カーライフ・ドライブを楽しむ
更新日:2026.04.10 / 掲載日:2026.04.10
DISCOVERYJAPAN 2026 〜後半〜
ゴールデンウィーク前にあなたの旅先を充実させます
達人に聞く! 穴場スポットへ誘うドライブ旅
今年のゴールデンウィークはどこへ行こう? なにをしよう? この時期は連休中のお出かけ先に頭を悩ませる時期でもある。そんなみなさんに向けて、グーではいわば、そのジャンルに精通した「達人」がオススメのスポットや楽しみ方を紹介。知識が豊富で実体験もしている「達人」だからこそ知っている、イチオシの絶景やグルメ、道の駅情報などを知ることで、今までとはちょっと違うワクワクするドライブや旅を楽しめる。さぁ、大型連休を存分に楽しもうじゃないか!
(掲載されている内容はグー本誌 2026年4月発売号掲載の内容です)
Part 3 路面電車と並走する休日編
並んで走れるからこそ楽しい路面電車のある街めぐり
観光の足として便利な路面電車は、見ても楽しく、乗るのも楽しいという。では、そんな路面電車を見にいき、一緒に走るドライブはどうだろう。路面電車はどこにあるのか、どんな風に走っていて、クルマで並んで走れるのか。路面電車がある街の魅力について、ドライブしながら考えてみた。
構成・文/フォッケウルフ 撮影/茂呂幸正、木村博道、我妻慶一

教えてくれた達人
[鉄道ファンのお笑い芸人]
吉川正洋
お笑いコンビ「ダーリンハニー」のボケ(たまにツッコミ)担当。1977年生まれ。東京都出身。趣味の鉄道を題材にしたネタを披露して人気を博す。現在は、鉄道関連のバラエティ番組に出演したり、執筆活動も行っている。
「街を低速でめぐる路面電車と一緒に走れたら最高ですね♪」

路面電車の魅力とはなんなのか── 並んで走ればそのヒントが見えてくる?
路面電車に触れてみれば街の魅力を深く味わえる
路面電車の魅力といえば、街の景色をゆっくり見ながら、楽しんで乗れることですね。ひとつずつ細かく駅が設置されているので、その街の魅力を存分に味わえます。
あと、古いビンテージ車両が今も現役で走っていて、車両のバリエーションが多く、個性的なところも魅力的です。「連接台車」や「吊り掛け駆動」といった独特な方式や、唸るような音も特徴的で味わい深いです。
普通電車も同様ですが、運転士さんの運転の所作や運転技術を見られるのもひとつの魅力です。さらに路面電車だと、前車との距離を詰めたり、信号を考えて走っていたり、特有のテクニックも見られます。
クルマで路面電車と並走する際は、「安全第一」で走ることはもちろん、とにかく無理な運転はしないよう心がけてください。路面電車のある街ではレールの上をまたぐこともありますし、とにかく路面電車優先で、電車に接近しすぎず、いつも以上に気をつけて運転してください。
路面電車は全国各地にありますが、それぞれ特徴があって、土地と親密な関係を築いています。どれもおすすめですが、愛知県の豊橋鉄道はユニークです。冬は車内でおでんを食べられる「おでんしゃ」というものがあって、よく知られています。
富山県の路面電車は、街の隅々まで走っていてとても便利です。街中を移動しやすいですし、電車と街との一体感が感じられますね。日本一長い駅名と知られている「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」もこの路線にあります。
北海道、函館の路面電車は、とにかく絵になります。路線まわりの景色がよくて、すごくいい写真が撮れますし、鉄道駅とすごく近いので、普段使いもしやすいですね。
高知県の「とさでん」は路線が長くて、長時間乗っていられます。特にはりまや橋の交差点は見どころです。広島県は、路面電車の路線数が多くて、車両数も多いので「動く電車博物館」として楽しめますよ。
栃木の宇都宮ライトレールは新しくて成功しているので、各都市の担当者が視察に来ているそうです。途中アップダウンがあって、クルマで一緒に走ると特に楽しいかもしれません。


