カーライフ・ドライブを楽しむ
更新日:2023.10.13 / 掲載日:2023.10.10
賢くスマートに目的地へ行く!クルマ移動×新しいモビリティ活用
多様化するモビリティを活用して楽しもう!

JAPAN MOBILITY SHOW 2023が10月26日(木)から開幕する。
今回は、“MOBILITY SHOW”という名が表すように、自動車の枠にとどまらず、さまざまな移動手段にも注目が集まりそう。そこで、会場となる東京ビックサイトに向けて、いろいろな移動手段でのアプローチを検討してみた。新しいモビリティを活用して、移動の快適さや楽しさをお伝えする。
写真:渡部祥勝
(掲載されている内容はグー本誌 2023年10月発売号掲載の内容です)
〝賢くスマートな移動〟を実現するためのキーワード

日本がバブル景気真っただなかの1989年(平成元年)から2009年(平成21年)のまでの20年間、東京モーターショーは千葉県の幕張メッセで開催された。東京から少し離れた現地まではクルマで来場する人が多く、当然行き帰りの道はよく混雑したもの。当時は、そんなことはおかまいなしでクルマのみ、もしくは電車のみといったシンプルな移動手段で幕張まで行くスタイルが多かったと記憶している。
時は流れ令和時代。東京モーターショーの名称もJAPAN MOBILITY SHOW 2023へと変更となった今……クルマは変革期を迎えている。新たなモビリティや付随するサービスもIoTやAI(人工知能)技術の進化を背景に多様化が進み、目的地へはいろいろな方法で移動できるようになっている。クルマに加え、新しいモビリティやサービスを活用した、賢くスマートな移動について紹介していく。
カーシェア

これまでの自分のクルマを所有するスタイルに加え、近年では登録会員が共同で使用するカーシェアサービスの市場が拡大している。カーシェアの大きなメリットは、クルマの購入時に必要となる費用はもちろん、駐車場代や税金、車検、保険などの維持費の負担なしで、クルマを使いたいときに利用しやすい料金で使えるということになる。また最近では、個人が所有するクルマを共同で使用するCtoCカーシェア(個人間カーシェア)をスマホのアプリを使って行えるサービスも利用されている。これはクルマを所有する人にとっては、有益な活用法だといえる。
CEV

CEVとは、クリーンエネルギー自動車の略で二酸化炭素や窒素酸化物などの、環境に有害な排出ガスが少ない、または出さない環境にやさしいクルマを指す。国や地方自治体は、環境にやさしいだけでなく、災害や停電などの非常時に電源を供給できるCEVの普及を推進するために、新車購入にあたっての補助金制度を導入している。燃料代が高騰を続ける今、燃料だけに頼らないCEVを利用できれば、維持費の面では大いに貢献してくれるのは間違いない。クルマ自体の性能は言うことなしのため、あとはガソリン車と比べてどうしても割高になってしまうイニシャルコストを抑えられるかが、CEV普及への鍵となる。
マイクロモビリティ

いま注目を集めるマイクロモビリティの代表格といえば、電動キックボード。2023年7月の道路交通法改正により、電動キックボードは新しく「特定小型原動機付自転車」※と規定された。これにより、最高速度が時速20㎞以下の場合、免許不要で16歳以上から走行できるようになり、ヘルメットの着用は努力義務となった。最近では、街なかに電動キックボードのシェアサービスのポートが数多く設置され、徒歩だと少し遠い場所でも手軽に移動できるようになっている。また、誰でも利用しやすい電動アシスト付き自転車のシェアサービスも利用者が増えている。いずれも、自由な移動を楽しめる便利なツールとして今後さらなる活用が期待される。あとは、利用者が交通ルールをしっかり守って運転することが肝要だ。
※車体の大きさが長さ190㎝以下で幅60㎝以下、最高速度は時速20㎞以下、原動機として定格出力0.6kW以下の電動機を用いたもの。
サブスク(KINTO)

「所有する」から「活用する」へと、クルマとの付き合い方が変わりつつあるなかで、2019年に登場したのがトヨタの「KINTO」。車両本体価格と合わせたクルマを維持するのに必要な諸費用をコミコミにして、月々定額で支払うといったサブスクリプションサービスだ。クルマを所持すると発生する税金や保険、車検、メンテナンスといった維持費も含めた金額設定となっていて、決まった金額を払うので不用意な出費が少なく計画的に利用できる※。特に20代の若い人や非ゴールド免許の人は保険料が高くなりがちなため、トータルで考えた場合、KINTOを利用するメリットがあるといえるだろう。
※1か月あたり1500㎞の走行距離制限があり、契約終了時に距離制限をオーバーしていた場合は1㎞あたり11円の追加精算が発生する。(トヨタ車の場合11円、レクサス車の場合22円)
IoT/AI(配車アプリ)

