルながら流通物件の多くがカスタム済みという、数ある中古SUVのなかでも改造ベース車として人気の70。2014年に復刻版も登場。

    購入後のカーライフ
    まずは極力ノーマル、または自分の好みに近い物件を探し、購入後に自分らしさを極めたい。アフターパーツも数多く販売されている。


【春の買い替え提案 2】新型スープラ登場でブームの兆し!?今だから乗りたい90年代スポーツモデル

「流行りだから乗ってみたい」そんな声もあるだろうが、最も多いのは「かつての憧れだから乗りたい」という声だろう。状況が許せばなんとしても実現したい。なぜなら、今が最後のチャンスかもしれないからだ。

当時の最高技術がたっぷり詰め込まれたモデルたち

 90年代は、スポーツカーが輝きを放った時代でもある。89年のスカイラインGT-RとフェアレディZの登場で始まった“280馬力スポーツ”は、それ以降にも、スープラ、GTO、NSXと日本の歴史に名を残す名車が出揃った。これらバブル末期に開発されたモデルは、メカニズムはもちろん、デザイン、内装の素材クオリティなども総じて高いコストがかけられている。
 同時期から00年代前半に目立ったのが、ランエボとインプレッサ(後にWRX)という、ラリー直系のスポーツモデルだ。WRCのイメージそのままに武装されたエアロパーツや4WDシステムは、セダンをモンスターマシンに変身させた。
 乗り換えにあたって考えられる問題は2つ。まずひとつは、これらのモデルの中古車相場が高騰している点。そしてもうひとつは、車両状態の問題だ。いよいよコンディションのいい物件が少なくなってきたし、流通台数も減ってきている。
 ただ、そういう意味では、あの頃の情熱をもう一度燃やせるのも、これが最後の機会かもしれない。乗り換えるなら、今でしょ!

たとえば【三菱 ランサーエボリューション】

中古車相場価格:60万から550万円
ランサーを神の領域まで到達させたのが「エボリューション」だ。WRCの認証獲得のために生まれたハイパフォーマンスモデルで、「X」まで10モデルが販売された。

買い替えオーナーさんに突撃取材

オーナー 池之平昌信さん
本誌をはじめさまざまな自動車メディアで活躍中のベテランカメラマンで、「流し撮り」写真の権威。若い頃からF1やWRCなどの取材で世界中を転戦してきた。

池之平昌信さんと三菱 ランサーエボリューションの画像

自分が実際に見てきた活躍を常に心に浮かべて
 40代から50代のクルマ好きにとって、「ランエボ」とは心躍る車名でもある。なぜならこのクルマは、スポーツセダンの頂点ともいえる存在だったからである。
 カメラマンの池之平氏は、これまで国産、輸入はもちろん、ジャンルも問わず、自分が「カッコいい」と思えるものを素直に愛車として選んできた。数年前にはBMWのM3を手に入れていたものの、この“ランエボ”への思い入れはBMWへのそれを上回るものだったという。
「かつてWRCを実際に取材していましたからね。ラリーでのランエボの走りを見て、音を聞いて、戦いの現場を実際に体感していたわけです」
 たまたま知人がランエボ6を手放すと聞いた時、思わず手を挙げた。“友人の愛車”は、まだ車検を取得したばかりで走行も8万キロ以下。友人は買取業者の提示額と同じ金額で譲ってくれた。
「普通に街乗りをしていても、WRCというバックグラウンドに思いを馳せて興奮してしまいます(笑)。今、あの頃のスポーツモデルが高騰していることはもちろん知っていますが、僕はそれよりもランエボに対して特別な深い思いを持っていますから」
 乗れるところまで乗って、その思いをまっとうしていただきたい。

  • 三菱 ランサーエボリューションのエンジンの画像

    燃費はともかく、最新のモデルと比べても劣ることのないハイパワー性能を発揮する2.0リッター直列4気筒ターボエンジン。

  • 三菱 ランサーエボリューションの画像

    通常のランサーから大幅に盛り上げられた「このオーバーフェンダーがレボリューションたるゆえんです」と語る池之平氏。


たとえばこんなクルマ

icon 海外でも通用したスタイリング【日産 フェアレディZ】

  • 日産 フェアレディZの画像

  • ★中古車相場価格:40万から340万円
    長い歴史を持ち、日本だけでなく北米でも高い人気を誇る美しいクーペモデル。新車で500万円超えだった4代目は高級感とハイパワーを実感できる。

