カーライフ・ドライブを楽しむ
更新日:2025.06.10 / 掲載日:2025.06.10
雨大好き! カーアイテムはもっと好き!
梅雨特集の第2部は、雨対策カーアイテムを徹底紹介。
リーズナブルで使えるアイテム探しや定番アイテムの使い方考察、
さらにカー用品メーカーの老舗に突撃インタビューも敢行した。
梅雨時期だからといってクルマに乗ることを躊躇しない、
むしろクルマに乗りたくなるようなアイテム関連情報を集めたぞ!
構成・文/フォッケウルフ 撮影/我妻慶一
(掲載されている内容はグー本誌 2025年6月発売号掲載の内容です)

雨を味わうためのクルマとそれを助けるカーアイテム
雨は情緒の感じられる天気のひとつで、雨が好きという人は案外多い。昔から雨を題材にした歌は世界中のアーティストが歌ってきたし、映画や小説のなかでも印象的な雨のシーンというのはよく描かれてきた。
しかし、悪い点もある。なにより濡れるし、たまに汚れるし、寒いときもある。そこで、雨の悪い部分を克服して、雨のよさばかり味わえるのがクルマである。車内にいれば濡れることはないし、空調をつけておけば快適だ。それでいて窓からは外の風景を楽しめる。だからクルマと雨は相性がいい。
優れたカーアイテムがあればなおさらだろう。ウインドウの雨粒を処理して視界をよくしたり、運転をサポートしたり、雨天時の乗り降りを補助するアイテムだってある。
だから、雨好きにはカーアイテム好きが多い。天気に一喜一憂するクルマ好きも多いが、雨対策カーアイテムを揃えておけば、梅雨時期でも、ぬくぬくしたカーライフを送れるというものである。
雨好きに教えたい。今、本当に欲しいカーアイテム①

強力な磁石を内蔵したマグネット。傘の骨部分に取り付けるだけで、傘をクルマのルーフに固定することができて、雨天時でも荷物の出し入れが可能に。重くないので普段から付けっぱなしでも問題なく、サイズも34×34mmと非常に小さい。スマホに取り付けてもいいくらいのサイズ感だ。


ヘッドレストからシートの背面にぶら下げるタイプの傘ケース。長さ68cm、幅21cmあるので、1本〜3本の収納が可能。下部のポケット部を開けば、たまった水を簡単に捨てることができる。クルマに限らず、建物の中で濡れた傘を持ち歩きたくない人などにも最適なアイテムだ。

雨好きに教えたい。今、本当に欲しいカーアイテム②

水滴がサイドウインドウについてミラーが見えない! そんなトラブルを解消する撥水加工フィルム。ウインドウの最適な場所に貼るだけでその部分の視界をしっかり確保してくれる。左右2枚セットで、マニュアルも付いているので取り付けも簡単。約20×17.5cmとたいていのクルマなら取り付け可能なサイズだ。


水玉のせいで見にくくなったウインドウの水切りをするためのアイテム。シリコン素材でよくしなるので、曲面にもフィットする。硬い素材ではないので傷をつけにくく、ボディ面にも使える。サイド面も同形状になっているので、狭い面やサイドミラーにも最適。サイズは30×6.5cm。


雨天時、ウインドウの内側が曇っていても、このウインドモップがあれば手軽に拭き上げることができる。先端が180°可動し、柄の部分も伸縮するので、手が届きにい部分でもOK。モップの部分はマイクロファイバー素材になっていて、予備の付け替え用モップも同梱されている。


梅雨時期の車内にこもった熱やジメジメ感を払拭できるクルマ用換気扇。車内で飲食した後の臭いにも対応可能で、風量は3段階で調整できる。ラバーストリップをウインドウ枠に沿ってはめ込み(最適な長さでカット)、ラバーの凹み部分に本体を差し込むだけと、取り付けも簡単だ。