タクシーをなかなか捕まえられない、タクシーを呼んだがいつ来るかはっきりしない……。そんな経験をしたことがある人は多いだろう。それはひと昔前の話。最近では、タクシーの配車アプリの宣伝をよく見かけるようになり、スマホからスムーズにタクシーを手配できるようになっている。予約時に行き先を設定したり、複数のルートから経路を選択できる。また料金もメーター運賃と事前確定運賃のどちらかを選べるようになっている。事前確定運賃ならメーターを気にせず落ち着いて乗車できる。
ビッグサイトへ何で向かう?

マイカー・カーシェア・マイクロモビリティ・公共交通機関
東京モーターショーからJAPAN MOBILITY SHOWへと名称が変わった今回、会場となる東京ビッグサイトへ向かうなら、どういった手段が考えられるのか……いくつかのケースに沿って、令和時代にふさわしい移動方法について紹介していこう。
(従来のパターン)クルマのみでの移動

クルマのみで東京ビッグサイトを目指した場合……
首都高速で現地に向かう場合、都心方面からは「台場」、横浜・羽田方面からは「臨海副都心」、千葉方面からは「有明」「豊洲」あたりの出入口を利用することになる。いずれの出口からも通常時は5分程度で到着するが、イベント中はコロナ禍が明けた令和初の開催ということもあり、混雑は必至。クルマで現地にたどり着くには、それなりの時間を要することになるだろう。


JAPAN MOBILITY SHOW 2023のような大きなイベントは、全国各地からの来場者が予想される。家族や気心の知れた友人などと、現地まではクルマで楽しく行きたい! そんな人も多いだろう。でも、ここで気になるのが現地に至るまでの渋滞。特に遠方から来る場合はなおさらだ。そんな方にオススメしたいのが公共交通機関とカーシェアの組み合わせ。たとえば東京駅までは電車で来て、そこからカーシェアを利用すれば、極力渋滞を避けて現地までアクセスできる。クルマでの移動なら荷物が多くてもラクだし、イベントを楽しんだ後も自由に移動できるので、観光がしやすいといったメリットがある。



スマホで簡単申請&登録後はアプリでサクッと予約!
事前にサービスの利用に必要な登録を済ませておけば、あとはアプリから利用したい場所周辺のスポットを調べて予約できる。レンタカーよりも短時間での利用が可能なため、移動のニーズに柔軟に対応できる。

クルマで現地まで向かった際に困ることが駐車場の問題。会期中、東京ビッグサイトや付近の駐車場が混雑するのは間違いないだろう。それなら会場から少し離れた台場や豊洲といったエリアでクルマを駐車すれば比較的スムーズ。そこからは、ゆりかもめなどの公共交通を利用するのが一般的だが、ここでは新しいモビリティとして電動キックボードの利用を検討したい。ビッグサイトまでの距離はさほど遠くないため、臨海エリアを颯爽と走れば、目的地付近の返却ポートまで短時間で到着でき、今までにないワクワクする移動を楽しめる。


電動キックボードが不安なら、サイクルシェアという手もあり!

電動キックボードは、マイクロモビリティとして新たに登場した移動手段だが、利用できるようになってから日が浅いこともあり、運転に不安がある人もいるだろう。そんなときにオススメなのが自転車のシェアリング。乗り慣れた自転車なら安心して利用できるし、電動アシスト付きのモデルも多く、坂道でもラクに移動できるから便利だ。
台場・豊洲エリアで最大料金を設定する割安な駐車場を利用しよう!
豊洲エリア
◎タイムズスーパービバホーム豊洲
住所:東京都江東区豊洲3-4
台数: 741台
営業時間:6:00〜23:30
●普通料金 6:00-23:30 30分 400円
●最大料金 6:00-23:30 最大1,800円※繰り返し適用あり
●割引等
全館のお買い上げレシートをレジで証明を受けて、
合計2,000円以上で入庫から1時間無料、合計3,000円以上で入庫から2時間無料
◎豊洲センタービル駐車場
住所:東京都江東区豊洲3-3-3
台数: 333台
営業時間: 7:00〜23:00
●普通料金 最初の30分無料、1時間400円、
以降30分 200円
●最大料金 駐車後24時間最大1,800円※繰り返し適用あり
●割引等
一部のテナント店舗で割引あり。各店舗にご確認ください。
台場エリア
◎デックス東京ビーチ駐車場
住所:東京都港区台場1-6
台数:523台
営業時間:24時間
●普通料金 60分600円
●最大料金 入庫当日最大1,500円(平日)
※繰り返し適用あり
◎潮風公園第一・第二駐車場
住所:東京都品川区東八潮1、東八潮2
台数:134台(第一)、84台(第二)
営業時間:24時間
●普通料金 60分400円、以降30分200円
●最大料金 入庫後12時間最大1,600円
※繰り返し適用あり
◎青海臨時駐車場
住所:東京都江東区青海1-1-17
台数:1,550台
営業時間:7:00-22:00
●料金 普通車当日1回/1,600円
※バイク駐車可(料金無料)
☆上記情報は2023年9月18日のものです。ご利用の際は、最新の情報をホームページでご確認ください。
ほかにもあります! 知っていると便利な東京ビッグサイトへのアクセス