    購入後のカーライフ
    美しく優雅なスタイリングの4代目モデルは、今でも街を流すだけで羨望の眼差しを集めることができる。5代目や現行型も同様だ。

icon 手足のように操れる操作性【ホンダ NSX】

  • ホンダ NSXの画像

  • ★中古車相場価格:350万から2000万円
    当時F1界を席巻していたホンダが開発した、フェラーリにも匹敵するスーパースポーツ。1000万円級の新車価格も話題に。現行型は2017年に復活。

    購入後のカーライフ
    販売台数が少ないモデルで、置いてあるだけでオーラを放つ。走行フィーリングはとにかく軽く、飛ぶように走る感覚を味わえる。

icon 強大な動力性能はいまだ健在【トヨタ スープラ】

  • トヨタ スープラの画像

  • ★中古車相場価格:90万から430万円
    新型が登場するトヨタのフラッグシップスポーツだが、90年代の2代目モデルは、最高の運動性能だったと振り返るレーシングドライバーも多い。

    購入後のカーライフ
    流通物件がチューニングされたものばかりということからもわかるが、チューニングパーツが豊富で、走りを極める楽しさがある。

icon ラリーで磨かれた4WD性能【スバル インプレッサWRX】

  • スバル インプレッサWRXの画像

  • ★中古車相場価格:30万から140万円
    卓越した走行性能とラリー車らしいエアロパーツを装着したスペシャルモデル。ランエボは生産終了したが、こちらは「WRX STI」として今も現役だ。

    購入後のカーライフ
    普通のセダンでは味わえない、身体がシートに貼り付けられるような、安定感がありながらもパワフルな加速感を堪能できる。


別のジャンルに乗り換える際の攻略ポイント・・・ジャンル変更買い替えの注意点!

「買い替え」ってただ金を出して乗り換えるだけのことだろう? なーんて思っている人は間違い。実は気にすべきポイントがある。特にジャンルが変わるような場合はなおさらだ。

買い替えのイメージ画像

なんとなくイメージだけでクルマを買い替えた場合、新しい愛車に対してポジティブな思いを抱くことができないことがある。またそれはガッカリ感だけの問題ではなく、道具として使うことが困難だったり、さらに運転感覚が合わなければ、極端な話、事故にもつながることだってありえる。そしてそういったことは、特にジャンルを変えた時に起こりがちだ。
 ただし、買い替える前の段階から準備できることもある。それは、次に乗るのがクーペなら周囲が見えにくいんだろうなとか、小型車なら今ほど荷物が載せられないなど、事前に想像しておくことだ。特に運転感覚、室内スペース、荷室スペースの違いなどは、容易に想像できる部分だろう。なにより、せっかくの買い替えが失敗に終わってしまっては悲しいではないか。

icon 【CASE01】クーぺからミニバン

ステアリングフィールやエンジンレスポンスも、スポーツカーと比べると鈍く感じてしまうかもしれない。

 なにより視界がガラッと変わる。近年のミニバンといえば、ウエストラインが低く、窓の広いものが多い。視界に入る情報が多過ぎるというのも、運転しづらさにつながるものだ。また、ボディの後方が長いということで、運転感覚は大幅に変わる。巻き込みなどに要注意だ。

icon 【CASE02】軽自動車からSUV

軽にもSUVはあるが、ボディサイズや車幅感覚は大きく異なる。以前軽SUVに乗っていたとしても注意は必要。

 最近のSUVは乗用車的な運転感覚やスタイルの踏ん張り感を出すために、車幅の広いモデルが多い。最小サイズの軽からSUVに乗り換える人も多くなっているようだが、車線変更や路駐する際の幅寄せなどの際には、極めて慎重に操作することが望まれる。

icon 【CASE03】セダンからコンパクトカー

非常に残念だが、小型車に乗っているだけで周囲のクルマの態度が変わることもある。おおらかな気持ちで運転しよう。

 ボディが小さくなれば、一見、運転操作が楽になると思われがちだが、エンジン排気量が小さくなることで合流や車線変更の際に思ったような加速ができなかったり、車体が軽く高速走行中の安定感がなかったりと、危険につながるような部分もある。


