車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.05.02
第3回目 VOLKSWAGENフォルクスワーゲンまるごと。
転ばぬ先のメンテナンスで故障リスクを低減する
高度なメカをメンテする専用テスターの存在

最大限の効率を引き出すべく、高度なメカと制御システムを採用しているVW車。それゆえに、適切なタイミングでの点検と整備が不可欠だ。調子を崩したままで長時間走らせてしまうと、結果的に高い修理コストとして返ってくるリスクがある。
では、VWにはどのようなメンテナンスが必要となるのか。じつは、ユーザーが行う日常点検では、特別なことは何もない。エンジンオイルや冷却水、ウォッシャー液の量、タイヤの空気圧などといったごくごく当たり前の点検でいい。
一方で、年に1度の12カ月点検や24カ月点検については、できればVW正規ディーラーにて行いたい。なぜならば、専用の診断システム「ODIS」があるからだ。
このシステムは、オンラインにてドイツ本社と繋がっており、つねに最新の技術情報が受け取れるだけでなく、車両のコンディションも正確に診断。専用のテスターは持ち運び可能なため、ロードテストで走行中の状況も診断可能。
これらを活用することで、スピーディかつ低コストで、愛車のコンディションをキープできるのだ。
TSIエンジンやDSGトランスミッションなど、高度な制御技術が採用されているVW。それだけに、適切なメンテナンスが維持のポイントになる。
全部品の98%以上を保有する愛知県豊橋市のパーツデポ

日本に正規輸入されているVWは、ユーザーに納車される前に愛知県豊橋にあるVGJ豊橋インポートセンターにて、「PDI(PreDelivery Inspection)」と呼ばれる検査および整備を受け、クオリティのチェックを受けている。ここには「パーツデポ」と呼ばれる部品倉庫も併設されており、ドイツのVW本社から船で運ばれてきた部品約5万7000点が保管されている。このような万全のバックアップ体制があるからこそ、安心して日本でもVWが楽しめるのだ。
CUSTOMIZATION
VW公認チューニングパーツのCOX&Oettingerで走りを磨き上げる
クルマの走りを磨くチューニング。その魅力を感じ、興味はありつつも「ディーラーに入庫できなくなるのでは?」と二の足を踏むひとも多い。そこでVWは、正規ディーラーでチューニングパーツの取り扱いを開始した。
文●グーワールド
車検に対応するパーツをディーラーで販売する