せっかくモビリティショーに行くなら、これまでと違う移動手段で現地まで向かいたい! そこでオススメなのが「東京BRT」。BRTとは「Bus Rapid Transit」(バス高速輸送システム)の略で、臨海地域における新しい公共交通機関として運行を計画している。現在は計画のプレ運行(二次)の段階で、虎ノ門ヒルズから新橋駅付近を経由して、国際展示場駅前までのルートを利用できる。ぜひお試しあれ!
詳細はホームページをご確認ください。https://tokyo-brt.co.jp/



新橋から国際展示場駅前までの所要時間は最速15分。運行時の交通量にもよるがスピード感があるのは間違いない。

全国からの来場者が見込まれるジャパンモビリティショー。空路を経て羽田空港へ到着して現地へ向かう場合、東京モノレール、りんかい線を乗り継いで最寄り駅の国際展示場まで来るルートが想定される。東京に不慣れな人にとっては、ちょっと面倒でひと苦労ともいえる。そこで知っておきたいのが空港からのリムジンバス。事前予約制で必ず座れるうえに、所要時間も電車を乗り継ぐよりスピーディなのでオススメだ。
運行状況はホームページをご確認ください。https://www.limousinebus.co.jp


番外編
ビッグサイトへはこんな手段でもアクセスできるって知っていましたか?
関西方面からビッグサイトへ来場する場合のひとつの手段が夜行バス。JRバスが運行する「グランドリーム20号」を利用すれば三宮や大阪から、「青春エコドリーム4号」を利用すれば奈良や京都からダイレクトでビッグサイトまでアクセスできる。所要時間や快適さはクルマや新幹線と比べて劣る部分はあるが、寝ている間に目的地へ到着できるので、移動手段としては有効な方法といえるだろう。
また現在は運休中のため利用できないが、以前は日の出桟橋からビッグサイトまで水上バスを利用するという方法もあった。


逆にビッグサイトから乗車すれば、翌朝には大阪や三宮へ到着できる。(グランドリーム号のみ)
※運行状況はホームページをご確認ください。http://www.jrbuskanto.co.jp/topics/post_817.html
今どきのモビリティを利用してひと味違った〝移動〟を楽しむ 〜in 神奈川県 三浦市&葉山町〜



マイクロモビリティを上手く利用すれば自由な移動で楽しみが広がる!
今号の特集「新しいモビリティの活用」というテーマをどうまとめるか……と電車内で思案を巡らせていると、『三浦半島で使える小型EVと電動キックボード利用クーポン2,000円分プレゼント!』※という広告が目に止まった。これは今回のテーマにぴったりの内容ではないか。ぜひ体験してみたい! そう考え、ホームページから利用に必要な登録を済ませ、後日、京浜急行の三崎口駅へ向かった。
駅近くの駐車場で予約していた小型のEV、トヨタのC+podを発見。事前にダウンロードしてあるアプリ上でロックを解除して乗車した。満充電されていたため、走行可能距離は150㎞と表示されていて心強い。ボディはかなりコンパクトで、これで公道を走ると思うと不思議な感じがしたが、まずは海を見るために三浦海岸を目指す。徒歩だと40分程度かかる距離をわずか10分程度で移動できるのは便利でクルマの乗り心地も良好。そのまま半島沿いに進み、城ヶ島を経由して三崎口駅へ戻るドライブコースだったが、最高速度が60㎞/hまで出るため、ほかのクルマの流れを妨げることもなく快適な運転を楽しめた。
続いてもうひとつのモビリティ、電動キックボードを体験するために京浜急行の逗子・葉山駅へと向かった。駅近くにあるポートで、スマホから予約していた『SEA-Board』と呼ばれるキックボードを借りて出発。駅から約3㎞の森戸海岸を目指すことにした。周囲のクルマに気をつけながら、15分程度で海岸に到着。さらにその先の森戸大明神まで足を伸ばしてみた。こちらも観光やちょっとした日常使いとして活躍してくれそうな移動手段だといえる。こういった新しいモビリティを活用すれば、より自由な移動が楽しめるようになると感じられた。もちろんルールを守った丁寧な運転が必須となる。
※先着1,000名様に、2,000円分(120分)のモビリティ利用を無料とし、今だけおトクに体験していただくキャンペーン!(2024年2月29日まで開催)詳細はhttps://cocoonfamily.jp/miura/feature/mobility-cp2023にてご確認ください。