【春の買い替え提案 3】輸入車から国産車へ!求めたのは信頼感と便利さ&快適さ

国産車から輸入車に買い替えることを「ステップアップ」という人もいるが、逆の買い替えは「ステップダウン」かといえば、さにあらず。より高みを目指すために国産車を、という選択も大いにあり得る。

魅力的な輸入車の味をも超える魅力を持った国産車

 誰が言ったか、「輸入車は国産車より壊れやすい」という。本誌製作スタッフのようなクルマ業界の人間からすると、残念ながらそれは常識だ。日本で走ることを想定して設計されたクルマが、最も日本の環境に適合するのは当然のことなのだ。
 一方で、輸入車は、北米や欧州の生活環境(気温や湿度など)に合わせて製作されているため、日本では不備が生じてしまいがちになる。国産車と比べると、どうしても壊れる頻度やその可能性は高くなる。もちろん、それらリスクを承知のうえで輸入ブランドやその国の味が好きという人も多い。それも、独身のうちはいいかもしれない。また、収入や時間に余裕のある人にもいいだろう。
 89年にレクサスLSが北米で販売された際、その快適性と実用性に世界が驚いたという。国産車には世界に通用する実用性の高さがある。信頼性の高さも、依然として世界トップクラスだ。そういった日本が誇るモデルや日本車でも味のあるモデルを選ぶという選択もありなのではないか。長く乗り続けた輸入車から国産車へ買い替えて、目からウロコというのも、またよく聞く話だ。

たとえば【レクサス LS】

中古車相場価格:60万から1200万円
レクサスのフラッグシップサルーン。一昨年登場した現行型は現実的ではないが、先代初期型は底値で狙い目。相場の高低差がこれほどあるモデルもそうない。

買い替えオーナーさんに突撃取材

オーナー 杉内真人さん(仮名)
クルマの運転を職業とする40代で、若い頃からのクルマ好き。毎日仕事で運転をしている一方で、愛車でのドライブを「楽しみな時間」として大切にしているという。

杉内真人さん(仮名)とレクサス LSの画像

低年式の高級サルーンで快適性の高さを実感
「購入してからもう1年以上経ちますが、先代初期型(約10年落ち)にもかかわらずノートラブルです」
 そう語る杉内氏は、若い頃からスポーティなクルマが好きだった。20代の頃はチューニングしたシルビアに乗っており、その後もいくつかのスポーティなモデルを経て、30代後半では欧州ブランドの某有名スポーツセダンに行き着いた。
「40代になり、ふとスポーティな走りが必要かなと疑問に思ったんです。逆に、ゴルフなどで長距離移動が多くなったこともあって、運転時の快適性を重視してクルマ選びをしました」
 選んだのは初代レクサスLS。快適性の部分では国産車の頂点でもある。排気量も国産車最大クラスの4.6リッターで、ドライバーの疲れを軽減してくれる。お気に入りの装備は、シート表面から涼しい風が出てくるシートクーラーだそうだ。
 以前の欧州製スポーツセダンは、ウインドウ落ち、パワステ、オイル漏れ、冷却水などのトラブルで、「金がかかった(笑)」という。物件のコンディションにもよるが、より低コストで、信頼性、快適性といった国産車ならではの魅力を満喫することは誰にでも可能なのである。

  • 杉内真人さん(仮名)の運転の様子

    快適性を求めた買い替えをしたことで、「年をとったこともありますけど(笑)」、運転の仕方も落ち着いたものに変わってきたという。

  • トランクの画像

    トランクの広さは国産車にかぎらず世界最高クラス。「そんなに入れる物もないので、広すぎていつもがらんどうです(笑)」。


たとえばこんなクルマ

icon イギリス生産の帰国子女【トヨタ アベンシス】

  • トヨタ アベンシスの画像

  • ★中古車相場価格:10万から200万円
    トヨタの英国工場生産のセダン&ワゴン(現行型はワゴンのみ)。欧州基準で開発された走行安定性は高く、並みの国産車では味わえないレベル。

    購入後のカーライフ
    オーナーに話を聞くと、車名を尋ねられることがよくあるという。「誰も乗ってないクルマに乗りたい」欲を満足させてくれる一台。

icon 国産ミニバンでも異質な存在【三菱 デリカD:5】

  • 三菱 デリカD:5の画像

  • ★中古車相場価格:40万から330万円
    SUV風の走行性能とスタイリングを持つモデルで、ミニバン大国の日本でも、特にマニアックなファンを持つ。マイチェン前モデルが狙い目。