宇都宮ライトレール

クルマにも恩恵をもたらした社会を豊かにする乗り物
宇都宮ライトレールは、日本で75年ぶりに新規開通した路面電車だ。その間に地方では、すっかり自動車社会化が進行して、もはや路面電車の出番なんてないと思われていたのに、フタを開けたら大成功! 市民は宇都宮市の悪名高い通勤渋滞を避けて移動が可能になり、市の価値も上昇傾向にある。
ヨーロッパで生まれたLRT(ライトレールトランジット)タイプの宇都宮ライトレールは、日本の多くの路面電車、いわゆるチンチン電車とは、見るからに世代が違う。乗り心地も快適で、床面が低くフラットなので乗り降りもしやすい。3両編成で定員は160人とバスよりずっと多く、6~10分間隔でほぼ定時運行できる。普通の鉄道駅みたいに階段の上り下りもないので、利便性はとても高い。
宇都宮ライトレールの登場は、ドライバーにも恩恵をもたらしている。道路車線数の減少で渋滞が悪化するのでは? という懸念もあったが、クルマの数が減ったので特に悪影響はナシ。並行する道路を走るドライバーからすると、LRTはサファリパークの“ゾウさん”的存在だ。出会うだけでちょっとうれしい気分になれる。クルマは便利な乗り物だけど、クルマだけじゃさみしい。仲間が多いほうが社会は豊かなのだ。
レトロなのにトレンドな路面電車がクルマと共生する未来のカタチ


北関東最大の都市、宇都宮。同駅の東口を起点とするライトレール沿線には、『道の駅はが』や桜の名所でもある『かしの森公園』など魅力的なドライブスポットも点在する。

宇都宮ライトレールとは……
2023年8月に開業した日本初の全線新設LRT(次世代型路面電車システム)。国内の路面電車としては75年ぶりの新規開通となった。JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの約14.6㎞を結んでいる。
ドライブのお供はこちら!
[ホンダ]N-BOX(現行型)
ライトレールと同じ黄色いボディカラーが設定されている3代目N-BOX。路面電車がある街は古い街並みが多いが、狭い路地があってもN-BOXなら余裕で走破できる。
新車価格:173万9100~247万5000円
中古車価格帯:130万~190万円

クールな都会の風景を彩る温かみのある2つの路面電車
東急電鉄世田谷線

■世田谷線
三ノ輪橋~早稲田間(約12.2㎞)を結ぶ路面電車。自動車道との併用軌道箇所も多く、昭和の懐かしい雰囲気を感じられる。


ドライバーの関心を誘い心を和ませてくれる存在
路面電車は中都市にフィットする交通機関。大都市に求められる大量輸送には向かないが、じつは東京にも、路面電車が2本残っている。
1本は東京さくらトラム(都電荒川線)。早稲田から三ノ輪まで、下町の専用軌道を、昔ながらにチンチン~という感じで走る。都電で唯一荒川線が残ったのは、クルマが走る道路と分離された専用軌道部が大部分だったから。ただ、JR王子駅前付近ではクルマと並んで道路を走り、急坂もトコトコ登って、たまたま通りかかったドライバーを「おおっ!」と驚かせる。
もう1本は東急世田谷線だ。こちらはすべて専用軌道なので、一見「ちっちゃな2両編成の私鉄」という感じだけど、法規上は路面電車。その証拠(?)に、環状七号線を渡るときは、電車のほうもクルマみたいに信号を守る。大交通量の幹線道路を、ちっちゃな電車がホンワカ渡る姿は、なぜかドライバーの心を和ませてくれる。
東京さくらトラム