燃料価格が高騰している今、賢くスマートなクルマが理想的!
ガソリン価格の値上がりが止まらない! それだけではなく、さまざまなモノが値上がり傾向にある今、クルマの維持費も高くなる一方……。そんななか、燃料費を抑えつつ時代にも即したスマートな移動を実現できるのが、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)といったクリーンエネルギー自動車(CEV)。補助金を利用してお得にクルマを購入すれば先々のカーライフも変わってくるかもしれない。
割高な印象を持たれるクリーンエネルギー自動車だが、新車購入の際には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の申請が可能となることを読者のみなさんはご存じだろうか? 結構な金額が補助されるため、購入時には必ず活用したいところ。なお、2023年8月21日時点での国の補助金の状況は、予算残高が約356億円(令和4年度補正予算+令和5年度当初予算規模は900億円)となっている※。
補助金を利用して購入したクルマは、原則として新車登録日から3年または4年の保有が義務付けられている。加えて、地方自治体が交付する補助金も併用可能のため、購入前にぜひ確認しておきたい。
※補助金の対象となる車種、補助金額の条件など、詳細については一般社団法人・次世代自動車振興センターのホームページにてご確認ください。https://www.cev-pc.or.jp
PHEV (対象となる国産車)
・トヨタ RAV4、プリウス、ハリアー ・レクサス NX450h+、RX450h+ ・三菱 アウトランダー、エクリプスクロス
【補助金】550,000円 ※車種や条件により補助額が異なる場合があります。
[トヨタ]RAV4 PHEV
主にエンジンで充電するハイブリッド車とは違い、大容量のバッテリーに外部から充電できるので、満充電時には95㎞のEV走行が可能(WLTCモード)。加えて、ハイブリッドでの走行を加えると、航続可能距離1300㎞以上を実現。あらゆるシーンに応える高い走破性も魅力だ。

[トヨタ]ハリアー PHEV
Zグレードに大容量リチウムイオンバッテリーを搭載したプラグインハイブリッドシステムを設定。専用のフロントグリルやボディカラーを採用している。ハリアーがもともと備えている力強い加速性能とすぐれた静粛性をより感じられるモデルとなっている。

EV (対象となる国産車)
・トヨタ bZ4X ・レクサス UX 300e RZ450e ・日産 アリア、リーフ e+ G、サクラ
・ホンダ e ・マツダ MX-30 EV Highest Set ・三菱 eKクロス EV
【補助金】512,000〜850,000円 ※車種や条件により補助額が異なる場合があります。
[日産]リーフ e+ G
日産のEVを牽引するリーフ。現行モデルは標準車のバッテリー容量を拡大したほか、大容量のバッテリーとなるe+を設定。リチウムイオン電池の耐久性から、動力性能、乗り心地まで大幅に進化している。

[日産]サクラ
一充電で180㎞を走行できるため、街なかを移動する足として最適な軽自動車。長距離を走らない人ならメインカーとしても十分活躍できる。軽自動車ながら、走りと乗り心地が上質でコストパフォーマンスにすぐれている。

FCV (対象となる国産車)
・トヨタMIRAI【補助金】1,453,000円
※車種や条件により補助額が異なる場合があります。
[トヨタ]MIRAI
水素を燃料とするMIRAIは、ゼロエミッションでありながら長い航続距離を実現。環境性能だけでなくクルマとしての性能も追求し、高い走行性能を誇る。酸素と水素があれば、その化学反応で大きな電力を生み出すことができるため、災害時に非常用電源として活用できる。

総括

モビリティやサービスを選択して
賢く移動するのがこれからのスタイル
東京モーターショーからJAPAN MOBILITY SHOWへと名称が変わったように、クルマを含めたモビリティは、新たな技術やサービスにより進化を続けている。それに伴って、私たちをとりまく環境も移動手段の選択肢が増えたり、それらを簡単に利用できるようになり、より便利になってきていると感じさせられる。多様なモビリティを活用した賢い移動が、これからの新しいスタイルとして浸透していくなか、それぞれのモビリティサービスが今後どのように発展し、MaaSなどの概念によって、ほかのモビリティと連携したり、結びついていくのかが注目される。