チューニングは、もともとは演奏に向けて楽器を適切な音に調整する調律を意味する言葉で、転じてクルマのセッティングをするというニュアンスで使われ始めた。
現代におけるチューニングは、万人に向けてセッティングされている市販車を、ドライバー個々の好みに合わせるというニュアンスで行われる。主に市販のアフターパーツを用いるため、たとえ保安基準に適応するアイテムであったとしても、正規ディーラーでは購入、装着できないのが常識だった。
しかし、フォルクスワーゲンは2017年から、「COX」と「Oettinger(エッティンガー)」による、ゴルフやゴルフヴァリアント向けの車検対応カスタマイズパーツを、全国の正規ディーラーで取り扱いはじめたのだ。いずれもVWファンにはおなじみのブランドで、その品質は折り紙つき。
エアロパーツといったルックス面を飾るアイテムだけでなく、足まわりやボディ剛性、そして吸排気系など走行性能に関係する部品も含まれるという点でも、まさに画期的な取り組みだ。
装着することで、ステアリング操作に対するクルマの動きがシャープになるというアイテム群。ただ、固くするだけでなく、しなやかさと強靭さのバランスを追求したセッティングになっている。
COXは、車種専用設計を基本として製品開発を行うフォルクスワーゲン向けチューニングブランドの老舗。フォルクスワーゲンのパフォーマンスを最大限に引き出す。
TIRE
夏から冬までこれ1本の安心感 オールシーズンタイヤという選択肢
春になってスタッドレスタイヤから夏タイヤに履き替えるタイミングがきた。しかし、一度も雪道を走ることなく交換してしまったというユーザーもいるのでは?そんなひとにオススメしたいのが、1本で1年中使えてしまうオールシーズンタイヤだ。
文●グーワールド
技術の進化によって相反する性能を両立
技術の進歩により、従来では難しかった相反する機能が両立できるようになってきた。近年人気のクロスオーバービークルやSUVはまさにその成果で、オンロードの走行性能と悪路走破性の両立を高レベルで実現しているのはご存じのとおりだ。
そして、従来の常識が技術によって覆されるという変化は、タイヤの世界にも訪れている。
「グッドイヤー ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド」は、1年を通してさまざまなコンディションで走行できる万能型夏タイヤ。以前にもこのようなコンセプトのタイヤは存在したが、残念なことにどの性能も中途半端というものが多かった。
それに対してグッドイヤーは、タイヤの構造とコンパウンドを工夫することで、性能を大幅に進化させることに成功。グリップ性能と操縦安定性を重視した専用設計の「オールウェザーシリカコンパウンド」により、ドライの高速走行でも高い安定性を提供する。
そして、突然の降雪に対しても、しっかりとグリップ力を発揮。スタッドレスタイヤほどの性能はないものの、都市部など積雪の少ない地域であれば、十分に役割を果たしてくれる実力の持ち主なのだ。
日常からアウトドアまで、マルチにこなせるオールシーズンタイヤに注目だ。
GOODYEAR Vector 4Seasons Hybrid
グッドイヤー ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド
ドライ路面では剛性感のある走りを、ウェット路面では高い排水性を、そして軽微な雪道での走行にも対応するオールシーズンタイヤ。まさに1年中活躍するマルチな性能が魅力。
グッドイヤー ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド
高速道路のチェーン規制も走行可能
細かい溝を持つセンター部分でワッフル状の凹凸がブロックとブロックとを支え合うことで、より路面に密着してグリップを発揮。専用設計された全天候型コンパウンドにより、多彩な路面コンディションでその性能を発揮する。
タイヤ本体のサイドウォールには、「マッド&スノー」表記に加えて、欧州で冬タイヤとして認証された証となるスノーフレークマークも。
日本において、冬用タイヤであることを示す「SNOW」表示も表記されている。また、泥濘路(ぬかるみ)の走破性も夏タイヤよりも高くなっている。
フォルクスワーゲンがつくり上げた世界のクルマのスタンダード
歴史と環境が育んだ大衆車の理想型

戦前に登場して以降、世界中で愛され続けたVWタイプI(通称ビートル)は、自動車としてのスタンダードを築き上げた。74年に発売されたゴルフも、現在まで連綿と生産され続けており、ファミリーハッチバックのスタンダードと言われている。同じドイツ車でも、メルセデスやBMWはプレミアムブランドとしての地位を築いたのに対し、VWはあくまで大衆車として、世界の自動車メーカーのお手本的存在となった。
すべてのVWに共通するのは、やはり品質の高さだろう。一見するとシンプルな内外装デザインだが、実際に触れてみると組み立て精度の高さ、だれもが直感的に操作できる考え抜かれたデザインなどに驚かされる。大衆車に求められるエッセンスが1台のクルマに凝縮されている。
そんなVWは、本社のあるヴォルフスブルクではとくに多く走っており、見渡すと周囲のクルマがすべてVWということも珍しくない。またアウトバーンにおいても、時速200kmオーバーの高速巡航する光景は日常的に目の当たりにする。
戦前から、“国民車”として考案され、それをアウトバーンが育む。そんな稀有な環境が、VWを世界のスタンダードに押し上げたのだ。
文と写真●グーワールド
全面ガラス張りの建物は、ドイツのヴォルフスブルクにあるフォルクスワーゲンの本社。なかには同社のクルマがぎっしりと並べられている。敷地内の芝生も美しかった。
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。