■東京さくらトラム
三ノ輪橋~早稲田間(約12.2㎞)を結ぶ路面電車。自動車道との併用軌道箇所も多く、昭和の懐かしい雰囲気を感じられる。


まだまだ全国にある! 電車とクルマが共存する街
前ページで紹介した栃木県の宇都宮ライトレールと、東京都の東京さくらトラム、世田谷線の計3線を除いても、日本全国には多くの路面電車が運行されている(左表参照)。
普通電車と違って40㎞/h以下でゆっくり走る路面電車では、沿線の名所など外の景色を眺めて楽しむことができる。また、停留所の間隔が短く設定されており、乗り降りがしやすいことも特徴で、地域住民の足として親しまれている。
車両は全長11~13mに抑えられており、昭和時代のレトロなカラーや、その都市のシンボリックなデザインが採用されているところも見どころ。近年では、広告が車両全体にラッピングされた広告車両も多く見られるようになった。
路面電車のある街をドライブしたら、並んで走るだけでなく、実際に路面電車に乗り込み、のんびりと街散策を楽しむのもいいだろう。


Part 4 車中で食べるご当地弁当 青空レストランドライブ編
地元の食材にこだわった弁当を景色を眺めながら食べるロハス体験
観光地を訪れれば、おいしいご当地弁当が発見できる。ドライブで訪れた絶景スポットで食べれば、ご当地弁当は運転で疲れた心を和ませてくれるに違いない。今回は静岡~愛知の東海地方をドライブして、旅路で見つけた、心を和ませてくれるご当地弁当を厳選してお届けする。
教えてくれた達人
[フードライター]中山秀明さん
内食・外食のトレンドに深く精通し、さまざまな雑誌やウェブメディアで編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。TVや大手企業サイトのコメンテーターなどでも幅広く活動中。

景色を眺めながら弁当を食して訪問先のことをより深く楽しむドライブへ──
各地の食文化を詰め込んだ日本独自のフォーマット
欧米でも「BENTO」として親しまれている弁当は、日本が世界に誇る食文化のひとつだ。意外かもしれないが、弁当のように多品目の料理を彩り豊かにちりばめ、箱詰めする食のフォーマットは他国でもめずらしい。なおかつ持ち運ぶことが前提で、冷めてもおいしい工夫がされている点は弁当の魅力といえる。
加えて、日本には47都道府県で異なる食文化が存在し、ご当地弁当もあまた。なかでもおすすめしたいのは、やはり現地でなければ入手しづらい弁当。たとえば1世帯あたりの自家用乗用車保有台数が全国トップクラスの群馬県は「峠の釜めし」や「だるま弁当」が全国的に有名だが、県民には冠婚葬祭でも愛用される登利平(とりへい)の「鳥めし」が旅の醍醐味といえる逸品だ。
ほかにもたとえば、北海道・函館のハセガワストアにある「やきとり弁当」(肉は鶏ではなく豚。タレがイチオシ)や、室蘭の「母恋(ぼこい)めし」、山梨・小淵沢の「高原野菜とカツの弁当」、広島・宮島の「うえののあなごめし」、鹿児島・霧島の「百年の旅物語 かれい川」などは、百貨店の物産展でもレアな存在であり、出店しても即完売必至。現地を訪れた際には、ぜひご賞味いただきたい名作である。
ちなみにハセガワストアはご当地コンビニだが、全国には弁当や総菜のおいしさで有名なご当地スーパーが多数存在する。これらは公共交通機関で行きづらい店も多く、だからこそドライブ旅で立ち寄ることをすすめたいのだ。
また、近年盛り上がりを見せる、おにぎりに関しては、ご当地の専門店やチェーンが激推し。新潟の「里桜屋(さとざくらや)」、静岡の「天神屋」、愛知の「おにぎり家 多司(たし)」と「にぎりたて」、三重の「おにぎりの桃太郎」、長崎の「かにや」などが代表格。駐車場を備えたロードサイド店も多いので、見かけたらおやつを買う感覚で行ってみよう。
前述の著名な弁当や店舗を目的地にするのではなく、宝探し気分でフラッとご当地弁当めぐりをするなら、スーパー以上にローカル色が強い店舗である、道の駅がおすすめだ。また、海がある都道府県なら港町を散策すると、旬の魚介を使った海鮮弁当と出会えることも。
食べる際は景色のいい場所に停めて味わうと、その地の魅力をより満喫できるはずだが、暑くなると傷みやすいので、ぜひ早めにいただこう。そして、お土産として買う場合、比較的日持ちする押し寿司がおすすめ。特に富山の「ますの寿司」、福井の「焼き鯖寿司」、奈良の「柿の葉寿司」は名物でもあり、喜ばれること請け合いだ。