    購入後のカーライフ
    一見、無国籍風のスタイリングは、隣のミニバンと比べてもオリジナリティあり。アウトドアでも活躍してくれること間違いなし。

icon 国籍不明の不思議スタイル【日産 キューブ】

  • 日産 キューブの画像

  • ★中古車相場価格:10万から130万円
    モデルライフが長くなっている現行型だが、その間ほとんどデザインを変えていないのは評価が高いから。どこか日本らしい和のテイストが魅力的。

    購入後のカーライフ
    昨今の、つり目&スポーティなコンパクトカーとはイメージがまったく異なる。内外装とも眺めているだけで癒やしを味わえる。

icon ジャパニーズおもてなしカー【トヨタ ポルテ】

  • トヨタ ポルテの画像

  • ★中古車相場価格:10万から120万円
    普通車最小クラスのボディサイズで、後席にはスライドドアを採用。車内は収納も多く、使い勝手抜群。デザインも無国籍アート風で好ましい。

    購入後のカーライフ
    背の高い軽自動車に匹敵する室内スペースにスライドドアと、小さな子どもがいるなら最適。欧州車からの乗り換えも推奨できる。


【春の買い替え提案 4】隣と同じはもうイヤだ!ミニバンから他ジャンルの多人数乗車モデルへ

ミニバンが3列シートを備えているとはいえ、3列目が使用される機会はそれほど多くない。それなら3列目をそれほど重視しない他ジャンル車を選ぶというのも、ひとつの選択肢だ。

実は以前から多数のモデルが存在していた

 一昨年末、3列シートSUVのCX-8の登場が話題になった。日本では長らくミニバンブームが続いていたが、近年は少々人気にかげりが見えており、他のジャンルでの多人数モデルが俄然注目を集めている。
 といっても、以前から3列シートを備える他ジャンル車は存在していた。たとえばランクルやパジェロなどのフルサイズSUV。駐車場や行動範囲などの不都合もあるが、現在のSUVブームにも適合する。さらに、ウィッシュやストリームといったワゴン風モデルもある。これらはミニバンより車高が低いことで、より乗用車感覚に近い安定感のある走りを実現している。
 3列シートに快適性や使い勝手を深く求めず、エマージェンシー(緊急用)として捉えるならば、その選択肢は大きく広がるのである。

たとえばこんなクルマ

icon 現行型で7人乗り初登場【日産 エクストレイル】

  • 日産 エクストレイルの画像

  • ★中古車相場価格:150万から280万円
    流麗なスタイルに変貌を遂げた中型SUV。現行型限定となる3列シート仕様だが、すでに登場から5年が経過していて、狙い目の物件も多くなった。

    購入後のカーライフ
    もともとがアウトドアの得意なオフローダーだけに現行型もアウトドアに連れ出すには適している。移動時の高速走行も快適。

icon 伝説の2列6人乗りモデル【ホンダ エディックス】

  • ホンダ エディックスの画像

  • ★中古車相場価格:10万から30万円
    世にも珍しい2列シートながら各列3人乗りという、「3×2人乗り」モデル。同様のシート配置モデルは海外でもムルティプラくらいしか存在しない。

    購入後のカーライフ
    物件流通数が少なく見つけるのは少々大変だが、伝説となったモデルだけに、クルマ好き仲間から注目されること間違いなし!

icon SUVキングならではの余裕【トヨタ ランドクルーザー】

  • トヨタ ランドクルーザーの画像

  • ★中古車相場価格:260万から640万円
    「砂漠のロールスロイス」ことランクルも、古くから3列シート仕様を設定。シート自体も重厚な造りで、座り心地はそれほど悪くない。

    購入後のカーライフ
    海外からも注目を集めるモデルだけに、高価格、巨大なボディサイズといった部分を乗り越えれば、誰からも羨ましがられる。

icon 乗用車感覚で運転できる【トヨタ ウィッシュ】

  • トヨタ ウィッシュの画像

  • ★中古車相場価格:10万から140万円
    ホンダのストリームに続いて登場したワゴン風ボディの3列シート車。走り、スタイルともに安定感がある。2017年に日本での販売を終了している。