雨好きなら知っておきたい ガラス撥水剤の最適解
どんなタイプがどう便利?
梅雨時期になると、愛車のガラスの雨はじきが悪いということで撥水剤の購入を考える人も多くなる。ただ、撥水剤は多くの製品が発売されていて種類も多い。そこで、どんなタイプがあるのか、どれを買うべきかを解説する。
大別すればタイプは3種類。施工方法と価格に違いあり
カー用品店のウインドウケミカルコーナーを訪れて最初に目にするのは、本体を持ってそのまま液剤を塗るタイプだ。次に多いのはスプレータイプで、ジェットタイプもここに含まれるものとする。そして最近少し減ってきた、液剤を布などにつけて塗り込むタイプ。大きく分けてこの3つが主流となっている。
性能に関しては、今やどれもかなり優秀で、1シーズンを乗り切るには十分な撥水性を持っている(主要メーカーのものに限る)。違いは価格と施工方法で、どれだけ愛車に時間や手間をかけられるか、その労力が支払金額に相当するかということになってくる。いつも美麗な愛車に乗っていたいか、コスパよくカーライフを送りたいか。自分にベストな選択をしてもらいたい。

1(そのまま)塗り込みタイプ

本体にフェルト部が取り付けられており、この部分をウインドウ面に押し付けると液が染み出してくるので、あとはそのまま塗り込むだけ。数分後に濡れタオルで拭き上げれば完璧だ。この製品のようにヘッドが動くタイプなら、それほど強い力を入れなくてもムラなく均一に塗ることができる。

作業方法は簡単だが、事前に油膜取りなどを使用するとさらに効果的。使用しないときはこの製品に付属のカバーをフェルト部に付けておく。
2ジェット(スプレー)タイプ

雨の日にワイパーを動かしながらスプレーするだけのジェットタイプ。晴れた日に使う場合は、スプレーした後で濡れタオルなどで拭き取る必要がある。同様に使用するジェットではないスプレータイプも数多くあるが、晴れの日の施行や拭き上げを推奨、必要としているものが多い。

パワフルなジェット噴射なので、約3秒間スプレーするだけでコーティングは完了。塗り込みタイプと比較すると効果の持続性が多少低くなる。
3(パッドで)塗り込みタイプ

拭き取り不要の塗り込みタイプ。付属されている専用パッドに液剤を染み込ませて、ガラス面に塗り込むだけで撥水効果を発揮。多少、手の力は必要だが、それほど時間はかからないし、乾燥や拭き取りの工程が必要ないのは美点だ。同様の塗り込みタイプでも拭き取りを必要とする製品もある。

上記2つのタイプと比べると、撥水効果は最も長持ちする製品が多いが、価格もこのタイプが最も高く設定されている傾向がある。
SA・PAも! 道の駅も! 雨好きが出かける定番スポット
ショッピングモールトリビア
ショッピングモールは雨の日でも……もとい、雨の日だからこそ楽しめるクルマ好きのパラダイス! だからこそ知っておきたい、知ればさらに楽しめるトリビアを紹介していこう! SA・PAや道の駅に関しても!
トップ店舗の存在を知って、その場所をより深く楽しむ
これができるとその周辺に新しい道もできたりして、ドライブの目的地として最高な場所がショッピングモールだ。一日中買い物を楽しめるし、通路は屋根付きだから雨が降っても散策しやすい(屋根がないところもある)。日本の道路カルチャーの代表的存在ともいえるSA・PAや道の駅も含め、雨の日に訪れるのにふさわしいこれらスポットのさまざまなトップ3を見てみよう。