ドライブのお供はこちら!
[スバル]インプレッサ(現行型)
高速道路を長距離走行するなら、優秀なACC装着車に乗りたい! ということで、高い安全性と快適性を備えた新型アイサイト搭載の現行型インプレッサをチョイスした。
新車価格:274万4500~383万9000円
中古車価格帯:160万~290万円

元祖 鯛めし 920円

明治30年から続く長い歴史を持つ駅弁。醤油ベースの桜飯を、3日かけて炊き上げた鯛そぼろで覆っており、シンプルながら病みつきになる味。東海軒の登呂工場前の売店で購入した。

天神さん弁当 816円

静岡県内で30店以上を展開する老舗のお弁当屋、天神屋。名物である黒いスープの「静岡おでん」が並ぶ店内で手にしたのは、店の名である「天神」を冠したバラエティ豊かな逸品。

新鮮な海の幸を堪能できる静岡とご当地グルメで満ちた名古屋をまたぐ旅

新鮮な水産物を楽しみ充実の名古屋めしを堪能
今回は東京からセントレア(中部国際空港)まで約350㎞を走り、東海道を横切るドライブ旅。途中で立ち寄ったのは、三保の松原と弁天島海浜公園である。それぞれの近隣でご当地弁当を入手して、絶景を眺めながらご当地グルメを食すことを目当てに、西へクルマを走らせた。
静岡県は、雄大な富士山を眺められるスポットや癒やしの温泉などが点在するドライブ旅の名所。そして、漁港が多くあることから、新鮮な海の幸を楽しめる県としても知られている食の宝庫である。

一方、愛知県といえば、歴史的史跡やトヨタ関連の施設もあり、日本のヘソとして機能する都会的魅力が詰まったエリア。ひつまぶし、味噌カツ、きしめんなど、名古屋を中心にご当地グルメが大量に存在する食文化レベルの高い地域だ。
静岡では海鮮を使用したものを、愛知では名古屋グルメを中心にご当地弁当を満喫。見事、青空レストランで眼福と満腹を得られた旅だった。


今回のドライブの目的地としたのは「セントレア」の愛称で知られる中部国際空港。愛知県常滑市の人工島にあり、フライト目的でなくても訪れられる。
浜鰻 うなぎ弁当(竹) 2500円

浜名湖は日本でも有数の鰻の名産地。東名高速の浜名湖SA(下り)には、鰻専門店『浜鰻』が出店しており、国産鰻の弁当をテイクアウト。香り高くふっくらした鰻に舌鼓を打った。

厳選しらすのかき揚げ丼 1000円

名店『浜菜坊』では、生しらすや鰻、牡蠣などを堪能できる。テイクアウトも対応しており、今回は巨大なしらすのかき揚げが2枚も入った絶品かき揚げ弁当を味わった。

みそひれかつ丼 1610円

愛知県民御用達の老舗店『矢場とん』で目をつけたのは、柔らかくヘルシーなヒレカツに秘伝の味噌ダレをたっぷりかけて食べる、みそひれかつ丼。甘辛くコクのあるタレは格別な味。

醤油こうじ唐揚 からたま弁当 1113円

厳選鶏肉を使った明治33年創業の名店『鶏三和』。刈谷ハイウェイオアシス内の店舗では、鶏めしに名古屋コーチンの唐揚げと極厚の卵焼きが入ったボリューム満点のバランス弁当だ。

まとめ
自由なテーマで自由な移動を楽しもう
日本各地の洗練されたドライブスポットを紹介する本誌のDISCOVERY JAPAN企画。今回は絶景、道の駅、路面電車、ご当地弁当などをテーマに東奔西走した。時間や天候に左右されず、自由な移動ができるドライブは、目的地までの過程も楽しむべきもの。日常の疲れた身体や心のリフレッシュも兼ねて、この春も旅に出よう。