    購入後のカーライフ
    日頃はシャープな走りを味わえるうえ、ワンアクションでたためる3列目シートのスペースは、ワゴン風に大容量荷室として使える。


【春の買い替え提案 5】まだガソリン車に乗ってるの?次世代パワーユニットを味わいたい

ガソリンエンジン車から次世代エコカーへ乗り換えることが容易な時代となった。燃費ならハイブリッド、力強さならディーゼルなど、狙いを定めて、それに適合するモデルを選びたい。

次々に登場&実用化した先進のパワーユニットたち

 そもそも自動車産業というものは先進技術の結晶で、進化のスピードは他の多くの工業製品を上回っている。そのため20年前のクルマはもとより、10年前のクルマでさえ、実際に乗ってみれば古く感じる部分を見つけることは容易である。特に、パワーユニットに関しては、クルマの最先端を最も色濃く味わえる部分であるが、一方で、昨今の次世代エコカー市場は混迷を極めている。
 それは、電気自動車の実用化や、クリーンディーゼルによるディーゼルの復権、ハイブリッドカーの進化版であるPHEVの早過ぎる進化などが影響している。それも新車市場だけに限らず、今や多くのパワーユニットを中古車でも選択することができるのだから悩ましい問題だ。
 愛車に対して「未来を感じたい」という思いを抱いている人も少なくはないだろう。いずれにせよ、最先端技術が搭載されたクルマが市場に溢れているというのは、クルマ好きにとって嬉しいこと。そして、そのなかから自分好みの次世代パワーユニットを選ぶというのも、これまたクルマ好きにとって味わい深く、楽しい行為に違いない。

たとえば【トヨタ プリウス】

中古車相場価格:50万から280万円
ハイブリッドカーのパイオニアも現行型で4代目。底値の2代目、流通物件が豊富な3代目など、どのモデルを選んでも低燃費性能は世界トップクラスだ。

買い替えオーナーさんに突撃取材

オーナー 三島春介さん(仮名)
40代独身の会社員。クルマは通勤で使うのが主で、以前の愛車レガシィB4は年式が古かったこともあり、毎月のガソリン代がバカにならなかったという。

三島春介さん(仮名)とトヨタ プリウスの画像

見かけなくなった2代目も低燃費性能は高いまま
 ハイブリッドカーが一般的なものになり、これだけ数多くの車種が出回るなか、プリウスはいまだに新車販売のベスト5に入り続けている。
「燃費性能はもちろん、乗り心地も悪くないし、室内も狭くない。文句のつけようがないですよ」
 と語るのは、昨年、レガシィB4から2代目プリウスに乗り換えたという三島さん。
「いや、燃費はいいなんてもんじゃない。とてもいいです! よくネットなんかで新車で買ってもガソリン代じゃ新車価格の元が取れないなんて書かれてますが、中古車で買えば元取れまくりです(笑)。給油回数が目に見えて減りましたからね」
 それでいて2代目モデルを選んだ理由は、とにかく相場が安いこと。「3代目はものすごく売れたから、道で毎日のように見かけるじゃないですか。けど、この2代目はそれほどでもありませんし、クルマ自体も頑丈だと聞いています。燃費だって、どんな風に運転してもほぼリッター20キロいきますからね」
 この先は、少しずついじって自分らしさを出し、地味な印象を変えていきたいと語ってくれた。

  • ハイブリッドモニターの画像

    レトロな印象のハイブリッドモニターも今なら逆に新鮮。「表示を見ていると、つい低燃費走行したくなっちゃいます(笑)」。

  • 三島春介さん(仮名)の運転の様子

    小まわりが利くというのも同車の美点で、毎日の足として重宝されている。「やっぱりFFベースってよく曲がりますね」。


たとえばこんなクルマ

icon すべてを削った燃費スペシャル【ホンダ インサイト(初代)】

  • ホンダ インサイト(初代)の画像

  • ★中古車相場価格:20万から60万円
    3代目モデルが発売されたばかりだが、これは初代モデル。当時のプリウスを上回る燃費性能を誇り、リアタイヤカバーも他にない魅力だ。