ショッピングモール
面積、店舗数、駐車台数でトップとなったのは「イオンレイクタウン」。TVなどでもよく取材される、関東民ならお馴染みのショッピングモールだ。幕張新都心、岡山など各地の「イオンモール」も目立っている。やはりイオン強し!
「ショッピングモールとは」
複数のショップが集合した複合型商業施設。モール(歩道)に沿って店が並ぶことが多く、「モール型ショッピングセンター」とも呼ばれる。
店舗面積トップ5
1位 イオンレイクタウン 埼玉県越谷市 約18万3000㎡
2位 イオンモール幕張新都心 千葉県千葉市 約12万8000㎡
3位 阪急西宮ガーデンズ 兵庫県西宮市 約10万7000㎡
4位 ららぽーとTOKYO-BAY 千葉県船橋市 約10万2000㎡
4位 イオンモール新利府 宮城県利府町 約10万2000㎡
店舗数トップ3
1位 イオンレイクタウン 埼玉県越谷市 約710店舗
2位 ららぽーとTOKYO-BAY 千葉県船橋市 約460店舗
3位 イオンモール岡山 岡山県岡山市 約350店舗
駐車台数トップ3
1位 イオンレイクタウン 埼玉県越谷市 約9400台
2位 イオンモール幕張新都心 千葉県千葉市 約7300台
3位 ららぽーとTOKYO-BAY 千葉県船橋市 約7000台
SA・PA
かつては「汚い・不味い・狭い」など、不満の巣窟だったが、00年代の道路公団民営化以降、一気に発展・進化。基本的にドライブの途中で寄る場所だが、現在では目的地にしてもいい場所になった。
「SA・PAとは」
SAはサービスエリア、PAはパーキングエリアのこと。よく混同されるが、SAは大型で、レストランやガソリンスタンドが併設されていることが多い。
駐車台数トップ3
1位 東名高速道路 足柄SA(下り) 大型車260台/小型車517台
2位 東名高速道路 足柄SA(上り) 大型車177台/小型車516台
3位 東名高速道路 海老名SA(下り) 大型車98台/小型車528台
利用者数トップ3
1位 海老名SA 神奈川県海老名市
2位 足柄SA 静岡県御殿場市
3位 談合坂SA 山梨県上野原市
道の駅
地元の味わいという部分ではSA・PAよりキャラが濃い。2025年度も新たに9つの道の駅が登録され、右の3つはすでにオープンしている場所だ。現在、全国1230駅。北海道が最も数が多い。
「道の駅とは」
高速SA・PAに対し、こちらは一般道沿いに建てられた施設で、地域振興を目的としていることもあって、地産の食物やお土産を多く見ることができる。
新しさ(オープン日)トップ3
1位 もりおか渋民「たみっと」 岩手県盛岡市 4月26日
2位 だいとう 岩手県一関市 4月17日
3位 ふるびらたらこミュージアム 北海道古平町 4月15日
都道県別駅数トップ3
1位 北海道 129箇所
2位 岐阜県 56箇所
3位 長野県 54箇所
※データは2025年5月編集部調べ。
雨好き、カーアイテム好き必見の特別インタビュー
カー用品メーカーの老舗 カーメイトに聞く 最新雨対策グッズの秘密
雨対策カーアイテム特集のラストを飾るのは、カー用品メーカーのカーメイト。
まもなく創立60年を迎えようとしている同社を訪ねて、最新の撥水アイテムに関する貴重な話を聞いた───。
長い時間をかけて進化した独自の超撥水コート剤
グー 雨対策アイテムの重要性、お客様のニーズを、カーメイトさんではどのように認識されていますか?
カーメイト 雨天時は路面が滑りやすくなり、視界不良が発生することで、晴天時に比べて事故が約4倍に増えると言われています。ウインドウガラス用のケミカルを使用していただくことで、視界を確保し、雨天時の運転のストレスや事故の軽減につながると考えています。
グー では、御社の代表的カーケミカルである「超撥水コート剤」はどのような製品なのでしょうか?
カーメイト ガラスやミラーに雨(水滴)が“つかなくなる”究極のガラスコート剤だと考えています。01年に初めて発売しましたが、現在も市販品としてフロントガラス用の超撥水コート剤を販売しているのは弊社のみです。まだ課題は残されていますが、今後も開発を重ねて、より使いやすいコーティング剤に進化させていきます。