    購入後のカーライフ
    ハイブリッドカーながら、スポーティな走行感覚を楽しめる。ひとり気ままにロングドライブへ行きたい人などに最適だ。

icon 流行りのSUVで流行りのPHEV【三菱 アウトランダーPHEV】

  • 三菱 アウトランダーPHEVの画像

  • ★中古車相場価格:220万から350万円
    ミドルサイズSUVのアウトランダーをベースに、EV派生型の「プラグインハイブリッドシステム」を搭載。三菱の卓越した4WD技術も味わえる。

    購入後のカーライフ
    短距離の連続ならほぼガソリンを使うことがなく、自宅の車庫に給電口などを設ければ、未来的な生活を送ることができる。

icon 手軽に味わえるモーターの走り【日産 ノートe-POWER】

  • 日産 ノートe-POWERの画像

  • ★中古車相場価格:100万から250万円
    2016年に人気コンパクトカーのノートに追加された、エンジンで発電する100%モーター駆動車。ここにきて100万円前後の物件が増えた。

    購入後のカーライフ
    「e-POWER」システムの走りは、モーター駆動でEVと同様シャープな雰囲気。アクセルを戻すと減速する運転感覚も独特なもの。

icon クリーンディーゼル浸透の立役者【マツダ CX-5】

  • マツダ CX-5の画像

  • ★中古車相場価格: 90万から340万円
    クリーンディーゼルの名を世間に浸透させたのが初代CX-5。都会的なフォルムも話題に。現行型は2年前に登場したもののまだ相場は高め。

    購入後のカーライフ
    SUVとして遠出やアウトドアなどでも活躍できる一方、ディーゼルは燃料が軽油なので、毎月の燃料代も節約できる。

次世代エコカーの世界情勢は今どうなっているのか?

次世代エコカーを買いたいけどまだ選びきれていないなら、まずは世界の動静を知ってみてはどうか。現状と今後の普及についてクルマのプロに話を聞いた。

欧米と日本の勢力図は異なるが、日本では「心配ない」
 エコカーを買おうとしている皆さんは、自分が買おうとしているエコカーが将来どうなるか、いずれ消えてなくなって乗れなくなったりしないか、気になるはずだ。
 エコカーの世界情勢を見ると、クリーンディーゼルは明らかに退潮しつつある。フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題をきっかけに、本場ヨーロッパでディーゼル排ガス規制が強化され、徐々にコストが上がっているからだ。しかしここ日本ではあまり関係ないし、逆にまだディーゼルのシェア自体が低いので、今後も伸びる可能性は高い。トラックなど大型車は相変わらずディーゼルなので、心配はない。
 日本では、エコカーの主役はガソリンハイブリッドだが、これまた世界的にはやや退潮気味だ。アメリカはガソリン安と好景気で燃費への意識が低下、ヨーロッパや中国ではもともと不人気なのだ。しかし日本では相変わらずエコカーの主役で、まったく心配ない。
 ヨーロッパでは、プラグインハイブリッドが次の主役と目されており、各社多くのモデルを出しているが、高価すぎて販売はまったく振るわない。値段が大きく下がらないかぎり、普及はないだろう。
 そしてEV。これこそ次世代エコカーの不動のエースのはずだが、航続距離の問題が依然として解決していないことから、中国のように「EVじゃないとナンバーが取れない」といった規制がない限り、主流になるのは難しい。EVへの乗り換えは、将来「電池革命」が起きてからでも遅くないはずだ。
 最後に燃料電池車(FCV)だが、現在、国策として普及を目指しているのは日本だけ。その日本でもほとんど売れていない。このままではいずれ消滅する可能性もある。

  • 清水草一さんの画像

  • TEXT/清水草一
    自動車専門誌や一般誌、週刊誌など様々な媒体に連載記事を持つベテラン自動車ライター。趣味は「クルマを買うこと」で、軽自動車からフェラーリまで幅広く中古車を購入してきた。


【総括】この春こそ! 買い替えのススメ

 現在日本で買えるクルマにはさまざまな種類があるので、買い替えパターンも千差万別だが、今回の提案のなかに、自分にも当てはまりそうなパターンは見つかっただろうか。
 購入前の段階から予算や購入後のカーライフについてよく考えながらベストの一台を選ぶことは大切だが、クルマがあれば新生活がさらに楽しいものになるのは確実。春の買い替え、おすすめです!

※中古車価格はグーネット 2019年2月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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