グー では、この超撥水コート剤の、各年ごとの進化のポイントについて教えてください。
カーメイト 01年の『レインマジック Siv(シブ)』はサイドミラー用の製品で、10年後に耐久性を高めてフロントガラス用にした『エクスクリア ゼロワイパー』を発売しました。ただ、“超撥水現象”をフロントガラスに施工するにはベースコートが必要で、しっかり乾燥させる手間もありました。そこで14年発売モデルでは、ベースコートの乾燥の手間を省き、23年にはついにトップコートだけで超撥水を可能とした『ゼロワイパーフルセット』が完成しました。
グー 長い時間をかけて進化してきたんですね。
カーメイト 途中、19年頃に某ユーチューバーさんがゼロワイパーを使用した動画がバズりまして、“超撥水現象”を動画で観てもらえたことで世間の認知も進みました。
グー では、同製品の開発において苦労したこと、注力したことを教えてください。
カーメイト 特にフロントガラス用の超撥水コート剤に関しては、トップコートの耐久性と仕上がりのバランス取り(効果を強力にすると透過性が下がってしまう)に苦労しましたね。注力したこととしましては、被膜が実際の雨でどれだけ耐えるかをいろいろなフィールド試験を通じて確認し、処方検討を行ったことでしょうか。
グー 現状を踏まえて、超撥水コート剤は今後どのように進化すべきだとお考えですか?
カーメイト 現在、センサーやカメラが車両各所に使われていますが、雨天時は雨粒が悪影響します。そういった技術の性能をサポートするためにも、超撥水被膜の耐久性が重要です。昨年ようやく触っても被膜がとれない“サイドミラーフィルム”を発売しましたが、その用途を広げていきたいと思っています。
グー それでは次に、LEDの『2色切り替えフォグバルブ』の特長についてお聞かせください。
カーメイト 特長は、純正バルブと交換すれば、フォグランプスイッチで、発光色が白色光と黄色光に切り替えられるようになることです。
グー これを梅雨時におすすめする理由というのは?
カーメイト 白色光は、晴天時の白線や縁石の視認性を向上させますが、雨天時(路面がウエット状態)は光が乱反射して視認性が悪くなります。一方、黄色光は波長が長いため、晴天時の白線視認性は白色光よりも劣りますが、雨天時は乱反射を抑えることができ、視認性が向上します。このような発光色ごとの特長を使用シーンごとに活かせるため、雨対策としてお薦めしております。
グー ではもう一つ、消臭剤の「ドクターデオ」シリーズは、どのような嗜好やライフスタイルを持つオーナーに最適でしょうか?
カーメイト ドクターデオは、香りでマスキングする消臭剤と異なり、車内に浮遊する悪臭の分子を酸化分解する消臭方法を採用しています。無香料でありながら車内のしつこい臭いをとることができます。
グー なるほど。梅雨時期にはうってつけの製品かも知れませんね。
カーメイト 使用時期は、エアコンを本格的に使用する梅雨前あたりからの使用が効果的ですが、時期を問わず消臭効果を重視する方にも最適です。また、今年発売したばかりのカビの繁殖を抑える、エアコンフィルターはこの時期におすすめです。
グー あとはカーメイトさんでは「傘入れ」系アイテムをラインアップされてますが、特徴はどういったところでしょうか?
カーメイト 車内の濡れにくさと傘を入れやすい置き場所を重視して開発しています。
グー ありがとうございました。
カーメイト 弊社は今後も時代の変化に柔軟に対応して、お客様の雨天時における問題解決と安全、安心をご提供できるよう、日々進化を続けていきたいと思っております。


カーメイト ケミカルチーム プロダクトマネージャー
河村友保さん


カーメイトってどんな会社?
1965年創業の総合カー用品メーカー。創業者が、現在のヘッドレストに相当する「オートピロー」を開発したことに始まり、非金属チェーンの「バイアスロン」や、ルーフキャリア「INNO」など、数々のロングセラー製品を生み出してきた。

カーメイトが誇る梅雨対策カーアイテム







※価格はすべてオープン(編集部調べ)